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新たな刺激。アクセルなウィング。

 最近、ヨーヨーの熱が落ち着いている。
 冷めたとまでは言うつもりはないが、のんびりデジタルゲームをする時間も増え、1日使って新たなトリックと向き合おうとすることも少なくなった。
 とはいえ、まったく疎遠とも言わず、スキンザジャーブルに臨んでは力尽きたヨーヨーに小首を傾げ、プライオープンに挑戦しようとしてはねじねじに横回転するストリングに悶絶したりもしている。

 もともと、私にとっては基礎的な部分でも楽しいのがヨーヨーなのだ。 スローダウンやバインド、ブレインツイスターなどに加えて、パーフェクトならざる技の練習をたまーに加えるだけても十分に遊び散らした気になれる。そんな調子でも、この間などはトルネードバインドに成功したので、私はこのペースが快適なのだろう。……あれ?以前の記事で入れ込んでるとか言ってた時とあまり変わってないな?

 とはいえ、多少は新しい刺激が欲しい。なので動画サイトの見やすそうなアカウントや記事などを眺めたりして未知のトリックを覗いたり、近所の玩具売り場を覗いたり、ネットや近隣をぶらぶらしていた。

 そんな折に、聞き慣れないスタイルの話を見かけた。なんでも、モダンレスポンシブといったか。その名の通り、レスポンシブ……つまり引き戻しを、モダンに……イマドキらしく遊ぶ、というのだろうか?
 確かに、今はバインド仕様やメタルボディによるストリングトリックなども発達している。その発達した技を組み込んで……ということなのだろうか。

 これを紹介していた方は、トラピーズの途中でヨーヨーを戻らせ、巻き戻ったままストリングに乗せていた。そのままヨーヨーを振り落とし、逆回転をかけて復活させ、更なるトリックに繋いでいるではないか!なんだこれ面白い!

 既知の道具から未知の技術が飛び出してきたので、驚くほどわくわくしてしまった。いや、前々からあった技なのかもしれないが。

 何より、引き戻しで遊ぶという事なら、これまで共にいたスピンガジェットにもできそうである。
 そもそも私は初級者向け装備が妙に好きなので、スピンガジェットにできる事が増えるのは嬉しい!この身の未熟のせいか、そういった技術開拓はとても苦手なのでこういった紹介に出会えるのは大いに助かる。喜ばしい。

 そして、このスタイルを紹介してくれた彼は、更に要素を足してきた。

 アクセルシステムによる技の展開である。
 巻き戻りながらストリングに食い付いたヨーヨーを、アクセルスピンを利用して新たな形で再回転させ、可動域を拡げることを示唆していた。

 正直、私はあまり後続のハイパーヨーヨーアクセルを買うつもりはなかった。
 わざわざアクセルウィングでストリングトリックを遊ぶなら凄まじい性能の専門家たちが集っている。
 クラウンの力ならブレインツイスターだって10回転など朝飯前だ。
 スターバーストの引き戻しなら我がスピンガジェットも現役だ。ちょっと戻りが弱かったがオイル挿してみたらかなり安定した。
 アクセルラウンドの、重い!パワー!ヤー!といった触れ込みは心躍るが、それにしても我が家のヨーヨーはとうに片手の指に着けきれないほど増えている。

 そんな中で、新しい子を迎えるなど……迎えるなど……と思っていたが、とあるデスマーチ業務を生き延びた家族が、何か欲しいものに使えと突如お小遣いをくださったので、ありがたく使うことにした。

 例によって、アクセルオリジン同様に、ご近所の電機やさんの玩具売り場で購入した。歳末セールなのかなんなのか、想定より800円近く安くなっていた気がする。本当に大丈夫かこの店。

引けば回る癖になるアクセル!

 というわけで、トラピーズストールの雄姿に惑わされてアクセルウィングをひとつ迎え入れた。
 私はそれなりにこの手の形状のヨーヨーに遊んでもらったつもりなので、この子が来たが最後、アクセルオリジンはお役御免なのでは……と恐れていたが、そうでもなかった事を先に記しておく。
 過去の私ー!アクセルオリジンはまだまだラブリー機種だぞー!その記事ちょっと訂正しろー!

 選んだ色は機械生命体をモチーフとしたテクノパープル。各カラーごとにデザインコンセプトがあるのはアクセルシリーズ共通のキュートな点。
 薄暗いアクセルディスクの奥には機械の片翼のようなものが上下で弧を描いている。
 また、アクセルディスク自体にも装飾が為されている。照準を定めるかのような小さな線に囲まれながら、アクセルウィング、アクセルシステムインサイドの文字。そして真ん中には周囲のフォントと同じ、三角形に意匠化されたAの文字。
 コンセプトとカラーも相まって闇のイグニスを思い出したがこちらのフォントカラーはちょっと青み強めのグリーン。とても寒色でクール。

 全体的にまとまりが良くかっちょいいデザインをしている。小さなグッズなのもあり、こういう点を楽しめるのは持ち主の特権とも言える。こういうデザインを楽しめる人々にはぜひ、イケてる品があればどんどん入手してほしいものである。

ん?小さなグッズ……?

