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優しさと思いやりのパワー
私の地元で唯一のO高等学校が 、2026年度に隣町のF高校と統合され、校舎がF高校へ移動となることが決まった。
生まれた時から当たり前のように目にしてきた緑色の校舎。賑やかな高校生。
それらが町から消えてしまうことに、言葉では表せない悔しさと悲しさを覚えた。
弟が現在O高校に通っていることもあり、3月末に帰省し家族に会った際もこの話で持ち切りだった。
私の故郷は、人口が約1万人ほどの小さな町だ。
住民同士の距離がとても近いため、住民全員が大家族のように繋がりが深いところが魅力。
高校生になると、「早く上京したい」、「田舎から出たい」という言葉をよく聞くが、私の友人は皆、口を揃えて「これからもここに居たい」と言う。
それほど、住民が町を愛してやまないとても温かい町なのだ。
隣街の進学校に電車で通学していた高校時代、
最寄り駅に向かう途中でO高生とすれ違うことがあった。
その中で、他市町村出身で私の故郷と全く関わりが無かったような生徒が、高校入学を機に積極的に住民の手助けや清掃活動、農業に取り組む様子を目にした。
友人の紹介で出会った隣町出身の女子生徒からは【ここに通うようになって思いやりが生まれた。】と言う言葉を聞いた。
この言葉を聞き、故郷の温かな環境と人を穏やかにするエネルギーを誇りに感じた。
その場所ならではのパワーはどの地域にも存在すると考える。
その中でも故郷の持つパワーは、
【優しさ】と【思いやり】。
そして、これらは将来外に住むことになったとしても人格として存在し続ける。
2026年度からO高生には、ここで培った優しさや思いやりを現F高校でも発揮し、市全体に私の故郷ならではのパワーを広げていってほしい。
そして私も故郷で培った優しさと思いやりを胸に、何事にも温かく、寄り添い続ける人間でありたい。