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MHWsは最高峰の"Experience"である

今緊急で文章書いてます。

オープンベータ2回目にして初めてワイルズを触ったのだが、あまりの神ゲーっぷりに上がりきってしまったテンションを発散するために書いている。
ベータの時点で完成度が素晴らしい。というか、途轍もない可能性を感じさせられた。

モンスターハンターシリーズはかつてPS2から発売された初代に端を発するハンティングアクションゲームであり、シリーズ20周年を越える一大シリーズである。
内容としては至極シンプルで、モンスターをでっかい武器でしばいて倒したモンスターの素材で装備を作り、新しい装備でもっと強いモンスターと戦うという非常に硬派なスタイルのゲームだ。
スタイルの骨子は変えないまま正統進化ともいうべき変化を遂げてきたモンハンだが、2018年のモンスターハンターワールドにてオープンワールドという大幅な進化をする。
かつてはエリアと呼ばれる小さなインスタンスに分解したフィールドだったものから、全てがシームレスな狩りへと一段階進化した。当時は非常にワクワクしたものだ。
そして今回、ワールドから7年の時を経て正統後継作ともいえるワイルズが発売される訳だが、オープンベータの時点であまりの完成度に感動してしまった。

武器2種持ちの可能性

でっかい武器を担いででっかいモンスターを狩るモンハンだが、人気を博した要素の一つに「武器」がある。
身の丈ほどもある大きな剣や、機動力を重視した小型の剣と盾、スピードと引き換えに圧倒的なリーチと防御力を手にした槍など、個性豊かな武器の中からスタイルに合ったものを選択することが出来る。
勿論それぞれに強みがあり、得意とされる分野も異なる。
シリーズの途中で武器種は数を増やし、ワイルズでは実に14種の武器から好きなものを選ぶことが可能だ。
しかし、今までのモンハンは狩りに出る時には一つの武器しか持っていくことが出来なかった。
ところが今回、ワイルズでは2種類の武器の持ち替えが可能になった。戦闘中であってもスムーズに持ち替えることが出来る。
1種類が2種類になっただけでさほど画期的ではないという向きもあるかもしれないが、個人的にはこれは単に複数の武器を使えるという以上にゲーム体験を広げてくれるものだと感じた。
前述したように、武器には得意分野というものがある。
機動力と引き換えに長大なリーチを持っていたり、接近するリスクの少ない代わりに耐久力が低かったりと一長一短な訳だ。
当然モンスターに対する相性もあり、今まではそれに対して相性を重視して武器を持ち替えるか、自身の腕を磨いて相性差を覆すかのどちらかだった。
しかし今回は、戦闘中にも持ち替えられる柔軟さから、例えば狩りの段階によって持ち分けたりすることも可能になった。
序盤で相手の攻め手が豊富な段階では防御寄りの武器を使ったり、相手が弱ってきたら一撃を叩き込める武器に変えたりだとか、触ってみて想像していた以上のゲームの奥行に驚いた。
より戦略的に武器を選択することが可能となり、今まで以上に駆け引きを感じられる要素だと思う。

生態系の再現度

モンハンは狩りゲーであるため、実際の生態系を模して作れらている。
草食動物がいて、それを食べる小型の肉食動物、生態系の頂点に君臨する大型の肉食動物、とそういった世界観の骨組みは初代から手が込んでいる。
しかし、ゲームである以上リアルを完全に再現することは不可能である。
ポップする位置は決まっているし、表示数にも限りがある。
草食動物の群れと言ってもせいぜい数体だし、そもそもゲームの密度としてそんなに大量には配置できない。
プレイヤーとしてもそこは突っ込むところではなく、そういうものとして楽しんできたわけなのだが、今回はそれがいい意味で裏切られた。
広大なマップの水場には埋め尽くさんばかりの草食動物が闊歩し、いわゆるボス級のモンスターも自らが根城とする地域に生息している。しかも、その大型モンスターが群れを成していたり、別個体が普通に乱入して来るのである。
今までは暗黙の了解として「モンスターは決められた数しか配置されない」となっていたものが、ワイルズになって唐突にそのリアルさを増したのだ。
クエストを受注し、そのクエストに対応したモンスターがフィールドに配置され、その対象と戦っていた過去作とはまさにレベルが違う。
フィールドにモンスターが配置され、それを基にプレイヤーは狩るモンスターを決め、ある種勝手に狩りに行くのである。
世界がまずそこにあり、世界に対してプレイヤーが介入するという、今までとはレベルの違うリアルなゲーム体験が味わえるのが素晴らしい。
クエストを受けなくても、フィールドをぶらぶら散歩して戦いたいモンスターがいれば戦闘を始めてしまっていい。
ある程度戦闘した時点で自動的にそのモンスターの狩猟が目標として設定され、シームレスにクエストに移行できる。
正直この体験は想像だにしていなかった。

