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the pillowsを発掘してくれ

the pillowsというバンドがある。
3人のめっちゃかっこいいおじさんによるめっちゃかっこいいスリーピースロックバンドだ。
今回はそのthe pillowsの中でも僕が好きな曲を延々と紹介する文なのだが、音楽は聴いて感じられればそれでいい。
ということで曲に興味がある人はすぐ聴いてほしい。

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とはいってもなんかおすすめある?という人のためにここからは一部の曲の紹介と僕の感想を垂れ流してゆく。

そもそもthe pillowsというのはガッツリベテランの域に入るバンドである。
結成はなんと1989年。
35年もの間活動しており、有名なロックバンドやシンガーからの人気も非常に高い。バンプとかスピッツとかミスチルとか
しかし、一般の知名度は一向にぱっとしない。「永遠のブレイク寸前」とか「最も有名な売れてないバンド」とか言われることもある。
しかしこのバンド、めちゃくちゃかっこいいのだ。なんで売れないのかファン達は一生わからないで聴き続けている。
同業にはわかるかっこよさ、とか、有名じゃないけど知る人ぞ知るカッコよさ、というなんともオタク好みなバンドでもあるので、知っていれば思わぬところで同好の士に会えたりもする、そんなバンドだ。

それではここからはアルバム別に特に僕の好きな曲をピックアップして紹介していく。
アルバム・曲順は順不同であり、勿論ピックアップしていない曲も名曲揃いである。
歌詞の引用は””で表す。

最初は「Wake up! Wake up! Wake up!」。
多分僕が一番聴いているアルバムだ。

全体的にゆるいアルバム

BOAT HOUSE
the pillowsらしいゆるゆるとしたラブソング。
the pillowsはどことなくいじらしいというか少年みたいな恋愛観を出してくることが多いのだが、その中でも僕はこの曲がかなり好きである。
"僕のギターでキミが歌う キミの歌で僕は笑う"
ここなんかもう愛という言葉の意味として辞書に載せたいくらいである。
終始のんびりとした曲に長閑な歌詞がたまらなく癖になる。

スケアクロウ
こちらは多少有名かもしれない。
スケアクロウというのはかかしという意味で、この曲ではろくでなしという文脈で使用される。
歌詞は一見ラブソングだが、これはメンバーへの思いを綴ったものであるそう。バンドの背景を知った上で聴くのもいいし、ラブソングとして聴いても染み入る。

Sweet Baggy Days
直訳すると「甘くてぶかぶかな日々」。ぶかぶかの服、のぶかぶか。
その名の通りこれもまたゆるい曲だが、歌詞にはどこか鬱々とした雰囲気もある。
かと思えば最後のテンポアップでは疾走感に溢れているところもかっこいい。
個人的にはthe pillowsというバンドを凝縮したような一曲。是非。

ここまで書いて気が付いたが、とてもじゃないが一つづつ挙げていくと全然書ききれないので、とにかく完成させるためにもかなり絞っていこうと思う。もっといい曲沢山あるよ。ということで次のアルバム。

2枚目は「HAPPY BIVOUAC」。
ファンの間でも名盤として上がることが多い。

ジャケットは謎

FUNNY BUNNY
僕はこの曲からthe pillowsを知ったので非常に思い出深い。
昔ジャンプで連載していた漫画に「SKET DANCE」というギャグ漫画がある。
その作中で、珍しく真面目で熱い回で使用されていたのがこのFUNNY BUNNYだ。
”キミの夢が叶うのは 誰かのおかげじゃないぜ”
”好きな場所へ行こう キミなら それが出来る”
という一直線な応援歌。漫画でのエピソードも相まって思春期の男子高校生だというのに泣いたのを覚えている。すぐに夜中にTSUTAYAに走ってCDを借りた。
the pillowsはロックバンドなのだが、静かなロックが多い。どことなく厭世的で諦めているような曲もあれば、この曲のように背中を押してくれる曲もある、勿論ロックの激しさとカッコよさに溢れている曲もある。そういうバンドだ。

