あこがれ
僕はLを自認している。
休日や遠出する日の格好もトップスに上着を羽織り、ロングスカートとスニーカーと一般的な女性の格好をしてシンデレラのような時を過ごしている。
時には化粧やマニキュアもしてアクセサリーも付けている(ピアスやイヤリングはなくしそうなので付けたくない)。
だが、僕はあこがれている格好がある。
男装、それもタキシードやネクタイ(蝶ネクタイ含む)といった格好良い感じのもの。
(今年5月現在)身長155cmとちびでサイズがないとかは置いといて、試着とか一瞬でも良いから着てみたいなと思っている。
そもそものきっかけは、高校の文化祭のダンス発表だった。
同じクラスの友人同士で組んだ僕達は、メンバーの中に嵐が大好きな子(大野さん担当)がいたので「ワイルド アット ハート」を彼女が選曲し、彼ら5人の衣装にちなみ、各自の私服でそれっぽい雰囲気にした衣装を着て練習をしていた時だっただろうか。
その彼女に「似合う」と言われたのだ。
僕はどう感じたか覚えていないが、不快には思わなかったと記憶している。
そこから、男装に興味を持ちはじめたのだが、どういう服を着てみたいかまでは特に考えていなかった。
「何であんた、私服はスカートなのにスーツはズボンなの?」
祖父の一周忌のための集まりと今の会社の面接を控えていた頃、近くの服屋までスーツを買いに行く時の道中で、同伴して後部座席に座っていた母親が口にした。
ここまで読んできた方のほとんどがそんな疑問が浮かぶだろう。
その答えに運転していた僕は正直に「分からない」と答えた。
専門学校の就活でスーツを着はじめた時から、パンツタイプのスーツを着ていた。
その時はただ「寒さ対策」「ストッキングが面倒臭い」という理由だったが、先程の母親の疑問に答えるなら、「タイトスカートが好きじゃないし、パンツタイプのスーツの方が格好良いから」と結論付けた。
余談で、その集まりで気付いたのだが、母親も姉もタイトスカートのスーツを着ていた。
姉は仕事の関係で普段から着ているし、母親も昔から冠婚葬祭等でそのような格好をしていたし僕の部屋に一式が掛かっていたのを見たことあったのに何故その頃になって気付いたのだろうか。
しかし、幸いにも僕のスーツ姿について専門学校の人や親にどうこう言われることは全くなかった。
タキシードにあこがれたきっかけは、4/23放送のドキュメント72時間「ユニフォーム店 真新しい白衣で」で一瞬だけ映って、良いなぁ着てみたいとぼんやり思っただけのホントにちっちゃなことだった。
ネクタイの方は定かではないのだが、デレステの渋谷凛ちゃんと速水奏ちゃんがネクタイが付いている制服を着ていることや結べたら格好良いだろうな、付けてみたいと思ったことだった。
ところで、メンズ服(男性向きの私服)は着ないのかという話をすると、嫌いではないのだが上記のようなエレガントな格好に比べたら関心は向かない、現時点でメンズ服でこういう格好したいというのが思い付かないといった感じだ。
髪型に視点を広げると、短髪の方が落ち着く。
勿論、長髪も好きで幼稚園と高校の時に伸ばしていたが、首元がかゆくなってすぐやめてしまった。
最近(といっても2ヶ月前の話)、普段は軽くするだけだが「思う存分切って下さい」とお願いして、ばっさりと髪を切った。
工場作業員でどうせ日中ずっと帽子被ってるので、耳の上と首の後ろを刈り上げてもらった。
切り終わって鏡を見た時、これが理想としていた髪型だと嬉しくなった。
家に帰ったら、家族皆に驚かれたのだが、姉に「何であんたツーブロにしたの?」と聴かれた時、名前は聞いたことあったのに実際には知らなかった僕は「あ、これツーブロっていうのか~」とのんきに答えた。
職場に行っても「さっぱりしたね」「誰かと思った」と言われたのが嬉しかった。
近いうちにまた切りに行こうか、その時にまた同じ髪型にしてもらおうと考えている。
ちなみに男装したいといっても外出時が女性的な格好だし、あまり不向きな格好なので3回以下しかしないだろうなとは思っているが、他人がどう思ったり中傷しようが僕は僕だし、服装や化粧は重要で大きな自己表現ツールだ。
実現出来る限り、願望のまま着飾りたいように召かし込み、行きたい所に行けるような人生を送れたら良い。