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海外在住FXトレーダーなのに日本の税務署に課税されたお話とその対策

ご覧いただきありがとうございます。アメリカのトレードスクール出身のフィボ太郎と申します。

この記事は、以前私が執筆した「日本人が知らないFXで正しいフィボナッチの使い方<実践編>」は、1000名様以上にお買い上げいただいており、気を良くした私がなにか皆さんの役に立つ記事は書けないかということで、裏取りなども含めて1ヶ月位かけて書いた記事でございます。

今回の内容ですが、FXや仮想通貨などで利益をあげた私が、「税金がかからない」という理由で海外に移住していたのに、日本の税務署からそんな甘いことは許さないと詰められて、税金を収める羽目になった話です。

https://twitter.com/komochi4xamo/status/1773975422306492463

税金を追求される場合にはいろいろなシチュエーションがあると思いますが、海外生活をしている個人事業主さんで、日本での収益があるのに利益の申告があやふやになっている方にとっては、将来的に税務署から怒られるのを避けられる有用な内容かと思います。

また、この記事ではグレーなことは紹介しておりません。きちんと税法(特にタイ)に則って税金を低く抑える方法なども解説しております。

それでは本編を御覧ください。

バンコクの夜景 ものすごい勢いで発展しています



2024年現在、私フィボ太郎はタイのバンコクに住んでおります。

移住した理由は日本の冬が苦手だったり、アジアの雰囲気が好きだったりと色々ありますが、一番の理由は「節税」です。

タイから見た僕ら外国人の場合、タイ国内で得た収入は日本と同じ様に所得税として国に収める必要があります。(※タイでは収入が多いほどたくさん税金を収める累進課税が採用されています)

引用:JETROタイの税制  1バーツ=4.2円(2024年3月)

上記を見ると、最高税率は日本の45%に比べて35%と10%も安く、また、日本のように別で住民税10%を徴収されるといったことはありません。

消費税も日本の10%に対し7%ですし、労働者でしたら社会保険(なぜか歯医者は年間900バーツまでの無料受診分がついてくる)の支払い義務がありますが、日本のようにがっつり取られることはなく、だいたい給与の5%程度で、会社によっては保険分は出してくれるところも多いです。

まあたしかに日本の健康保険は手厚いですが、日本人でしたら、こちらのサイトで紹介されているようにクレジットカードに付帯する保険で、年間270日をカバーできるので事足ります。

そんな理由もあり、最近たくさんの若者がタイに移住しておりますが、節税をメインと考えた場合、上記でお話した税率の違い程度で、家族や友人を置いてタイに移住する理由になりえるのでしょうか?

理由としてはちょっと弱いと思うんですよね。

はい、そうなんです。タイの税金の制度にはまだ続きがあるのです。

タイ国外での収入はタイに持ち込まなければ税金がかからない

はい、これです。

実はですね、タイの税法では、タイの国外で得た収益、例えばYou Tubeの収益やnote、FXなどの収益の振込先が、日本やその他のタイ国外銀行などの場合、タイへ持ち込まなければ課税されないのです。

【重要】
※2024年1月23日にタイ歳入局の新ガイドラインが発表されました。
以前は利益が出た年と同年度にタイへ持ち込まなければ税金はかかりませんでしたが、2024年1月1日以降の収益に関しては、いつ持ち込んでも課税されることとなりました。
(ただし、現状は自己申告制となっております。日本のクレジットカードで普段から支払っている人や直接現金を持ち込まれている場合は正直どうやって捕捉するのかが、税務署の方もわかっていない状態です)

2023年以前の場合ですと、例えば2023年に「タイ居住者」の日本人が、タイ国外でFXで300万円利益、noteで100万円、ブログで100万円の、合計500万円稼いで「日本の」銀行口座などに入金されたとします。

そして、年をまたいだ2024年1月以降に日本の自分の銀行から500万円をタイの自分の銀行に送金した場合、なんと完全に税金がかからない状態でした。

特に2020年ころから仮想通貨界隈では、大きく利益を得た人たちがこぞってタイへ移住し、この税制度のおかげで仮想通貨の利益にかかる税金が0になった方が多くいらっしゃいました。