カーニバル
観覧車に独りで暮らしてる という歌詞から始まる不思議なラブソング。
世界に背きながらキミと二人でいる、閉鎖的でそれでいて自由な世界が浮かんでくる。
どこがと言われると難しいが全体的にめちゃめちゃ好きな曲である。
この曲を基にSSを書いていたりしたこともあるくらい。未完だけど。

Kim deal
例によって少年みたいなラブソング。
”キミのこと思い浮かべちゃって 眠れない夜の記録をのばしている”
から始まるのである。
高校生かよ、みたいな青さを感じる歌詞なのにこれがなぜか大人になってから聴いてもかっこいい。
そこにこのバンドの力があり、「年なんて関係ないぜ」と言われているようでもある。

お次は「Thank you,my twilight
個人的には一番かっこいいアルバム。最高だ。

かっこいいよ

バビロン天使の詩
出だしからして痺れる。でもなぜかそんなに有名じゃない。なんでだ。
とにかく曲がかっこいい。
歌詞も全部好きだが僕が好きなのは
”キミがこぼした愛は 僕に全部染み込むのさ”
の一節。なんか良い。
そしてこの曲、曲があり得ん強い代わりにMVが死ぬほどダサい個性的だ。
ダサいというか……何と言うんだろうな。とにかく強烈だ。
ただ今はネットでは直接見られない。
直接貼るのは控えるが、「バビロン天使の詩 叩いてみた」というYoutubeの動画で顔隠しの代わりにMVが貼られている。どうしても見たければ。

Ritalin 202
ア~ップルパイプスモ~キィン♪
がこの曲の真骨頂であり、全てである。聴けばわかる。
何となくここまで歌詞のいい曲とかラブソング、という感じの紹介が続いたがこういうほんとに訳の分からない曲にも名曲が多い。
ア~ップルパイプスモ~キィ↑ン♪

Thank you, my twilight
これはまた打って変わっていい曲である。
いや、全部いい曲なんだが振れ幅がでかい。
”時折誰かが問う 「いつまでどこまで向かう気か」と Baby どこまででも”
後述するがこういう歌詞にはthe pillowsというバンドの持つバックボーンが強く表れている。
人生を重ねれば重ねるほど響くようになる曲だ。

続いて「LITTLE BUSTERS」。
これもまたファンの間では評価の高い一枚。

泣けるんだこれが

ハイブリッド レインボウ
バンド全体から見ても欠かせないマスターピースの一曲。
the pillowsは35年も活動期間があるが、最初に書いた通り、また皆さんもご存じの通りメジャーでは売れていないのでバンド活動の歴史にも紆余曲折が多くある。
レーベルの移籍や活動休止、メンバーの入れ替えなど波乱に満ちたバンド人生を歩んだthe pillowsは、時折歌詞にその葛藤や決意を載せているように見える。
その中でもこの曲にある
”きっとまだ 限界なんてこんなもんじゃない こんなんじゃない”
”ここは途中なんだって信じたい”
などはまさにバンドの叫び声だろう。
だからこそ同じことを願う人には直球で届く、そういうメッセージ性がthe pillowsの強みなんじゃないかな、とも思う。

ONE LIFE
これもまた名曲。
”どんな靴を履いてても 歩けば僕の足跡 立ち止まればそれまで 僕が終わる印 One life”
ハイブリッドレインボウにも通ずる強いメッセージ性が響く。
文字通り立ち止まればそれまで、それは誰の人生においてもそうだ。
だから歩いていくのである。それが足跡になる。
等身大のカッコよさがある。

LITTLE BUSTERS
ウィザキッスィンゴーザフューチャー
the pillowsのファンネームはこの曲にちなんでBUSTERS
LITTLE BUSTERSとは僕らのことであり、小さくて大きいものという意味もある。
ジャスウェイティンフォーザリロバスターズ アウイエー

