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GPTに聞きながら作った超シンプルなBTCbotが意外と稼げた話
はじめに
この記事は仮想通貨botter Advent Calendar 2024 17日目の記事です。
はじめまして。Think/Luminと申します。普段はデータサイエンス系の大学院生として、学業・研究に勤しんでいます。そして今も、修論と投稿論文に追われています汗
投資関係では、基本的には業界ごとの資金流動性を意識した株式投資botでちまちま稼いでいます。大学院入学までの半年で得た知識と、大学院入学後の講義で得た知識で、B級ぐらいは稼げるんだなと。そんな雰囲気です。
本記事はアドベントカレンダーもですが、私が所属している滋賀大学株式投資研究会に、Botterがいないことを危惧して、自身が取り組んだ事を備忘録的に残そうと思って作成しました。君らが勉強してる事で、以外と良い感じの所まで行けるんですよと。実際に今回の内容は、割とシンプルかつ、初心者でも取り組めるような内容(のはず)
重要な注意事項
投資系の記事を書くなら、必要な文章。重要。
自己責任原則(じこせきにんげんそく)
投資者が、証券取引の投資判断を誤り損失を被ったとしても、それは全て自らが負担するという原則のことをいいます。常にリスクの伴う証券取引においては、投資家はそのリスクを十分理解したうえで、投資について調査・検討し、自らの責任の下で投資を行わなければなりません。
「今ならチンパンでも儲かる!」って言うから試してみた。
botterの誰かが言ってました。「今はチンパンbotでも儲かる相場だぜ!」って。最初は「いやいや、そんな簡単に儲かるわけないでしょ」って思ってました。
メインの株式botは割と力入れて創ってる。それなのに、このbot、最近はイマイチパッとしない。というか、普通に苦戦中。そんな時にTwitter見てたら、みんながBTCの話でもちきり。「BTCが70,000ドル超えたぁぁぁ!」とか「またバブル来たな!」とか。
で、何となくチャートを眺めてたんですよ。そしたら、2017年末の雰囲気を思い出しました。でも、ここで思い出したのが2018年の悪夢。
あの時、19歳の私はNEMとXRPを保有してました。寝る前に見た含み益の数字を見て「よっしゃ!明日起きたら億り人や!」とか調子こいてたら、朝起きたら利益が10分の1に。
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トレード歴6年の今でも、あの時の感覚は忘れられません。人間の感情って怖いですよね。上がった時の楽観、下がった時の焦り。特にクリプト相場の暴騰暴落じゃ、まともな判断なんてできやしない。まあ、この経験のおかげで今は、ショート取引でそれなりに稼げてるんですが。
「入れる金額ちょっと位なら...」「簡単なbot作って試すだけなら...」「損切り厳しくすれば大丈夫でしょ...」
というわけで、魔が差してクリプトbotに手を出すことにしました。取引対象はBTCです。
botの中身というか、ほぼ直感と勢いで決めた設定
「チンパンでも儲かる相場」って言うから、本当にチンパン級の適当な設定で行くことにしました。(実際はチンパンbotって、Xで見る前から運用したので、本当に頭チンパンなのかも)
普段の株式botなら、企業価値の算出方法とか、業界の景況感とか、市場心理の分析とか……
えらい真面目に考えるんですけど、今回は「めんどくさい、適当でいいや」ってノリで運用しました。そのため、実装も「取引所のAPI叩けて、RSI計算できて、注文投げられれば何でもいいや」ってノリで決めてます。
botの主なルール設定:
「RSIって何か買うタイミング分かるやつでしょ?」→ RSIとDMIをベースにエントリ管理。過熱気味な感じを検知するbotを作成
「含み益10%は欲張りかな...じゃあ8%で」→ 8%で利確
「怖いから早めに逃げとこ」→ 3%で損切り
「2つポジション持てば十分でしょ(適当)」→ 最大2ポジション
「仮想通貨、動き速すぎる」→5分足で取引
詳細は省いてますが、マジでこんな感じです。なんでこんな設定にしたかって?
バブル相場でテストする時間すらもったいなかった(最重要)
複雑なの作ると、自分で理解できなくなりそうだった
バグっても「まぁ、損切りあるし」「どうせなくなってもhogehoge万円だし」と、良い意味諦めてた
結果とパフォーマンス
こんな適当なBTCbotが11/7から12/6までの約1ヶ月で、総利益:47.3%、勝率:63.5%、最大ドローダウン:11.2%ぐらいでした。
ちなみに最初のエントリでずっと保有していたとしても、最終利益は34.93%だったらしい。それと比べても、割と良い成果出せてます。一方、ドローダウンは大きめなので、差引考えると、そんなもんかという印象。
このbot、ゴリゴリ頑張って創ってる株式botのだいたい4倍稼げてるんですよ(%ベース)。アホクサ。やっぱり相場が重要過ぎる。
後から見ればいつもそうですが、もっと資金入れておけば……
どうやって作ったの?
ほぼGPTポンだしです。1日で作れました。
一部発注APIなども含めると修正はありましたが、APIの情報を読み込ませたらそれも含めて、作成できちゃいました。以下の部分は手で直しました。
APIのエラー処理
注文管理の仕組み
リスク管理の数値調整
バックテストの調整
今の相場だとどうなの?
正直、もうこのbot、現状の相場ではほぼ使い道がないので、やっぱりチンパンなり。値動き小さい時、ヨコヨコ相場、急に相場が変わる時、こういう時は厳しいです。
実際、私の使った取引所ではなかったですが、12/3のキムチショックを直撃していたら、このbot、滑ってヤバイことになってたはず。
BTC速報:韓国の仮想通貨取引所Upbitでビットコインが一時62000ドルまで暴落するフラッシュクラッシュが発生。現在は91000ドルから86000ドル前後を推移しており不安定な状態が継続。キムチプレミアムならぬキムチクラッシュ?#ビットコイン #仮想通貨 #暗号資産 #BTC $BTC #韓国 pic.twitter.com/I5VKQNa1r8
— 墨汁うまい(Bokujyuumai) (@bokujyuumai) December 3, 2024
それもあり、ちゃんと面倒見れないbot運用はやっぱり怖い…となって、12/6に全ての年内の取引を終了させ、税金処理を行いました。
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ちなみに停止後のデータを使ったバックテストでは、総利益: 6.88%、勝率: 40.00%、最大ドローダウン: 6.42%だったそうです。停止して良かった。
まとめ
今回の経験を通じて、私たち理系の学生って、なんでも「ちゃんと」やろうとしがち。企業価値の計算方法とか、統計モデルとか、マーケットの分析とか...めちゃくちゃ真面目に考える。
「完璧なbot作らなきゃ」
「もっと勉強してから」
「これじゃダメかも」
こんな考えで、結局何も始められない人、多くないですか?実際、今回のbot、理論的な裏付けはほぼゼロ。ただ「リスク管理は明確に行う」「ルールをシンプルにする」「何より動いてる」今回のようなバブル相場の場合、とりあえずはこれだけで、意外と戦えるんです。
もちろん、長期的に見れば、ちゃんとした分析や理論武装は必要です。でも、今回みたいなお祭り相場なら「まず動かす」事の方が、どう考えても勝ちパターンでした。
と言うわけで、のーたりんなチンパンbotでもそれなりに戦えた年末のご報告でした。