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クリスマスが近づいてきましたね!アメリカ編

アメリカのクリスマスってどんな感じ?

クリスマスは、ハロウィーンやサンクスギビングデーと並ぶ一大イベントのひとつ。前回はクリスマスの由来をお話したので、今回はアメリカではどのようにクリスマスを迎えるのか覗いてみましょう。

教会行事に参加する

アメリカでは、キリストの生誕を祝う極めて宗教的な日です。敬虔なキリスト教はクリスマスの1週間くらい前から正装で教会の礼拝に参加します。


クリスマスカードと挨拶「メリークリスマス」はもう古い?

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この時期、ドラッグストアやカード専門店にはクリスマスカードが所狭しと並べられます。最近ではメールでカードを送ることも増えていますが、暖炉やリビングのサイドテーブルにカードを飾る習慣のあるアメリカでは、カードの方が喜ばれます。

最近のアメリカでは、クリスマスは極めて宗教的な行事であるため、毎年11月ごろから、「Merry Christmas? or Happy Holidays ?(メリークリスマスかハッピーホリデー?)」かを問う恒例の議論が始まります。

以前のアメリカでは、キリスト教徒が中心の国だったため、メリークリスマスと交わし、クリスマスカードを送るのが慣わしでしたが、最近ではキリスト教以外の人たちにも配慮した季節の挨拶をしようという運動が盛んになっています。そのため、Happy Holidays!という挨拶が主流で、クリスマスカードではなくHoliday Card(ホリデーカード)を送る習慣ができました。

しかし、白人キリスト教を支持するトランプ大統領は、宗教を無視してメリークリスマスと言おうと呼びかけ、この季節になると反対派と激論を飛ばしあっています。

もし、敬虔なキリスト教徒にクリスマスカードを送ると、「なんでキリスト文化の根付いていない日本人がクリスマスカードを送ってきたんだろう?」と思われるかもしれません。キリスト教ではない人たちはあまり関係のない祝日なので、カード等を送る際は気をつけましょう。


アメリカのクリスマス料理ってどんなの?

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日本でのクリスマスの定番料理といえば、クリスマスケーキやフライドチキンですが、アメリカではクリスマスもサンクスギビングデーと同様、家族や親戚と食卓を囲むのが一般的です。そして、料理も七面鳥(Turkey)やハム等が食卓に並びます。食後に残った七面鳥の鎖骨(Wish bone、ウィッシュボーン)を2人で引っ張り合い、V字の頂点が残った方を持っていた人は願いが叶うというジンクスがあります。

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日本のようなイチゴとサンタクロースがのったクリスマスケーキではなく、ジンジャーマンクッキーやカップケーキが店頭に並びます。また、ケンタッキーフライドチキンにも行きません。

子供がいる家庭では、クリスマスイブにサンタクロースのためにクッキーを焼きます。それをミルクと暖炉やプレゼントを入れてもらう靴下の近くに置いてサンタクロースに食べてもらうという可愛い習慣もあります。


クリスマスツリー/ホリデーツリーを飾る

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家や会社にはクリスマスツリーが飾られ、街角の街路樹にも飾り付けをしてクリスマスを迎えます。10月31日のハロウィーンが終わるとおもちゃ屋や量販店にはクリスマスのグッズやオーナメントが並び始めます。クリスマスストアと呼ばれる特にニューヨークのロックフェラーセンターのツリーは点灯式が行われるほど有名です。クリスマス時期にニューヨークを訪れるならティファニーやバーグドルフ グッドマンなどのウィンドーの飾りつけも必見です。アメリカの家庭や企業ではツリーの下にプレゼントを置きます。たいていの家庭では、1月中旬までツリーを飾ります。だいたいこの時期になると、ツリーに元気がなくなってくるため、飾りを外して、ツリーを小さく切ってゴミ捨て場に捨てます。


クリスマスツリーはどこで買えるの?