まだまだ続く。「OOPARTS

トップタイくらいに好き

雨上がりに見た幻
僕はこれがthe pillowsの中で一番好きな曲かもしれない。
ことあるごとにハマり直すがその度にこの曲に最後は帰ってくる。
”足跡のない道を選んで ずいぶん歩いたな 荒野の果て 何処かにきっと 足跡残ってる それだけが 生きた証”
虎は死して皮を留め人は死して名を残す とあるが、自分の歩んだ跡を誇りをもって残す、そういう生き方をしてそういう死に方をしたいものである。

Beyond the moon
太陽に逆立ちしてもかなわない三日月の僕と、町で一番美しい向日葵のキミの歌。
決して自分に振り向かれることはなく、それどころか共にいることさえも出来ない哀しさと諦めと、それでもキミを想う心が滲み出ている。
良い歌なんだ。

ジョニー・ストロボ
”永遠じゃなくたって 価値がある夜”
寧ろ永遠じゃないからこそ価値があるのかもしれない。
僕らは一人の例外なくいつかは必ず死ぬ。だからこそ「限りある命」に必要以上に美しさを見出すのかもしれない。
”一瞬で燃え尽きる流れ星でも 何かを照らしたんだ ストロボのように”
だからこそ逆に、死んでしまうならばこそ輝いて見せようじゃないか、照らしてやろうぜ、という風に感じる。
かっこいいよなぁ。

問題、今、何枚目?「トライアル

哀しさというイメージがある

エネルギヤ
”キミは誰かのものになったけど 今も僕を動かすエネルギー”
この曲はこれに集約される。
少年のようなthe pillowsの中では珍しく大人な曲でもある。
ラストに向かうにつれて盛り上がる曲がたまらない。

Comic Sonic
こちらは一転して明るい希望のある曲。
”夢を見るって不思議だな 叶う前から煌めいて”
ほんとだよね
あんまり語れる夢はないけどそう思う。

Rescue
恒例の意味の分からない方の曲。
昔これを塊魂のBGMで聴いた記憶がすごくあるのだが、いくら調べてみても使われていたという事実が出てこない。
気のせいなのか何なのか。

一生書き終わらない気がしてきた。
MY FOOT

the pillows聴こうかなって思った時にとりあえず選ぶ

サード アイ
もう出だしからしてかっこいい。(2回目)
”明日が来ないような重い空が 捲れる瞬間をその目で見た”
重くもないし軽くもない不思議な曲長に前向きとも後ろ向きとも言えない歌詞が乗る。
雨上がりが似合う良い曲。
”消えない幻 全てを奪った 姿を変えては又 僕を連れ出しに来るモンスター”
the pillowsにとっての音楽はモンスターなのかもしれないと思ったり。

Mighty lovers
”下着のままでリンゴの皮を剥き 雑誌の表紙のように 彼女は上手に笑ってる”
初めて聴いた時にこの歌詞で一発でやられたのを覚えている。クールだ。
"ギリギリの愛をくれ"
という表現もかっこいい。
こういうカッコよさが僕は大好物なのである。

MY FOOT
自分の足で歩いて行け、という歌。
”いつの日か立ち止まるのなら 冒険家のように進め my foot 道なき道を”
FUNNY BUNNYのように背中をそっと押してくれる曲もあればこういう風に己の足で進んでいこうぜ、という曲もある。
歩きながら聴くと心なしか歩幅が広くなる、そんな曲。

まだあるんだなこれが。「PIED PIPER

Rock 'n' Roll

PIED PIPER
アルバム表題曲でありトップバッター。
”聖書によれば誰もが罪人 この僕以外はね”
めっちゃかっこよくないか。僕の座右の銘と言ってもいい。
このアルバムは全編を通してロックンロールが感じられるが、その中でもひと際ロックだと思っている。
”世界中を足跡で汚しちゃいな 気の合う仲間と”