 なんかでかいのだが?
 手に持った時の猛烈な違和感。おうちでアクセルオリジンと並べると、納得のサイズ差が原因だった。単純にでかい。そして幅の広いボディのバタフライ形状がアクセルディスクを呑み込んでいる。そしてこの膨れたボディにより重量もそこそこ重い。

 でかいヨーヨーや重いボディは回転力が上がるというが、それも踏まえてのバルクアップだろうか。アクセルディスクで指が滑らず、がっしり持てる。さっそく投げ……る前に、ベアリングに一応オイルを入れるべきだろうか。さっそく開いてみる。

スターというか、お日様みたい。

 なんかスターバーストの形も違いますねえ!
 性能の変化に合わせて色々と細工してるのかしら!設計さんが猛烈に頭を捻って生み出してるのかと思うとわくわくしてしまいますねえ!

 細かいところにテンションを上げながら、元に戻して、改めて振り下ろす。アクセルディスクが唸りをあげ、特に違和感もなく引き戻される。なかなか良いのでは?

 そう思いながら手に持ったままアクセルスピン。ところが、異変があった。紐を巻き取らないのだ。

 色々と試した結果、縦向きならばやはり問題なく戻ってくる。なんなら多少は回転が落ちても戻ってくる。だが、ボディを寝かせてアクセルスピンを試みるとなかなか巻き取らない。ストリングを二重巻きにするとオリジン同様に巻き戻ってくれるが、ブレインツイスターは私の腕では不可能になった。

 また、いくつかの、空中でアクセルディスクを捕まえるようなアクセルトリックも、当然ながら張り出したボディを持つこの子には難しいだろう。
 無条件に使い易かろうと認識していたが、アクセルオリジンが有利なトリックはまだまだ多そうだ。

 ……ということを確かめ、ようやく当初の目的であるトラピーズ・ストールに挑戦!

巻き込んだ状態のトラピーズを撮影しようとして、
ぐだぐだになる私の手元

 多少の不安はあるものの、ブレイクアウェイは問題なくできる。なので戻ってきたところを、人差し指にかけた紐でキャッチ!
 ……と、いきたかったが。アクセルウィングも現代のストリングトリック向きヨーヨーと比べると幅の狭いボディ。アクセル太いストリングもあってか、想像以上に難しい。そもそも向きがズレたり、勢いが残りすぎて紐から跳ねとんだり。

 普通のムーンサルトや、手持ちのスピンガジェットを交えながら練習すること数分。ついにトラピーズ・ストールが成功!噛み付くように紐に食い込んで止まる様がカッコよい。
 ここから投げ手でアクセルディスクを掴み、指にかけたストリングを引いて、再起動!……と、ここからまた色々な選択肢が生まれるわけか。たいへん面白い。次やるときは指が摩擦でジュッてならないよう気を付けよう。

 スピンガジェットでも、無事にここまでは辿り着いた。いずれはこのまま振り落としてローラーコースターみたいになるのを目指してみよう。
 たぶんだが、これだけの動きでも、そこから取れる選択肢はまだまだ眠っているのではと思う。
なんかこう、そのまま再発進!だけではない何かが。かっちょいいアイデアを見かけたらどんどん真似したいものである。

 余談ながら、悪ふざけで幅の狭いルーピングスターで挑戦したところ、トラピーズ・ストールが何故か連続で成功した。
 もしかして相性が良いのだろうか?そういえば他の動画アカウントでは、平たいヨーヨーを使うかたが多かった気がする。振り解いてみると猛烈に体勢が崩れていたので私にはまだまだ難しそうだが。


 さて。随分とはしゃいでしまったが、これまで触ってきたメタルヨーヨーも回しておきたい。せっかくの高級品をいただいたのだし、続けることで技術も染み付いていくわけだし……うわーーーージャーブル楽しいー!ブレインツイスター楽しいーーー!クラウンちゃん軽いねえ!スーパーシンチレーターでっかいねえ!クロスレシオちゃんはどっしりしてるからジャーブルでもすっぽ抜けないから助かるねえ!メタルウィングちゃんは戻りが弱ってるからパッド買えるまで静養してようねえ!

結論:いずれにせよヨーヨーは楽しい。色々触ると再発見も増えるのでどんどん楽しい。すごい。

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