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プラスチックのツリーを飾る家庭は量販店やおもちゃ屋などで購入できます。でも、スペース的に日本家屋より広いアメリカの家はリビングに大きなツリーを飾ります。ニューヨークなどの大都市でもサンクスギビングデーの頃になると、街角にChristmas Tree Vendor(クリスマスツリーベンダー)と呼ばれる生の木を売るツリー屋が現れ、好みのツリーを見つけて購入、引き摺ったり、車の上にのせて持ち帰ったりする人達を見かけます。また、自然が多い地域なら、広大な敷地でツリーを育てているベンダーに直接出向き、好みのツリーを見つけたら自分でカットして持ち帰る場合もあります。ツリーを買って運ぶのは男性、飾りつけるのは女性と子供の仕事といった感じです。


イルミネーションで家を飾る

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この季節、ツリーだけではなく家もイルミネーションで飾る風景もアメリカの風物詩のひとつです。ライティングコンテストを行う街があるほど、この時期、ニュースでも取り上げられ、量販店等にはライティンググッズが所狭しと並びます。イルミネーションは日本で買うより遥かに安いのですが、サンクスギビングデー後から年末までの45日間の電気代を考えると安くなく、エコにもならないのが現状です。

例えば、以下の映画コーナーで紹介する『ナショナル・ランプーン/クリスマス・バケーション』に登場するイルミネーションの電気代を現在の価格で計算すると…。(アメリカの平均的な電気料は12セント/kWh)

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屋内ツリー
450ワットx7時間x45日x$0.12/kWh = $17.01

吊るすタイプの外用ライト
10,000ワットx7時間x45日x$0.12 /kWh = 378.00

外用ツリー
14,000ワットx2本x7時間x45日x$0.12/kWh =$1058.4

デコレーション/その他電飾
240ワットx7時間x45日x$0.12/kWh =$9.07

軒下吊ライト
18,168ワットx7 時間x45日x$0.12/kWh= $686.75

合計$2149.23(約236,415円*110円換算)とかなり高額です。


アメリカ人はクリスマス/ホリデーギフトに平均いくら使うのか?

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サンクスギビングデーが終わると同時にブラックフライデーやサイバーマンデーが始まり、アメリカにも待ちに待った年末バーゲンシーズンが始まります。大幅値下げは当たり前。開店と同時にデパートや量販店に駆け込み取り合いをする人々の様子はニュースでも取り上げられ世界中に放送されます。宗教的儀式といえども、世界最大の経済大国アメリカでもクリスマスは最大の繁忙期です。

では、2019年の一人当たりのクリスマス/ホリデーギフトの平均出費額予想はいくらでしょうか?アメリカの金融消費レビューサイトInvestopediaによると、$920(約101,000円)の出費が予想されているとのこと。これは去年の平均$885(約97,000円)から4%アップし、大凡$1兆(約110兆円)の経済効果を生むそうです。


クリスマス/ホリデーギフトに欲しいもの・欲しくないものとは?
欲しいものは

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・スーパーや本屋等のギフトカード
・スマートフォンやPC等の電子機器
・チョコレート等のお菓子
・宝くじ
・欲しかった衣類
欲しくない物

・変な柄のセーターなど趣味がまったく全く違う物
・数年前に人気のあったスニーカーなど流行はずれの物
・ゲームが欲しかった人に計算機を渡すなど期待はずれの物
・保存食など古典的すぎる物

アメリカも日本同様、家族や友人、恋人にプレゼントを贈り合う習慣があり、毎年のことなのでネタ切れでプレゼント選びに頭を悩ませる人も多くいます。「もし、贈った物が気に入らなかったら返品してね」という意味をこめてレシートを一緒に入れて渡します。この為、年末年始のデパートのカスタマーサービスには返品希望者の長蛇の列ができます。また、ラッピングはビリビリ破いて明ける習慣があるので、ラッピングの綺麗さはさほど重要ではありません。


アメリカのクリスマスによく行われるプレゼント交換ゲームって?

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この時期になると友達や家族で集まって色々なゲームが催されます。アメリカでよく遊ばれているプレゼント交換ゲームをご紹介します。

『白い象』ってなに?

I’m going to get some presents for the White Elephant!
ホワイトエレファント(White Elephant)用のプレゼントを買いにいかなきゃ!

クリスマスの時期よく聞くフレーズです。White Elephantとは、金額を決めて新しいものを買ったり、不用品などを持ち寄って、争奪しあうアメリカならではのプレゼント交換ゲームです。
このゲームは、昔、タイの王が自分の嫌いな家臣にタイで神聖とされる白いゾウを献上し、贈られた相手は粗末に扱う事も出来ずに維持費がかさんで破城したことに由来します。

プレゼントの中身が見えないようにして真ん中におき、くじ引きなどで順番を決め最初の人が真ん中にあるプレゼントからひとつ取り開けます。2番目の人は真ん中からプレゼントを取るか、最初の人のプレゼントが欲しかったらそれを取ることができます。要するに自分の番が来たら他の人のプレゼントを横取りすることができるのです。取られた人はまた真ん中からプレゼントを取ります。次々と交換しながら進みますが、通常3回人の手に渡った場合は3人目の人がそのプレゼントをもらうというルールがあります。