New Animal
”誰かになりたい訳じゃなくて 今より自分を信じたいだけ”
”審査員は自分の他に誰もいらない”
この辺りは刺さる人が多いんじゃないかな。
こういう歌詞がさらっと出てくるけど押し付けがましくない、そういう魅力がこのバンドにはある。
僕が好きなのはこっち
”一欠片さえも残さないで 砕けた僕は風になるだけ”

Tokyo Bambi
分類すると一応ラブソングなのかもしれないがこれもまたかっこいいんだ。
”知りたくないぜ 明日がどんな日だって”
そう、明日死ぬとしてもそんなことを知るなんて真っ平だ。
明るい曲なのにたまにこういう寂し気というか今にも消えそうな軽さもある。
最後は別の意味で好き。めっちゃかわいい

Ladybird girl
これは少年系ラブソングの方。
”Is this love? This is love! キミに会いたいな 理由がなくちゃすぐ会えないなら 何か考えなきゃ”
聴いてくれよこのまっすぐさ。
そうだよな、そうなんだよな、と思わず口に出てしまうような歌詞。

キリがないので最後にする。
Please Mr.Lostman
ファンの間でも文句なしの最高の一枚に選ばれることが非常に多い。
当時は「the pillowsが遺す音楽界への遺産」として作られていたそうだ。

最後はやっぱこれだよね

ストレンジ カメレオン
恐らくはthe pillowsの中でもっとも有名というか当たった曲。
”君といるのが好きで あとはほとんど嫌いで まわりの色に馴染まない 出来損ないのカメレオン”
もうこれに関してはとにかく聴いてくれ。いやもう全部そうなんだけど。
かっこよくてかっこ悪いthe pillowsの魅力が溢れている。
この曲、the pillowsというバンドが崖っぷちの時に作られた曲で、彼らの境遇そのものを歌っているようにも聞こえる。
しかし皮肉にもというか、この曲がヒットしたこともあってかthe pillowsはなくなることがなく今まで続いている。
ストレンジ(奇妙)と歌われているが僕らはみんなストレンジなカメレオンなのかもしれない。
ちなみにこの曲、あのミスチルの桜井和寿にカバーもされている。

TRIP DANCER
”歩み寄るべきだ なんて思わないだろ? 探してる物は僕らの中で騒いでる”
人と人の繋がりを歌っているかと思えば孤独を歌った歌も真に迫っている。
僕はどちらかというとthe pillowsはこちら側かなと勝手に思っている。
ただ、孤独と言っても何かを拒否している訳ではない。
僕らは結局一人で、一人では何も出来ない。しかし、だから手を取り合おう、といかないのがこの人達のかっこよさなんだと思う。

Swanky Street
個人的な思い入れで最後にした。
”誰の記憶にも残らないほど 鮮やかに消えてしまうのも悪くない”
いつ聴いたかは忘れてしまったが、初めて聴いた時に衝撃を受けたのを覚えている。
”Brake なんて踏まない 壊れてもいいんだ”
何が不思議って、この歌詞で後ろ向きな曲ではないということ。
厭世的な曲というよりは余計なもの全てを脱ぎ捨てたような軽さと肩の力が抜けた雰囲気に満ちている。
曲も相まって聴いている内にこちらの凝りもなくなっていくような、そんな感覚がある。

ここまでで6000文字書いたらしい。
しかしアルバムはまだまだあるし上に書いたアルバムの中でも紹介した曲は僅かだ。
the pillowsというバンドを知れば知るほどどの曲も深みを増してくる。
優しいロック、静かなロック、元気の出るロック、エゴイズムに溢れたロック、反逆のロック、彼らの35年の歴史はあらゆるロックンロールを表現している。
是非お気に入りの一枚、一曲を見つけてほしい。
そしてそれを見つけたら是非僕に教えてほしい。

以上、リコでした。

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