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【バトルレポ】2024/12/29 Funky Force感想
2024/12/29(日)開催のFunky Forceのレポです。
Xに投稿した内容の再録です。
▼元ポストはこちら
「もうやらんと言いながらなんかまたやっちゃう」良いイベントって作る方はめちゃくちゃ大変だけど参加者やお客さんの喜びで(それだけで)報われてしまうところがある……。初めから最後までムラトミさんの優しさとおもてなし精神に満ちた空間、楽しすぎたので今更現地感想をツリーに繋げます。 https://t.co/NY1WAQAjaK
— 遊兎《ゆう》 (@ffyou_rab) January 18, 2025
初めてのFunky Force。
ムラトミさんの、周囲の人たちやダンスカルチャーへの愛と感謝にみちみちに満ちたイベントでした。
素人ながらNORIさんの総評「本来は(ダンスバトルって)こういうもの」という言葉がしっくり来た。
全体の感想
まず雑感から。 年の瀬にこんなすてきなお店で渋いブレイクビーツを爆音で聴きながら、手に汗握るダンスバトルを見て、ご飯も振る舞われる。寒い日に、この熱く温かい空間。 行くまでどきどきしてたけど、来てみたらこんな最高な年末ってないよ、と思いながら過ごした。
AじゃなくBのバトルに今年最後来られて良かった
— 遊兎《ゆう》 (@ffyou_rab) December 29, 2024
ちょっと店がよすぎるね pic.twitter.com/IjF2EKmQvV
お店の前でパパトミさんがみんなのどん兵衛にお湯を注いでいる。その横でムラクラさんがたこ焼きを焼き、ムラトミさんは会場内外を行ったり来たりしながら休みなく明るく走り回り、ママトミさんに料理の指示確認。
ブルーシートの上で出番を終えたダンサーさんが蕎麦を啜っている。
パッと見、「町内会の年末イベント」といった感じ。
何も知らずに前を通ったらそう思ったと思う。 A-POPのダンスバトルは今年になって2回見に行ったけどBのバトルは初めてで、それが今回のイベントで良かった。
ダンスバトルってひとりで行くの怖いな、と私も思ってました。ついこの間まで。
開始から30分ほど過ぎた頃に会場に着くと中はもう熱気で立ちこめている。どのポジションで見るか迷うけど大体なんとなく休憩の度に移動して色んな角度から見たくなる。
どこから見ても違う迫力があり、分身したいなとも思う。最近スポーツの試合とかにある全方位から3Dで捉えるカメラ、あれが欲しい。
「ダンスバトル、ジャンプで連載してくれよ」になった話
今回の出場ダンサーさんたちの技量的なレベルを正確に説明する知識を私は持たない。 でもこれまで見たことのあるたバトルとは明らかに違う。
何もかも本当に多様だった。下は10歳にも満たない子供から上は40?50代まで。もちろん性別も、ファッションも、外見も、属性は全く関係ない。
揃いのユニフォームのチームもいればバラバラの服装の人もいる。今から激しく踊るとも思えないくらいごく普通の格好の人もいる。
そういう人がいきなりバチバチに踊り出すのを見るのは、踊らない人間からするとマジで「異能力者だ!?!?」みたいな驚きと感動が毎回ある。カッコイイ。
異能力者と言ったけど、ストリートダンスバトルは本当に異能力バトル感がある。今回のファンキーフォースはルールが特殊なので余計にそう見えた。世代的にはHUNTER×HUNTERの念能力みたいだなとか思う。持っている力の相性や使い所で、意外なジャイアントキリングが起きたりする。
子供が大人に、女が男に。外の世界でのバイアスを持ち込んでいる自分が恥ずかしくなるほどの、公平さがある。
