俺こそが特別なオンリーワン!!!
中国最多民族である「漢族」は噂ほど傲慢でも薄情でもない。むしろ一度仲良くなった場合は私のために命をかけてくれる程の思いやりすらある。
さすが「白面のもの」を倒すために「獣の槍」を作った国だけのことはある。その点ではインド人や、イラン人とか、イスラエル人とか、比較的嫌われ気味の民族の中では一線を画すところだと信じて疑わない私ではあるが、別にどうでもいいので話を進める。
でもやはり旅行者の中ではダントツ漢族嫌いが多い。旅行者仲間では「漢族嫌い」と自分も言っとかないと、安宿で他の旅行者から仲間はずれとか、イジメとか、はがいじめとか、三角締めされそうな勢いですらある。
何故か?
ウェイシェンマ?
1. やさしくない
まったくもって優しくない。仲間とみなされない場合はとりあえず敵だ。
どの国の男性もいくつになっても優しく甘えさせて欲しい生き物だから、男性旅行者諸君が嫌いになるのは納得できる。つーか漢人諸君も何でもめんどくさそうにするのはよくない。
特に敵とみなされて困るのが、チケットを購入する場面である。仕事なのに売ってくれないという事は共産主義圏では日常茶飯事だ。旅行者諸君も列車やバスのチケットを買いに行く前は、部屋の鏡の前でニッコリ笑って「ニイハオ!」の練習だけはしていったほうが良い。どんな思惑があっても「私は大好きな中国をもっと知りたいのでできれば切符を売って頂けませんでしょうか」くらいの笑顔の演技力は切符売り場では必要である。5回もやれば自然と身につくだろう。
案外、これは社会に出たときにとても役に立つのでメモっておいた方が良い。
2. きちゃない
最近の都市部ではそうでもないかもしれないが、基本的に自分の敷地内以外にはゴミを捨てていいことになっているらしい。とりあえず窓から捨てる。列車であろうと、バスであろうと捨てる。呑み終わったビール瓶まで捨てる。危険極まりない。こんな国に核は持たせてはいけない。
食べ終わったひまわりの種のかすはとりあえず床に捨てる。長距離列車とかは最悪だ。基本的には中国人は移動の際は何か絶えず食べている生物のため、小一時間もすれば唾液ですえた種の殻で列車の床は絨毯を敷き詰めたようになる。
そのままで一晩過ごそうものなら車内はひまわりの種のかすで、はちきれんばかりになってしまわないか?と夜も眠れないくらいご心配のご婦人もいるかと思われるが「無座」のところでも触れたが定期的に服務員が掃除しにくるので安心して頂きたい。カスは軽く唾液で湿っていて車内の埃を取るのにも一役かっているので、あまり彼らを責めないでやって欲しい。
3. 漢字(言葉)
われわれ日本人には何の問題も無いが、白人旅行者にとっては辛かろう。 読める訳が無い。しかも英語は通じない。英語しか喋れないアメリカ人なんかは大変である。まったくもってザマーミロと言いたい。(当方白人嫌い)
しかし、抜け目無いことに白人の持っているガイドブックには「中国で言語に困ったら日本人旅行者を捕まえると良い」とまで書いているらしい。さすが戦争に勝った国は言う事が違う。
ま、でも確かにその通りだ。我々は漢字が読める。しかも中国国内には真面目で便利な日本人留学生が一億万人くらい(当社比)旅している。そんな私たちバックパッカーも便利なので時々利用させてもらっている。(ゴメンナサイ)
と、軽く中国に行ったことの無い方々を置いてけぼりにしたまま新年の親戚内輪系の話は続くが我慢して欲しい。我慢や、理不尽に耐えてこそ自由な旅は引き立つものだ。
くれぐれも書いておくが私は漢族を超愛していて、上記の話は人から人へとまた聞きしたと思われるものなので私へのクレームは控えるようお願いいたします。マジで。
ぜひそんな中国に皆さんも触れて欲しいアルよ。
謝謝、一路平安。
【1998年1月12日(曇)中国:桂林】
重慶から4等の船室(200元)に潜り込み、武漢の手前の岳陽というところまで3泊4日の長江下りを寝て過ごした後、洞庭湖というチェリーな私にぴったりな場所で、雨の中を無理やり観光しようとして挫折しいきなり旅行開始一ヶ月目にしてゲーセンに入り浸っていたファミコン世代の私だ。
そんなダメな私は流れ流れて、世界の名勝地「競輪」もとい「桂林」にやってきた。
正確には桂林からバスで1時間半程はなれたところにある陽朔ってところだ。大都会となった桂林とは違いのんびりとした良い町だ。あの水墨画のような風景の中を(桂林なだけに)チャリを借りて疾走するのも良い。●2点
そして私はここで、焼きたてメロンパンの美味しさに目覚めた。
何故に中国でパン?また難題を皆さんに提示しがちだが、その答えは平成も終わることだしココではあえて触れない。なんにせよ、焼きたてとか、脱ぎたてとかに悪いものは、ない。
1月の桂林は寒い。
沖縄より3倍くらい南のくせに寒い。詐欺だ。どうしても我慢できず桂林観光もそこそこに、一路南国のリゾートアイランド「海南島」を目指すことに決めた。
やはり旅は海だ。
メロンパンと涙のお別れをして、桂林から湛江までの夜行列車に乗ることに決める。もちろん寝台車では、ない。特別空調車両硬座(85元)18:48発。列車は南を目指したりなんかする。
桂林で一緒だったワーホリ帰りの子から貰った三島由紀夫の「金閣寺」を読みながら、漢民族に揉まれながら旅は続いて行くのです。
いや、漢族のおっちゃん!特別空調車両硬座は窓開かないってば!ゴミ箱連結部分にあるってば!