大嫌いなはずだった
このタイトルを見て既視感を覚えた人も多いのではないだろうか。
某有名ボカロソングのタイトルをパクったのだ。この曲を歌っている声優さんがとても好きでよく聞いている。
今回の内容はそんな甘酸っぱいかわいい話では無いのだけれど。
突然で申し訳ないのだが、私はお風呂が大嫌いだ。面倒なのは勿論、ドライヤー合わせて45分は時間をドブに捨てるようなものだし、腕は疲れるし鏡を見ても悲しくなるし、女の子は工程が多くて大変だし、人生で1番無駄な時間だと思っている。お風呂に入らなくてもいい世界になれば良いと思う。
お風呂が大嫌いな私だから、きっとみんながドン引くくらい入らない時もある。一人暮らしなんてそんなものだと思う。誰にも会わずに誰にも迷惑をかけずに、ちょっとそろそろヤバいかなあ、不快だなあと思い始めてちょっと経ったくらいまで入らない。
嫌な話をしてしまい申し訳なく思っている。
そんなお風呂大嫌い人間が、最近お風呂の良さに目覚めた。
私は今就活の真っ最中。
何をするにも就活就活と1日で就活について考えない時間はないくらい就活に奪われている。
むしろ呪われているくらい就活鬱だ。
携帯を触る時、テレビをつける時、ご飯を食べる時、何をするにもその時間に就活をしない罪悪感を感じてしまう。現実逃避に柄でもない家事をしてみたり、ウインナーを焼いてみたり卵焼きを作ってみたり食器を洗ってみたり洗濯してみたりしているが頭の中は就活でいっぱいで、3日目にしてもう死にそうだ。
そこで、気分転換にお風呂に入ろうと思った。
大嫌いなお風呂より更に嫌いなものが目の前に現れたおかげで、お風呂に進んで入ろうという気持ちになった。お風呂に入っている時は何も考えずに済んだ。落ち着いた気持ちになれた。楽しい、安心する、一生この時間が続けばいいのにと思った。
ドライヤーもとても楽しい。温風が心地いい。何を喋っても携帯で何を流しても聞こえないからなんだか楽だ。開放感がある。髪はいつもは面倒で生乾きのまま放置してしまうのに、終わるのが嫌で乾いているにも関わらず風を当ててしまう。(それはそれで良くないのだが)奮発して買った推しと有名ブランドのコラボスウェットが届いたから着ようか。なんだか楽しい。
気がついたらあんなに大嫌いなはずだったお風呂が好きになっていた。心安らぐ空間になっていた。自分でもびっくりだ。
コロナ禍で家に篭もる生活でやっと楽しみを見つけてしまった。普通の人にとっては毎日のルーティンなのに。ワクワクする。
日常生活の些細なことをこんなに楽しめるなんて得だと思わないか。素敵だと思わないか。こう考えることにしたら、なんだか楽しいのだ。
これから私は毎日入ることになるかもしれない。
人生で1番無駄な時間だと思っていた
無くてもいい時間だと思っていた
大嫌いなはずだった お風呂に。