秘密のサンタ?
Secret Santa(シークレットサンタ)はその名前の通り、秘密で、ある人にプレゼントを贈るゲームです。複数人数で事前に名前を書いた紙を箱に入れて引き、誰が誰のプレゼント担当になるのか決めます。そして、そのことは内緒にします。
相手が欲しい物を贈れ、受け取った人も誰からのプレゼントか当てるのも楽しさのひとつです。主催者に賄賂を贈って、お目当ての人の名前をわざと引かせてもらってカップルになりたい!という人もいるようです。


クリスマス時期にボランティア活動が盛んになる理由

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貧富の差の大きいアメリカではすべての人がクリスマスに温かい食事を囲み、買い物を楽しんだり出来るとは限りません。
貧しい家庭の子供たちにおもちゃを集め無料で配るToy Drive(トイドライブ)というチャリティイベントがコミュニティセンターなどで開かれます。
また、困っている人たちに愛の手を差し伸べる習慣からクリスマスにはホームレスに食事を提供するボランティア活動が盛んになります。


アメリカの冬のホリデーのハイシーズンはいつ?

12月20日過ぎから1月2日までがピークといわれ、この期間は特に飛行場、道路が混雑します。特にクリスマスはショップ等も休みになることが多いので注意が必要です。


アメリカでよく見られるクリスマス映画

アメリカのクリスマスってどんな感じかを映画で体験!特に人気のある10本をご紹介します。英作家チャールズ・ディケンズ原作『クリスマス・キャロル』を題材にした映画がいつの時代も人気です。

素晴らしき哉、人生!(It’s a Wonderful Life、1946年)
アメリカではこの時期になるとTVで放映される不朽の名作。つきに見放されてばかりのジョージは自殺しようと極寒の川に飛び込もうとするが…。

ナショナル・ランプーン/クリスマス・バケーション
(National Lampoon’s Christmas Vacation、1989年)

中流家庭の父クラークが、理想的なクリスマスを迎えるために奔走する姿をコミカルに描くナショナル・ランプーンズ・シリーズの第3弾。

A Christmas Story(1983年)
日本未公開ですが英米ではクリスマス定番映画。舞台は1940年のアメリカのとある街に住む9歳の少年ラルフィーの周りで巻き起こるクリスマスに関するあれやこれをユーモラスに描いたコメディ。ネット等で見ることができます。

ホワイト・クリスマス(White Christmas、1954年)
あるホテルのショーに出ていた姉妹芸人に好意を持ったクロスビーとケイの芸人コンビは、ホテルの経営者がかつての戦争部隊長で、経営困難に陥っていると知り、自分達の興行で援助しようとするが姉妹から疑われ去っていく…。心暖まる名曲が雪の降る舞台で唄われるミュージカル映画。

ホーム・アローン(Home Alone、1990年)
クリスマスに海外旅行することになったが、息子のケビンだけ取り残されてしまう。留守を狙って忍び込んだ泥棒がから家を守るため、ケビンは男たちの撃退作戦に出るが……。マコーレー・カルキンを一躍人気者にしたドロボー撃退ムービー。

3人のゴースト(Scrooged、1988年)
デイケンズの『クリスマス・キャロル』を基に、舞台を現代のニューヨークに置き換えてSFXを駆使してコメディ仕立てに描いたファンタジー。

三十四丁目の奇蹟(Miracle on 34th St.、1947年)
ニューヨーク、メイシーズの催すパレードのサンタクロース役に選ばれたクリングル老人のサンタクロースは評判を呼ぶが…。信じる事の素晴らしさを説いたハートウォーミングな作品。

バッドサンタ(Bad Santa、2003年)
サンタクロースに扮した中年男が繰り広げるハートフル・ブラック・コメディ。サンタクロースのバイトを隠れ蓑に毎年クリスマスに金庫破りを繰り返す男と、彼を本物のサンタクロースと思い込んでつきまとういじめられっ子の肥満少年との奇妙な交流。

クリスマス・キャロル(The Muppet Christmas Carol、1992年)
こちらも『クリスマス・キャロル』を、セサミストリートのマペットを使い製作された作品。

クリスマス・キャロル (A Christmas Carol、1984年)
全世界で愛され続けるディケンズの名作「クリスマス・キャロル」を豪華キャストで再現する感大作。ロンドンに事務所を構えるケチなひねくれ者のスクルージの前に7年前に亡くなった共同経営者マーレイの霊が現れる…。


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