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【まほやく】魔法使いの魔道具とヴァニタス
Attention
⚠︎この記事には「魔法使いの約束」メインストーリー1部のネタバレが含まれています。
⚠︎未読ストーリーがある状態での考察です。齟齬がある場合はお知らせいただけますと幸いです。
⚠︎記事に含まれる内容は全て個人の解釈です。また記事内の画像はスクリーンショットまたはフリー素材です。
世界観と魔道具の役割
まずはじめに、今回のメインである魔道具について簡単にだが説明しようと思う。
![](https://assets.st-note.com/img/1659283065063-5VOc5uh4Zx.jpg?width=1200)
フィガロの魔道具
魔道具とは、魔法使いが魔法を使ううえで重要な役割を担っている。と言っても、魔道具がなくとも呪文を詠唱すれば魔法を使うことは可能だ。
しかし、魔道具を使用することによって魔力が安定し、より質の高い魔法を使えるのだ。
そして、キャラクターひとりひとりがもつ魔道具には、彼らの生きてきたこれまでのストーリーが強く反映されており、とても繋がりの深い、“らしさ”が詰まっっている。
今回の記事では、そんな彼らの魔道具に隠された意味を紐解きながら、より詳しく紹介していく。
魔道具と静物画
ここからは妄想のオンパレードである。
まず、見出しにいきなり出てきた「静物画」とはなんぞや。
という方のために静物画についての説明を引用しておく。
静物画は、西洋画のジャンルの一つで、静止した自然物(花、頭蓋骨、狩りの獲物、貝殻、野菜、果物、台所の魚など)や人工物 (ガラス盃、陶磁器、パン、料理、楽器、パイプ、本など)を対象とする。 これらを描く画家は、対象物を自らの美的感性に基づいて自由に配列し、画面を構成していると考えられる。
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永澤竣 島田紀夫(監修)「ヨーロッパの絵画・静物画」『絵画の知識百科』<生活シリーズ> 主婦と生活社 1990年 pp.78-79.
)
静物画のモチーフになるものはたくさんあり、またそれぞれにメッセージが込められている場合が多い。それははっきりと定められたものというよりも観る人が感じる雰囲気などのようなものだ。
引用文中の中にも魔道具として馴染みのあるものが静物画のモチーフとして多く列挙されているのがわかる。そこで魔法使いたちの扱う魔道具にも同様に、それらと似たメッセージ、いわゆる寓意が秘められているのではないかと思い調べることにした。
まず、静物画に込められているメッセージ(寓意)について述べようと思う。
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![](https://assets.st-note.com/img/1659272545181-BJ0P8bQ72c.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1659272734035-iy05eBqGHd.jpg)
上の静物画を見てわかるように、静物画にはたくさんのジャンルがあり、一枚目のような骸骨や蝋燭などで見るものに人生の空虚さや儚さを示したもの、ニ枚目の生命を感じられるひまわりや三枚目のようないずれ熟し腐っていく果物などが多くモチーフにされている。これらの静物が絵の髑髏やさまざまな背景が重なって、その絵に対してヴァニタス(人生の空虚さの寓意)を感じるようになるのだ。
ここで簡単に静物画におけるモチーフとその象徴する事柄、魔法使いが用いる魔道具を一つの表にまとめようと思う。(Wikipediaを参考にしたものもあるが自己解釈が多いため注意)
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![](https://assets.st-note.com/img/1659279999005-in4s2R4PNo.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1659279979940-jPv4QVEItL.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1659280034602-BaIx3DohTO.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1659279979767-Uf0YI09QcO.jpg?width=1200)
どうだろうか。魔道具からは神秘性と同時にある種のヴァニタスが感じられる。
このような見方は、魔道具だけに留まらず、変えられない予言の運命や〈大いなる厄災〉を前に成す術もなく死んでいったかつての賢者の魔法使いなど、「魔法使いの約束」という作品を通して感じられるものだと思う。
死が身近にあると言えど、魔法使いは長命であり人間と同じ空虚さを感じるかどうかはわからない。もしかしたら彼らにとっては、私たちよりも死が遠い存在なのかも知れない。しかしそれは長命の魔法使いを除いた若い魔法使いや、魔力が弱い魔法使いにとっては言い切れない。突如として力が強大になり世界を襲った〈大いなる厄災〉との戦いはまだ続く。
それらの要因が、よりヴァニタスを彷彿とさせる。
現に、私が魅せられたのもこのヴァニタスに通ずる部分からである。
直接的に述べられたわけでない、気が遠くなるほど遠い昔から続く運命の物語のロマンと空虚さに私は酔っている。
さいごに
まだ2部が更新されている最中の今。
まだわからない方が多いくらいのこの世界を、少しでもわかりたい。
そして彼らの運命のゆく果てを見届けられれば、と願いながら日々過ごしている。
どうか彼らに、幸あれ。
そして最後まで記事を読んでくださった皆様。本当にありがとうございました。
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参考