セクレトという存在

今回の体験で欠かすことの出来ない新要素が「セクレト」だ。

数時間やっただけなのにもうかわいい

これは新しく登場した狩りのパートナーである。
狩りの相棒というと「オトモアイルー」があり、こちらはかなり歴史が古い。補助などがメインだがプレイヤーのように一緒に戦闘してくれるまさに相棒で、こちらはワイルズでも続投だ。なんと今回は日本語もペラペラになった。ノータイムでアイルー語に設定した
セクレトはオトモアイルーとは別のベクトルの相棒キャラとなる。
一緒に戦闘こそしないものの、フィールドでの移動や戦闘中にアイテムを使う時に乗ったりしてプレイヤーを助けてくれる。ちょうど馬のような存在だ。
言わずもがな非常に便利なのだが、これは実装できてもしないゲームの方が多いのではないか、と感じた。
かつてのモンハンは回復アイテムを使う時に硬直時間と謎のガッツポーズがあり、これは回復というリターンに対するリスクとして存在していたが、オープンワールド化したワールドではそれらは歩きながら使用できるアイテムに変わった。
前提としてゲーム体験においてリスクとリターンは適切に設定されるべきであり、極端な話ノーリスクで瞬時に回復できるアイテムがあったら便利とか以前にまずつまらなくなる。
しかし、今回ワイルズではセクレトという相棒に騎乗し、高速で逃げ回りながら安全に回復が出来るようになった。20年前のハンターが聞いたら呆れて笑いだしそうである。
だが、実際それでつまらなくなったのかと言えばそんなことはなかった。
重たい一撃を食らった後に隙を見ながらセクレトを呼んで騎乗、遠巻きに敵を眺めながら回復しつつ立て直しの隙を測る、といった一連の体験で便利さはその面白さをスポイルしなかったのである。
かつてはガッツポーズこそあったものの、エリアという概念があったのでエリアさえ乗り越えてしまえば安全に準備を整えることが出来た。
オープンワールド化したことでそれらが不可能になったという理由もあるだろうが、プレイヤーとしては狩りというアクションがダイレクトに体験できるという内容に変化した。
ゲーム的に「エリアを移動する」のではなく、狩りとして「距離を取って体勢を立て直す」のである。こういった体験が積み重なって、「まるでゲームではないかのような」ゲーム体験を生み出すのだろう。

もう一点セクレトが破壊した過去の体験は「移動」である。
かつてはエリアを自身の手で移動し、モンスターがいたら追跡可能になるようにアクションを行い、モンスターが逃げたらその印を追跡するという一連のアクションが行われていた。
これもこれで非常に狩りを感じさせる出来ではあったのだが、今回セクレトはそれらを全てオートにしてしまったのだ。
セクレトに乗って任せておけば、勝手にモンスターのところに連れて行ってくれるし、モンスターが弱って逃げ出した時も迷うことがない。オートで連れて行ってくれるのでその間に回復などの準備をしていればいい。
当然製品版であれば多少の下準備というやつは必要になるだろうが、それらを考慮したとしても過去の「追跡」というフェーズをまるごと削ったのは英断だったように思う。
実際これでヌルゲーになったのかと言えば、当然追跡に関してはヌルゲーになった。しかし、その時間は決して退屈ではないのである。
今までは移動時間は仕切り直しと言った感覚が強かったが、今回は全てがシームレスなので体験の途切れる暇がない。
逃げ出したのを確認したら即座に追跡し、下準備をしながら武器を持ち替えてみたり消耗品を補充したりして、あくまで「狩り」は続いているのである。

今回の新要素を体験して考えていたのだが、兎にも角にも全体を通して「狩り」という体験を重視しているように思える。
今までの「ハンティングアクション」という独自のジャンルから、「狩りゲー」という一段リアルで臨場感のあるジャンルに昇華されたように感じたのだ。
新要素や改善された要素が全てゲーム体験の向上という目的のために統一されている感覚があり、それは適当にベータテストを楽しんでいても感じられるものだった。
ワールドの続編ということで正統進化する望みはありつつも、新武器などのキャッチーな要素がなかったのが少し不思議だったのだが、今回の体験でそれらには納得がいった。
プレイヤーの想像を超える、とはよく言われるが、ここまで雄弁にゲームプレイがそれを物語った例は僕の中にはない。
実際ワールドの続編のはずなのにまるで別ゲーである。骨組みは変わっていないのに体験のレベルが違う。
製品版ではこれに対してストーリーや拠点の拡張、装備の作成などより狩りに没入できる要素が増える。
たった2週間が待ち遠しくてたまらない。

以上、リコでした。

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