相性次第で、戦略次第で、勝てないと思えた相手に勝てることもある。勝てると思えた相手に負けることもある。 そして策を弄しても勝てない、圧倒する強さを持つ者もいる。
ダンサー同士が威嚇する仕草も好きだ。
「今からお前を倒す」「やってみな」「効かないぜ」「そんなもんか?」「仇討ったぞ」全部ハンドサインやジェスチャーで伝わる。漫画でいえばモノローグ。属性どころか言葉すらも要らない世界がそこにある。音楽とダンスで、他者との世界が繋がる。
フットワークで沈み込みながら相手を見上げる目線。目を逸らさずに攻撃を仕掛ける時の強い視線は、いわゆるスポーツの試合で見る闘争心より鋭くて、街中(ストリート)で野良の喧嘩に出くわしたような感覚にドキリとする。でも戦いを終えた次の瞬間には満面の笑みで握手し、ハグし、グータッチしている。
相手とのバトルでもあり、自分とのバトルでもある。
負けてしまったダンサーさんが「負けたと言うより自分が許せない、なんであそこでトチるかな」、次のラウンドに進んだダンサーさんも「次のムーブどうしようか悩んでて、コレ見てもらってもいい?」とダンサーさん同士で話しているのを聞いたりもした。
ストリートのカルチャー。
ヒップホップ精神は社会への反骨の心であり、「文化で戦いを終わらせる」力。全力で戦えるのは相手を全力でリスペクトしているから。同じカルチャーの住人として、自分を尊重することと相手を尊重することはまったきイコールであり、それがなくては均衡も平和も保たれない。
文化で人はファミリーを作れる。
RABはたまに自分たちの「船」と比喩を使うけど、それこそ麦わらの一味くらいバラバラに見える集まりでも、カルチャーを愛する人達の集まりは見ていてまさにファミリーだった。
若い子を育て、先輩を敬う秩序がありながら平等に背中を預け合い、そしてまた違うバトルでは敵としても向き合い、強くなっていく。 ワンピだのハンターだのと言いましたが、ジャンプの掲げる「友情・努力・勝利」の全てがストリートダンスバトルにはあるように思える。
人間ドラマあり、異能バトルあり、マンガにしたらめちゃくちゃ映えそう。 私にマンガがかけたら絶対にこれを描くのに、と思いながら見ていた。
「なぜストリートダンスバトルはジャンプでまだ連載していない?」とも。
RABの歴史のコミカライズも欲しいけどそのうち出て。ノベライズも欲しい。
ちなむと個人的には特に目を引いたのはやはり優勝チーム。ヘッドスピンマスターズでムラトミさんともチームメイトのShuukiくんの存在感は凄まじく、予選はひとりで3人K.O.も余裕の貫禄。 心の中であのチームのことを「ヒトカゲ・リザード・リザードン」と呼んでた……すみません……あまりに素敵な大中小だったもので。
大きい・中くらいのお兄さん方々のお名前分からなかったんだけど、倒されたら次は引き受けるから全力でやりな、と控えてる感じ、先鋒に経験値積ませている感じも(ポケモンリーグや……)(違う)となって見てた。
オタクの語彙しか持たない哀しきモンスターなので有名作品でばかり例えて申し訳なし。でもわかりやすいよね、ということでこのルール説明動画も好き。
熱いバトルが行われるフィールドには温かいリスペクトが満ちている。
その震源はオーガナイザーたるムラトミさんで、来てくれる人への、ダンスカルチャーを愛する者たちへの、惜しみないリスペクトと感謝と愛が溢れて零れている。その場にいるだけで包まれてしまう。
この振る舞い方が、ちょっとズレるけど年末のファンキーフォースを思い出したというか。ムラさんの「出し惜しみしないところ」が大好きで尊敬できるところなんだけど、今日もサービス満点だし、ライブの終盤もうガタガタになるほど体力搾りきってて(毎回そう)
— 遊兎《ゆう》 (@ffyou_rab) January 10, 2025
