ああこれでよかったと思える明日になりますように

「Hakubi」(はくび)というバンドが好きだ。
片桐(Vo, G)、マツイユウキ(Dr)、ヤスカワアル(B)から成る、2017年に京都で結成された3ピースバンド。
片桐が綴る、暗闇に光を当てるような、心にストレートに突き刺さる歌詞が印象的だ。
(以下、メンバーは「さん」付けで記載)

今週、「青天の霹靂」とも言うべき出来事があった。
数日経って、それなりに落ち着いてきたので、時系列と私の想いとともに記録に残してみる。

9/3(火)、正午。
1ヶ月の無職期間を経て、この日から社会復帰をした私は昼休みに入り、車に戻ろうとしていた頃、1本のLINEに気付く。
Hakubi公式からだった。

「マツイユウキ(Dr) 脱退のお知らせ」

頭がまっしろになった。
何を言っているのか分からず、その場に立ち止まったが、とりあえず車行こうとすぐに歩き出した。

3人それぞれが出したコメントによると、「Hakubiをもっと良くしたいという意識のメンバー間のズレ」を理由に、8月末で脱退した、と本人は説明。
(但し、アルさんが「話し合いは1年以上前から行われており、一時の感情や衝動的な判断でこの結果に至ったわけではない」「喧嘩別れではない」と(原文ママ)と補足している)

嘘であってほしいと願った。悪い夢を見ていると。
昼食も取らずに、車の中でひたすら叫んだ(悪くなるといけないので、その後ちゃんと食べました)。

直接「さよなら、ありがとう」と伝えられないまま、liveで度々叫んでいた「また会おう」が消えてしまった。
数年前からバンド自体は知っていたが、楽曲を聴きはじめたのは昨年頃なので、まだ3回しかliveに行ったことがなかった。
しかも全部今年(4月(1回)と8月(2回))なので、去年、一昨年から行っていれば良かったと後悔している。

「別れが辛い=その人(達)のことが好きだった証拠」と思っていて、会えば会うほど「好き」が増えていくけど、比例するように別れの時が辛くなる、と哲学的なことをいつの間にか考えていた。
次、live行ったら、もうマツイさんいないのか…………と魂が抜けた状態になった。
少し前に3人で「武道館やりたいね」と話していたが、3人で大きくなって、武道館のステージに立ってほしかった。

メンバー1のいわゆる「陽キャ」で、明るくてよく笑い、時にメンバーにツッコむ、Hakubiの太陽のような存在。
片桐さんいわく「友達を大事にする人」で、交友関係も広く、バンドではバランサーのような役割もしていた。
頭の回転も早く、クイズやなぞなぞを出せば、高確率で正解する。
話も上手で、言葉選びやはきはきした声が凄く好きだったので、残念に思った。

マツイさんのコメント読む度、「2人と同じようになれなかった自分が悪い」と自分を責めてるように感じて、モヤモヤしている。
喧嘩別れという意味じゃなく、アルさんのコメントにあった「それぞれの正義」というもので、「片桐さん・アルさんが捉える正義」と「マツイさんが捉える正義」が食い違ったというか(???)
それに、「これからもどうかバンドが輝く瞬間はステージの上だけでありますように」という〆の文が凄く綺麗なのに、なかなか意味が取れずにいる。

2ヶ月前、フジファブリックが来年2月を以て休止&ダイちゃん(Key. 金澤ダイスケ)が脱退を発表したのに、今度はHakubiはマツイさん脱退で下半期不吉すぎる。
来月、詳しく書く予定だが、私も8月下旬に3年お世話になった派遣会社を退職し、別の派遣会社に移ったので、今年の漢字「別」か「離」になっても良いのか!!?というレベルだ(知るか)。
これでSHE'Sも脱退とか解散とか休止とか言い出したら発狂する。

Hakubiは、昨年4月より毎週水曜22:00からFM-KYOTO α-STATIONにて、「WEDNESDAY SHELTER」(以下:WS)という1時間のラジオ番組のパーソナリティーを担当している。
ここ最近のWS聴いてて薄々思っていたが、マツイさんが心なしかちょっと元気がなく、あまり喋っていなかったような気がしていた。
また、毎年夏に京都のKBSホールで開催している自主企画(夏フェス?)「京都藝劇」(通称「藝劇」、今年は8/10開催)と8/18に行われたFC限定live「おいでよ ゆるはくびの里」でも何の発表もなく、「これからHakubiは何するんだろう…?」と疑問に思っていた。
くだらなく感じるので、口にしたくはないが、きっと「前兆」だったのかもしれない。

普段の昼休みは、車の中で動画見たり、音楽聴いているが、9/3は、エアコンの音だけが車内に響いていた。
今日に至るまでHakubiの動画や音楽を見聴き出来ずにいる(目覚まし用プレイリストと通勤用プレイリストのシャッフル、WSでの選曲は除く)。

それから「現実を受け入れろ」と言うように公式HPやHakubi公式Twitterのプロフ欄、ゆるはくび(FC)、wikiから続々とマツイさんの名前とSNSのリンク、アー写が消えていった。
ゆるはくびは、blog消えてないだけまだマシなのか…?
逐一監視しているが、記事も消えたら、ブチギレて良い?(落ち着こ)


