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本当は、誰だって好きなことだけしていたい。
雨の降る土曜日は、どこへも行かず、窓辺に映る雨の風景を見ながら、自分自身についてよく考える。私の言う「自己カウンセリング」というやつだ。
私は、今の会社が大好きで、私の会社は「結婚」をベースにした仕事をする会社であり、「結婚」とはやはり「幸せ」なことであるから、私は幸せが大好きなので、会社のためなら、社員さんたちのためなら、更にはお客様のためなら、一生懸命働けるし、素直になって、社員の皆さんとともに頑張れる。
しかし、それが出来ないこともある。
私はかなり勝手気ままだし、かなりの頑固者だ。私が嫌いなもの、というより嫌いな場所は、「病院」だ。もともと、健康管理に関することを、自分でやることは好きだが、それを医師から「指図」されるのが嫌なのだ。
私は母の家系から受け継いだMODY1型糖尿病という、糖尿病のなかでもかなり厄介なタイプの糖尿病で、徹底した食事管理と、適度な運動と、体重コントロールが必要なのだが、私は以前通っていた大学病院の主治医と意見が合わず、衝突を繰り返していた。医師は、なんでも、甘いものを一日摂ったら、ノートに何時何分に何をどれだけ摂ったのか記録をしろとか、スーパーで売っている袋野菜はクズだ、ちゃんと八百屋で買った野菜を自分で刻んで食べろとか、お酒は一滴も飲むな、あれは毒だ、皆はお金を出して毒を買っているとか、結構口汚く言い放つ20代の若い男性医師で、私の心にとどめを刺した一言はこれだった。
「あおいさんは会社員でしょ。どうせ頼まれたことだけやってるだけなんでしょ?」
皆さんは、この医師の言葉をどう思うだろうか。
皆毎日、自分なりに努力し遂行している会社の業務を「どうせ頼まれたことだけやってるだけなんでしょ?」とは。
私は流石にキレたので、言ってやりました。
「頼まれたことだけ、ではありません。皆各々に業務をもっており、それを自分なりに工夫し、能動的に動いているのです。今の会社は、皆そうです。」
これが、今の日本社会だ!と言ってやりたかった。
医師が返した言葉というのが、
「あおいさんは、自営か?ああ、そうか。」だ。
あまりの見当違いなレスポンスに、私は開いた口が塞がらなかった。バカみたいだ。何故、「自営」なのか。どこから「自営」という言葉が出てきたのか。私の「能動的に動いている」という言葉が引っ掛かったのだろうか。それにしても、大学病院の医師というものは、数学力や分析力はあっても、読解力がこんなにも乏しいというのか。私は呆れすぎて泣きそうになった。
国語力、特に人の心を読む読解力がいかに大事かをもう一度、大学に戻り勉強し直せ!と言いたかった。
私は、病院を換える決心をした。
本当は私自身にも問題はあった。初めから「大学病院の医師というものはこういうものだ」と把握し、期待はせず、ある意味「諦」め、素直に従っていれば良かったのかもしれない。
私は本来、自由人だし気ままだ。本当は、好きなことだけしていたい。しかし、出来ないのが現状だ。だから、日々の暮らしのなかで、楽しみを見つけていきたい。
それに、四六時中糖尿病やその他の病気のことばかり考え生きられるはずがない。人間息抜きをしなくては、ストレスが溜まり寿命が縮むだろう。
それにしても、あの大学病院の医師を思う。
袋野菜をクズだとか、お酒を、お金を出して毒を買っているだとか、彼には楽しみとかないのだろうか。
彼女とか、いるのだろうか。あれでは、女性は寄りつかないだろう。など、余計なことまで考えてしまうが、詰め込みすぎて自分を追い込んで生きるような生き方は、明らかに寿命が縮む。皆さん、そう思わないか。