ただし今回の記事は、上記のルールに従ってタイに収益を持ちこんでいないのに、なぜか日本で納税を追求されたというお話です。

ただなにもせず移住しただけでは、日本に帰国した時に税務署から過去を遡って追求される可能性があります。それはまた後ほど。


タイの居住者なのに

さて、さきほど「タイ居住者」という言葉がでてきました。
これはタイの税法ルールが適用されるためにとても重要な条件で、日本に住んでおらず、かつタイに居ることを証明できる人のことを指します。

その条件ですが大枠では、

・一暦年中にタイに一回またはそれ以上滞在した日数が累計で 180 日
以上ある。

・タイに住むための長期のビザを所有している(就労ビザや学生ビザなどが必要で、観光ビザなどは不可)

・日本の住民票が抜かれた状態である。(これは条件として語られない場合が多いですが、税務署からは真っ先に聞かれますので必須と考えます)

を満たしている必要があります。


フィボ太郎の場合、ビザはタイランドエリートビザという100万バーツ(400万円くらい)で10年間の滞在が許される長期ビザを購入して滞在しています。

ただタイランドエリートビザは2023年に価格が跳ね上がったので、最近移住してくる若い子達は、タイの企業にオンラインで応募して就職し、ビジネスビザを発給してもらうパターンが多いです。

あと良くあるのが、授業がゆるいタイ語学校で学生ビザを発行してもらい、タイ語をほどほどに習いながらノマドをしていたり、50歳以上の方ですと、貯金さえあれば比較的簡単に発給されるリタイヤメントビザで滞在している方が多いですね。

わたしは、エリートビザがまだ値上がりする前に購入したのでそこまで大きなお金はかかっておらず、3年程度タイで生活して、日本からタイへは収益も持ち込んでおりませんので、基本的には無税の生活でのんびりしておりました。 

しかし事件が起こりました。

きっかけは前の会社の税理士さんから、私は海外在住なのでその期間中に引かれてた税金が戻ってきますよ。と連絡をいただいたこと。

ああ、たしかに税金関係はなんの処理もせずに海外に移住したので、そのあたりはノーチェックでしたね。

やめてからも何度か委託という形式でリモートワークで手伝っていたので、それで源泉徴収されていた税金でしょう。ということで3年ぶりに日本の親に会いに行くついでに税務署へ還付の手続きをしにいきました。

そして税務署へ行き、還付の手続きをした時に個室に呼ばれたんです。そこで職員さんに言われたセリフが、、

職員「フィボ太郎さんあなたね、税金の還付どころかこれまで払ってない税金、全部払ってもらう必要がありますよ」



私「は?」

まさに寝耳に水とはこのこと。
職員さんの手元を見るとなんか私の収益がきっちりと書かれた書類が見えており、私が使っているFX業者の名前まで記載されています。
なにそれ怖い・・・・


いやしかし、こっちには言い分がある!

私「いえいえ職員さん、私は日本に3年間住んでおりません。海外の長期ビザを取得し、住民票もタイに移してありますので、私はタイの税法上の居住者です。日本の税法下にはありませんよね?」と反論。

しかし職員さんから帰ってきた言葉が・・・、










・・・・・・と、

ここまで読んでいただきありがとうございます。大変心苦しいのですが、ここから先は有料記事とさせていただきます。

この後の内容としては、
なぜフィボ太郎はタイの居住者なのに税務署から税金を請求されたのか?

「タイ国内に現金を持ち込まなければ税金を払わなくて良い」の部分ははぜ日本の税務職員に通用しなかったのか?

そして、帰国時に日本で税金を請求されないようにするためには、タイでどのように準備をしておけば良いのか?

といった内容をじっくり書いていきます。

海外ノマドワーカーの皆さん(特にタイ)で、日本での収益がある方、株やFXの収益をタイ国外の口座で出している方、日本でGoogle AdSenseやアフィリエイトの収益がある方などにとってはかなり有益なお話かと思います。

今回のフィボ太郎の場合は脱税にはあたりませんでしたが、私のように海外の居住者になっただけで税金を払わなくて良いと思っている方は、皆さんもれなく帰国時に過去数年分の税金を請求される可能性があります。

日本では通常、所得税の場合は時効が5年、脱税や税法違反がある場合は7年に延長されます。

私は数百万円の税金を収めることになりましたが、事前にしっかりと手続きをしておけば防げた内容です。

この記事の内容が、全ての海外ノマドワーカーのお役に立てることを願っております。

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