私から見たHakubiは、勿論音楽性も人柄もいとおしいバンドだが、3人、特にマツイさんにとっては、Hakubiというバンドを「(音楽性もそれ以外も)もっと、より良く」しようとしていたのでは、と推察した。
それが例え、片桐さん、アルさんと(喧嘩という意味じゃなく)ぶつかることになっても。
そう思うと苦しくなった。

ここで浮上するのが、マツイさんがドラムとともに担当していたコーラスは、これからは誰やるの?という問題だ。
アルさんじゃないのか?という話になるが、歌詞を覚えられなかったことを理由に、片桐さんからコーラスのクビを言い渡された過去がある。
今後しばらくは、サポートメンバーを迎えて活動していくそうだが、サポートの人がコーラスやるというのはあまり聴かない気が…
入れないなんてことはないと思うけど……

余談だが、サポートで入ってくれていた方が正式メンバーとして加入、というパターンもあることを思い出した。
もしそうなったら、受け入れられるだろうか、と一抹の不安を覚えている。

次の日、9/4(水)はWSの放送日。
その放送が最後かもういないか。
マツイさんだし、何のあいさつもなしにいなくなるなんてありえないという考えから、その日が最後だろうと踏んだ。
OPから脱退について触れてくるんだろうな、とビビリ散らしていた。

そんな中で迎えた9/4(水) 22:00。
この日もWSスタート。

OPトークで、片桐さんが「混乱させてしまい、ごめんなさい」(意訳)と謝っていたが、「混乱も良い所だよ!!!」と叫んでしまった。
そして本人がいないこと、OPの1分程しか触れてくれなかったことに驚く。
今日から2人という現実を上手く嚥下出来ないまま番組が進んでいく。

いくら9月はじめでキリが良いとはいえ、モヤモヤした。
「私達は平気だよ」という空元気なのか、「沈む所まで沈んだし、いなくなった人のこと考えてもしゃあない、切り替えて次行こー!!」的な意思表示なのか分からない。
しかし、マツイさんの元気な声が聴こえないのは、普通にさみしいし、何処か(意図的じゃないとしても)(私達の心が追い付いてないのかもしれないが)ぞんざいに感じてしまった。
今「いつも通り」なんか求めてないし、最後の方は尺埋めてるみたいに感じた。

密かに、録音で良いから(ホントは生が良かったけど)、コメントないのか、と番組の最後の最後まで一縷の望みを持っていたが……EDも1分程触れただけで何もなかった。
1年半ぐらいお世話になったんだから、最後にあいさつぐらいしていってほしかった。
別れが急すぎるし、こんな気持ちのまま眠りに就くんか……とはじめて味わう胸糞悪さにしばらく眠れなかった。

大分昔だからかもしれないけど、フジファブリックも足立さん(初代ドラマー)に関する話はあまり聴いたことがない。
脱退したメンバーの話ってしちゃいけないの?
そうだとしたら、可笑しくない?
そのうち片桐さんもアルさんも「前のドラムが〜」とか言い出すの?
話せないような事情があるならしかたないけど、せめてWSみたいにメンバーしかいない時くらい、おもいで話の1つや2つしたって別にバチ当たらないだろう?

「推す≠全てのことを受け入れる」な器のちっちゃい人間なので、言わせてもらう。
クレーマーだの履き違えてるだの言われても構わないけど、これは「やさしさ」だと思っているし、これからも応援したい、大きくなっていく過程を見届けていきたいから怒らせてほしい。

昨日の今日でショックが癒える訳なかろう。
番組後半にもう1曲流す時間があったら、その時間を使ってほしかった。
やめたらやめたで、あとはどうでもいいのか…?とがっかりした。
泣いてほしかった訳でもないけど、急に発表されて、混乱して、落ち込んでるこっちの身にもなってほしかった。

ただ私は、「7年も一緒に活動してきたメンバーをOP、EDに数分数秒話すだけの扱いをしないでほしかった」だけ。
コメントがすべてと言われても、9/4(水)のWSは納得行かなかった。
これから近いうちに、お2人からblog等で言及してくれることを祈る。





この問題に対する自分の感情が分からない。
悲しいし、悔しいし、苦しいし、辛いし、混乱してるし、キレてるし。
それでも愛し続けようとしてるし、いくら時間掛かろうと今回の件も何とか飲み込んで、2人になったHakubiも受け入れようとしている。

どうか元気で、と、「これでよかったんだ」と思える未来を生きていけますように、と、選んだ道を進みはじめた彼を見送ろうとしている。
あと、たしなむ程度にやっていた酒と(電子は分からないけど)煙草、パチンコに溺れたり、病気したり、死ななければ良いと思うようになってきた。
這い上がれないほど堕ちないでくれ…?
Hakubiを離れても私はマツイさんのことが大好きだし、これからも私達と同じく「音楽を愛する仲間」でいてほしい。


「Hakubi」の名付け親は、マツイさん。
故事成語の「白眉(はくび)」の意味と同じく、「秀でたバンドの中でも、さらに秀でたバンドになるように」という願いや想いを込めている。
(そんなこと考えていないだろうけど)、「改名しました」というなら、ちゃんと由来があるんだろうから、喚くぐらいに留めるが、私も気に入ってるので、出来れば改名しないでほしい。

バンドシーンを去った友から想いを託された気持ちで、「Hakubi」の名に恥じぬようなデカいバンドになって、武道館のステージに立ってほしい。