そもそもなんで行ったかって、ジャッジのネスとMCの翼さんを見に行ったんですが。 B-boyネスとして正式に自分のイベントへ招聘したムラトミさんと、それに必死に応えるネスくんという先輩後輩関係も非常にアツかったです。 誇張なしにあんなに緊張してるネスくんは初めて見た。
ネスくんの、自分のジャンルではほぼ国内で比類なきレベルのパフォーマーでありながら、RABとして「B-boy」の体得も諦めず、武道館の大舞台でも果敢に技に挑み、世界一かっこいいと思ってる先輩にジャッジを頼まれたら吐きそうなほど緊張しながらやり遂げ、「必ずバトルに出ます」と宣言するとこが好き
— 遊兎《ゆう》 (@ffyou_rab) December 30, 2024
MCソレイユ翼さんのお仕事ぶりに惚れ直した話も。もちろんダンサーとしても好きだけどMCの翼さんの進行力とトークの輝きは最高。ムラトミさんを支え、弄り、カバーし、盛り立て、花を持たせ、ツッコむ。八面六臂。笑い転げたし、絶対に次も翼さんじゃないとだめ。
ムラさんとの関係値もあり「また来年も呼んでもらわないとな〜?」などと仰ってたけど本気で「もう今日の帰りに翼さんのスケジュール押さえた方がええて」と思うほど。
ムラさんが忙しさ(それも我々をもてなしたいがために)にあわあわするのを優しく面白く助けてくれる、それができるのはやはり翼さん。
あんまり感極まったんで今回の感想若干ポエミーで恥ずかしい。
でも実際、バトル見ながら何回か涙ぐむシーンがあって自分でも不思議だった。バトルに溢れるリスペクトと愛、その上にある観戦の楽しさ、その楽しさを伝えたいムラさんの想い、に包まれてたからだと思う。幸せな空間だった。
オーガナイザーの持つ、色
個人的にはさほどあいだを置かず、あきばっか〜の!の観戦に行けたことも大きかった。あきばかはA-POPだし、規模もめちゃくちゃにでかいし、出場者のレベルも軒並み高い。
ファンキーフォースと比較するのは変かもしれないけど、私の中では相対するイベントとして大きな意味があったので触れておく。
あきばかは、あつきさんのスター性に惹かれて次々集まる才能が磨かれる場所。ダンサーの「目指すべき場所」たる華々しさがある。
一方でファンキーフォースは、ムラトミさんのあたたかさに惹かれて集まる「ダンスバトルが始まる場所」。ダンスバトルの本当の楽しさを知り、または思い出す場所。
まったくもって優劣を比べるものじゃない。どちらも必要だと思った。
ラスボス戦で優勝するためには誰もが必ず最初のバトルを勝つ必要があるし、その前にまずゲームを楽しみ、そしてゲームを知り、始める必要がある(その例えばっかりだな)
例え熱く楽しく感動するラスボス戦を経て最初の戦いのことを忘れてしまったとしても、最初の戦いが2回目の戦いへ、そしてその次へと繋がっていくための起点だということには変わらない。
「育てる」というのはそういう短期の記憶を連続させるために投資を続ける必要がある。
オーガナイザーの持つ、色。思っている以上に色濃く出る。自分が「どういう場を作るか」というビジョン。そして実際に作った場の雰囲気。そしてもたらす結果。 あきばかを大きくする決意をし実行するあつきさんも、惜しみなく出し切り「トントンだった」と笑うムラトミさんも、心から尊敬します。
DANCERAを任されたネスPもいずれ(だいぶ先かもしれないけど)オーガナイザーになったりしていくのかな。尊敬するあつきさんとムラトミさんの背中の大きさ、素人の私ですら震えるのだから、間近で参加した彼からはどう見えたのだろう。
そんなわけでRABのメンバー個々が、改めてカルチャーにとって欠かせない人たちであることを再確認した年末年始でした。
彼らと出会えたおかげで、彼らの愛するものも愛せるようになってきて、すなわち私の世界は広がり続けており、ありがたいことだなと思います。
今年も楽しんでいくぞ!