【東方非想天則】続:Windows11におけるグラフィックス問題について
こんにちは。
以前自分が書いた記事で(https://note.com/fghllk_mura/n/n44418ec56fa2)、Windows11において非想天則のエフェクトが一部見えないものがあり、それを解決する手段について解説しました。
しかし、一部PCではこれを行っても解決しない、という問題が起きていたため、なぜそうなるのかとその解決手段をこれから適当な解説を交えて説明します。
原因
前回の記事で解決しなかったPCに共通する点として、オンボードのPC(グラフィックボードを積んでいないPC)かつWindows11を搭載しているPCという点がありました。
それに関わる問題として色々と調べていて、
「Windows11はDirectX9以下をサポートせず、そのバージョンのDirectXを採用したゲームを実行しようとするとエミュレートで動作する」らしいことが判明しました。
つまり乱暴な言い方にすると、「Windows11では昔のゲームが完全にそのままプレイできるか怪しい」ということになります。
(自分の想像ですがOpenGLの処理が完全にできているかどうか怪しいのでは？と思っています)
これを回避する為には、
①Windows11を使わない
②Windows11がDirectXをエミュレートするのを回避する
の2択となるわけです。
①を行う手段としては、「Windows10以前のOSを使う」「Windows10の仮想環境下で非想天則を実行する」となります。
ただし、Windows10にダウングレードするやり方はサポートの事を考えるとおすすめできませんし、仮想マシンを動かせるほどのスペックがオンボードのPCでできるかどうかというと万人にはおすすめできません。
②を行う手段としては、「DirectXの処理をIntelのグラフィックボードが行う前に別のものにやらせる」となります。
前回の記事で紹介した手段は、GeForceやRadeonのようなGPUに処理を任せている為、こちらの手段になるでしょう。ゲーミングパソコンやクリエイター向けPCであれば可能な手段であり、外部ツールを入れる事もないのでおすすめです。
ただ、何かしら別のシステムに任せることにより、Intel標準のグラフィックボードしかないPCでも回避する手段があるのでは…？という考えを持って色々探すことにしました。
解決方法
そこで見つかったのが以下の手段となります。
【注意：これから先で紹介するのはシステムファイルを追加する行為の為、予期せぬ不具合がある可能性があることをあくまでご留意ください】
こちらのサイト(https://fdossena.com/?p=wined3d/index.frag)にアクセスし、Download: current versionの Download latest version Version 10.0-rc4 staging For Windows 8/10/11という項目をクリックしダウンロードを行います。(2025/01/13時点での最新バージョン)
そうすると、「wine3d-staging.zip」というファイルがダウンロードされます。そのファイルを開き、
「d3d9.dll」「wined3d.dll」の2つのファイルをそれぞれ非想天則の実行ファイルがあるフォルダ直下に入れます。
以上で完了です。
後は非想天則を実行すれば表示バグが直っているはずです(一応自分以外の人にも試してもらい、直ったことは確認済みです)。
このツールがなんなのかと言えば、簡単に言うと「DirectX 9の命令ををWindows10以降のOSで正しく動作するよう中継してくれるプログラム」です。
もともとWineというソフトは、仮想マシンなどを使わず、Mac環境やLinux環境でWindowsアプリを直接実行できるようにするソフトであり、「WineD3D」はWindowsが主に使っているDirectXをLinuxで主に使うOpenGLの機能に翻訳して実行するプログラムのかたまり(ライブラリ)です。これによってWindows11のIntelGPUの処理を回避して遊べるようになるわけです。
ただし、このツール自体は未だに開発途上であるようなので、もしかすると動作にカクつき・遅延が発生する可能性もあります。
一応自分が確認した範囲内では対戦も特に問題なく行えたため、現時点で解決策に成り得ると考えております。
この記事により非想天則を楽しむ人口が1人でも増えることを祈ります。今もなお大会やネット対戦がさかんなゲーム、東方非想天則をした事がない貴方、また過去にやっていたけれど環境が変わって諦めていた貴方も始めてみませんか？
それではよき天則ライフを！