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21年ぶりのアイシールド21
スピンオフではなく、「続編」。
21年ぶりに、続編。
続編が読めるなんて誰が思ったよ…
最終回にボロボロに泣いたあの頃のわたしに伝えたとしても信じなかっただろうな。
結論を描かない、あえて余白を多く作って想像する余地を残してくれているところが、稲垣先生と村田先生の「らしさ」だと思っているし、そこがまたアイシールド21のいいところだと思っている。
21年ぶりのアイシールド21、読んだことない人にはなんのこっちゃかもしれないけど、第二の主人公はヒル魔っていうのがモリモリに詰め込まれてた気がするなぁ〜
デジャヴが多くて懐かしさとあのときの展開と全部込み上げてくるみたいな、セナもヒル魔も体格的に恵まれてないからこそNFLを実力でもぎ取るしかなくて、でもどちらかというと「あと一歩のところまで来た」「ここまで来れた」「なんとしてでも」って気持ちはヒル魔の方が感じたかなぁ。
良くも悪くも、裏主人公と位置付けられただけはある環境だったもんなぁ
やっぱりセナに、と思う気持ちと、ここまで来たならヒル魔に、と思う気持ちと。
最終対決も、セナらしいプレー、ヒル魔らしいプレーの抜粋だった気がする。
サブタイトルもBRAIN×BRAVEだし。
今のAIが蔓延る世への挑戦、皮肉とも取れるし、ヒル魔とセナのことだとも取れる。
ヒル魔、正直BRAINと言いながらも夢見がちプレーというか、誰よりも数字を知ってるくせに最後は絶対気持ちに寄せたプレーをするから、個人的にはBRAVEの要素の方が強いと思っていて。
だからAIへの、っていう意味のサブタイトルなんだと思うんだけど、いろいろと想いを馳せることができたサブタイトルだった。
ヒル魔はアメフトに関してだけは絶対にズルをしない、卑怯な手は使わないっていう描写も改めてセナに指摘されていたし、ヒル魔の熱い部分がたくさん盛り込まれていて、チリチリとしたものを感じた(わたしがヒル魔贔屓なのもある)
でも、セナもハッキリヒル魔に伝えられてたもんね。大人になったねぇ…としみじみしちゃう。
元ナーガが対抗に出てくるあたり、あと1秒でストップウォッチが止まるあたり、何度も見た(繰り返し読みすぎただけかも)光景とアイシールド21ならではという試合展開が、あまり好きじゃなかった人には「またいつもの」、好きだった人には「コレコレコレコレ」と懐かしい熱さを彷彿とさせるものだったんじゃないかなぁ。
良くも悪くも「変わらない」ことが嬉しかった。
あれ?このシーン、使い回し?と思えるところも多いんだけど、使い回しかと思うくらいぴったりなシーンを選んできてるからこそ、当時の試合展開や成長なんかをそのままトレースできるというか、余計な説明を省いて読み手の気持ちを当時に戻してくるには有効だったんだろうなと思った。
絵もね、当時に寄せてくださってるよね。
あとまもり姉ちゃんはセナ贔屓が抜けてなさすぎてそれもらしかった。もうあなた最京のマネでしょう!w
ムサシがいなかったのは、やっぱりヒル魔側に付きすぎちゃうからなのかな。峨王がいるから、観に来てはいると思う。
セナ側と取れる十文字がヒル魔のチームメイトだもんなぁ。そこは栗田で補うんだと思うんだけど。
というよりキックに寄せた描写がなかったからかな?最京にはコータローと対決できるようなキッカーがいなかったと思うし…VS最京となると、キッカーにフォーカスした場面は確かに作りにくいかもしれない。
ていうかチューボーも炎馬来たのね!?
チューボーがいるってことは、セナ大学2年、ヒル魔大学3年かなぁ。
チューボーは泥門デビルバッツを引き継いだところまでしか描写なかったよね。(しかもコミックスの後書きで)
とりあえずページが足りない。
この続編はまた21年後読めますか????
これまでの人生で1番好きな漫画は?と聞かれたら今でも「アイシールド21です」と即答するくらいに大好きな作品。
つい先日も全巻読み返して、もう何度読んだか覚えてないけど同じ場所で泣くし、なんなら読み返すたびに細かい発見をして泣く箇所が増える。
21年の時を経て、また帰ってきてくれたアイシールド21。
これからもきっと、「1番好きな作品は?」と聞かれたら、「アイシールド21です」と答えると思う。
欲を言うなら、アニメのリメイク待ってます。
ここからは余談。
大学時代、好きすぎるが故に入部を諦めたアメフト部。
ゲームみたいに、どこかの分岐地点でセーブデータを作れるとしたら、わたしの場合は「アメフト部に入るか否か」の分岐だと思う。
アメフト部に入ってマネージャーとして奮闘するわたしを、経験してみたいなぁと今でも思うことがある。
漫画の最後、ちらっとオータニさん描かれててソワッとしちゃったのはここだけの話。