遠野へ旅に出る。42歳。

いよいよ岩手県遠野市にいく日になった。
天気は晴れ。
東京の気温はそこまで寒くないが
遠野は氷点下の世界ということを聞いているので
万全の服装を準備して出かけた。

なぜ遠野市なのかは、よくわからない。
とりあえず、シェアハウスのような場所があって
1か月2万7千円で宿泊できるので、という理由。
そして、現実逃避？もっと俯瞰して物事を見たい、
鬱っぽい症状から抜け出したい。
過去の罪悪感から逃れたい。
未来の不安切り開きたい。

そんな逃げと挑戦の中で、行動をすることにした。

上野発の新幹線にゆられて北へ向かっていく。
福島を過ぎたあたりから雪景色になってきた。
気持ちがひんやりしてくるのと
どこからともなく出てくる孤独感に襲われる。
仙台を過ぎた頃からは、積雪も多くなってきた。

私は今、離婚の罪悪感、これから未来、家族がいないという孤独感にさいなまれている。
仕事を辞めてしまったので、次の仕事がないという焦りがある。
仕事がないのにもかかわらずのんきに旅行に出かけているという罪悪感もある。
たくさんの過去や未来にもまれて、気持ちの落ち着く暇がない。

何かを考えようとすると、身体がほてってしまいフリーズしてしまう。
朝から晩まで、この負のループを繰り返している。
特に、朝は現実を直視することができなくて、
布団の中でのたうち回ることが多い。

昨日、母と電話で話をしたときに
「そんな時でもあなたのことを大事に思っている。」
という言葉をもらった。
感謝と罪悪感と、でも、母とはすばらしいものだと強く強く思う。

最近、眠くてしかたがない。
何かをしようとすると、眠くなってしまう。
たぶん、脳が疲労しているんだと思う。
過去や未来の不安ごとを、解決できない不安ごとを
ずっと思っているせいなのだろうと思う。

私がいつも思うのは
今できることを一つ一つやっていくこと。
今に集中すること。
その繰り返しが人生なのではということ。

どうしても過去に振り回され
未来に振り回され
「失敗してしまった自分最悪！」
「何もできない自分最悪！」
と言っていても、道は進んでいかない。
（でも、やってしまうのだけれど）

だから、今この瞬間を大切にしたい。
例えば、パソコンで一文字一文字打っている自分を見て
「誰かの何かの役に立たないかな」
「誰かに思いが伝わるといいな」
「自分の将来につながるといいな」
「何にもつながらなくても、今ここにいる感覚を味わいたいな」
と思いながら、気づいたら筆が進んでいるというのは
本当に素晴らしい瞬間だ。
（今がまさにその時間だ。「今ここ」が実践できている）

外は相変わらず雪景色
さっきよりも雪深くなってきた。
晴れてはいますが、雪がチラチラ降っていて、寒そうだ。

遠野市は「日本で一番寒い村」として有名なのだそうだ。
（よりによって、一番寒い時期に、一番寒い場所に行くというのも
何かの縁なのだと思う）

文章を書いていたら、またうつらうつらしてきてしまった。
やれやれ、どうやら一歩一歩進んでは戻りしていくしかないようだ。

新幹線の外を眺めたら、雪は、さっきよりもっと積もっていた。
遠野到着まであと1時間だ。