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スーパーなヨーヨー!私もスーパーになりたい!

かってしまった。

マルチマテリアルヨーヨー、
スーパーシンチレーター!かわいいぞ!

机に佇むでかいヨーヨーの図

 なんか妙にデカい!超ミニサイズのダンベルです!って言われたら信じるサイズ!でも丸の直径はそこまで大きくない。余計にダンベルみがある。何がなんでも紐の上に乗るぞと言わんばかりにくびれている!心強いけどむしろ真っ直ぐ投げるのに慣れが要りそう!その紐がバサバサになるくらい慣らしてやるから覚悟しろ!


 ここしばらく、ヨーヨーに入れ込んでいる。
 遊びだしたのは2年前か3年前だが、今年に入るあたりから妙にのめり込み始めた。
 それまでのスリーパーとフォワードパスだけでなく、トラピーズを習得したり、初夏あたりから毎月のようにヨーヨー関係の買い物に走るようになっていた。こわい。2ヶ月に1回くらい金属製のヨーヨーが増えてる。しかもどんどんサイズアップしている。来年になったらダンベルを回し始めるかもしれない。こわい。

 そんな折り、誕生日を翌月に控えたころ。何か欲しいものは無いかと自省してみた時、思い浮かんだのが、今回のスーパーシンチレーターだった。 最初は「君には勿体無いのでは?」「本当に心底ヒャッホイして喜べるのか?」「高い」等の声が自分の内から噴出したが、そういった心根を粉砕するつもりで、ややムキになって注文した。

 私だって、しましまの強いヨーヨー使ってみたい!早速オイルやストリングを装着してブン回すよ!

 ……と、振り下ろしてみたところ。やはり独特の形状に指が馴染まず、猛烈にブレる!なんだこいつ、大丈夫か……?と、とりあえず、このまま形だけ知ってるローラーコースターの練習だけしてみるか……?
 そう思いながら不器用に揺らしていたところ、失敗しながらも目標の形にたどり着いた時に思った。
「なんか、めちゃめちゃ回ってない……?」
 音を立てて猛烈に回る!という感じではない。バインドをかけて引き戻しても、スパァン!と飛びつくことはなく、ヨジヨジヨジ……ポスッみたいな、どうにか帰り着く印象だった。
 だが、その頼りないはずの回転が非常にしぶとい。こんな振り方をしたら帰ってこれない……という状態でも、諦めずに回っているような。

 今度はもっと、何かしぶとさを求められるものをやってみよう。これだけ幅広いなら、レール系とやらも挑戦してみよう。
 そう思って探してきて挑戦したのは、ジグザグ・レール。もちろん、ローラーコースターが難敵の私に、サクサクやれる技ではない。
 各工程で失敗するし、なんなら初手の部分で指の掛け方を間違えて2日間くらい破綻し続けた。
 だけど、その間もスーパーシンチレーターは耐え続けた。素人のガタガタなサイドスローから、両手を飛び越え、強引にストリングの谷に押し込まれても、恐る恐る動く指の中でストリングに摩擦され続けても、どうにか回ろうと藻掻いていた。
 もちろんそんな状態ではすぐに回転は止まってしまう。しかし、その前後、そもそも紐に乗らない!という時は何度でも再挑戦させてくれるほどに回り続け、上手く紐を乗り換えて最後の形に辿り着いたときには、なんとか形を保とうと言わんばかりにへろへろのままストリングをほどくまで耐え続けた。

 正直、とても使いやすい!と感じることは無かったが、それでもこの圧倒的なタフネスはそれだけで大きな存在感を放った。

 これだけ大きくても、たかだか紐にまっすぐ乗せるだけのトラピーズができない事もある。
 これだけ回っても、挑戦した技の途中で力尽きる事もある。
 つまりそれは、機体のスペックでも補えないほど、私の腕が未熟なことを意味している。

 正直なところ私は、そういうことを直視するのがずっと苦手で、あらゆるジャンルで中級者向け以降から逃げてきた。ずっと簡潔な初心者チュートリアルの世界でナビゲーターごっこに興じていたいと思って生きてきた。しかし、そんな意気地のない私が新しく何かに挑もうとした時、このヨーヨーはじっと付き合い続けてくれたのである。

 もちろん、これまで使ってきたクラウンも、なんならトイザらスで買ってきたメタルウィングちゃんも、付き合いは浅いが悪い子じゃない。ずっと一緒に練習できそうなくらい、感触は上々。このようにトラピーズはもちろん、さっき覚えたジグザグ・レールだって……。
あれ!?できるぞ!?

 そう、補助輪みたいにでっかいスーパーシンチレーターでも失敗していた状態は、言い訳のできない実力不足だったワケだが……。
つまり、そこを突破するたびに、少しずつこなれてきているという事になる。ゆえに、そのぶん、他のヨーヨーの力も引き出せるようになるし、トリックによっては小さい機体が更に有利にはたらく事もある。
 これ、楽しいぞ……?

 スーパーシンチレーターでなくともヨーヨーの練習はできる。先程も書いた通り、これまで使ってきた子達も良いヨーヨーだと思うし、安くはないのでもっとどんどん使わないと勿体無いという気持ちもある。ただ、彼のように妙に存在感を放つ機種の場合、「それに合う路線は何だろう?」と興味をそそられやすい。そして高価なぶん余計に使わないと勿体無いという気持ちが湧く。道具に使われる人類の誕生であった。もとい、その折角だからが寄り集まった結果、他の子達を使ったときも「この子こんなに柔らかい感触で戻ってくるんだ!?」「あら〜手の中でつるんとしててカワイイね〜!」とそれぞれの強みに気付くことができるようになってきた。

 正直なところ、まだスーパーシンチレーターがどんなヤツなのかは測りかねている。パワフル?素直?それとも?そういったフィーリング面の感想が見えるほど技術も感性も育ってないのだろう。
 きっと、もっと複雑だったり大掛かりだったり、そんな時にはこの工夫の凝らされたボディが大きな武器となるのかもしれない。そういうのを読み取れる時にはもっと頼りになるのだろうか。
 今の私には過ぎた代物なのかもしれない。しかし、いつかはこのヨーヨーが最大限に性能を発揮して暴れ回れるよう、そしてこのコンボならコイツが最適!と確信を持って頼りにできるよう、私もスーパーになっていきたいものである。


追記:仕事やなんやでがっつり書き進められずに放置してたけど、その間2週間くらいしたらあまりブレずに投げられるようになったよー!なんとなくだけど馬力がすごい気がする!これがステンレスリムパワーですか!それに釣られて他のヨーヨー投げるのも真っ直ぐになってきた!なんだこのヨーヨーがうまくなるヨーヨー!?

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