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四季を感じる町

こんにちは、小Mです。

Sが地元の温泉町について書いてくれましたが、わたしもそこへ何度か行ったことがあります。川のある風景や町全体に流れるのんびりした時間が好きで何回でも行きたくなる場所です。


じつは、わたしもかつて温泉のある町に住んでいたことがあります。

大分県由布市にある湯布院。温泉が好きな人は聞いたことがあるでしょうか。

22の冬、正月を終えたころに福岡から湯布院行きの高速バスに乗り込んで、その後約一年半を湯布院で過ごしました。

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22といえば学校を卒業した年で人生迷子、新卒で京都に行ったものの福岡に出戻り、何を仕事にしたらいいのかどうやって生きていけばいいのか分からなくてちょっとへこんでいた時期です。自分に自信もないし、ふつうに就職活動してもまったく受かる気がしなくて、もっと気軽に仕事をはじめられるリゾートバイトをしてみようと決めてそこで湯布院の温泉旅館の仕事を見つけたのです。

湯布院は大雪が降ると交通機関がすべてストップしてしまい、陸の孤島のようになることもありました。完全なる観光地で、本が買いたくても駅前の小さな本屋しかなく住むには娯楽の少なすぎる町でした。

そこで人に恵まれたか?はちょっと微妙で、いい人ももちろんたくさんいたけど、気分の変わりやすい女の人とか、働き初めて即クビになる人とか、変わった人がちょこちょこいたように記憶しています。そんなところで一年半踏ん張ったのは、留学するという目標があったから。接客も苦手だけど、頑張った。

こんなところもう嫌だって何度となく思ったけど、その町が見せてくれる四季の美しさはいま振り返ってみても素晴らしかったと思います。

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こんなにも四季の境がはっきりしたところに住んだのは後にも先にもここだけです。

私の地元の福岡は冬はそれなりに寒いけど雪はあまり降りません。でも湯布院では12月に入ったとたん雪が降り始めて、冬の間は一面の銀世界なんてこともめずらしくありませんでした。湯布院は九州の東北なんて言ってる人もいたかな。

いまこの文章を書きながら思い出すのは、やけにうるさいカエルの大合唱とか、よく星空を見上げたこととか。

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四季と隣り合った町、湯布院。

あの町へまた行くことがあるのかは、分からない。でも、あのときと変わらない風景がずっと残っていってほしいと思います。



Written by 小M. 

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