Visit Vauban
実家に帰るとだいたい父はNHKの自然系のドキュメンタリー番組を見てるので隣で私も一緒になってみている。
地球が、どうやって今のような地形になったのかを何千年、何百年という単位で説明されていたりするのをみていると、今までこんなにも壮絶なことが起き続けているのだから、もし温暖化などで人間が生き絶えたとしても地球はその後また新しい歴史を刻んでいくんだろうなとふと思った。
地球を大切に!地球を守ろう!などと言っていても「人間の方が地球より力を持っている」ような言い方をしてるような気がしてしまって、モヤモヤしていた。
もちろん、私は地球が大好きだし美しい自然が人間の手によって犯されていくのを見るのは辛い。
去年の初めにドイツにあるフライブルクという街を訪れたことを振り返った時に、そういったモヤモヤが消えて、自分が求めていることが見えた気がする
きっと誰しもが豊かで心地よい暮らしがしたいし、出来るだけ長く続けていきたい。そのために必要なことはやはり自然保護だったということだ。
つまり、私のように地球愛してる系の人間だけではなく、全ての人に関わっているということ。
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ふと手に取った何かの雑誌で、世界の中でも環境都市として進んでいることを特集されていたのを目にし、そこでの暮らしがあまりにも心地よさそうなのが印象的だったのが頭から離れずにいた街、フライブルク。
4年ほど前なので、当時の日本ではサステイナブルなんて言葉は耳にしたこともなかったけど、スティックのりなどの小さなステーショナリーさえもプラスチックフリー、さらに詰め替え用があったり。プロダクトデザイナーの責任についてなど小さくではあるけど紹介されていて、興味深さのあまりそんな街に絶対訪れてみていと思っていた。
南ドイツに位置していてスイスやフランスも近いフライブルクの中でもヴォーバン地区は90年代に作られた新しい住宅街で、これまでになかったまちづくりがされているという。
「より良い住環境の形成のためには自然保護が大切である」ということが軸となりまちづくりの基盤となる決まりごとがある
ヴォーバン住宅地で採用されたソーシャル・エコロジーコンセプトの10か条
1.適度な人口密度による住宅地の実現2.既存の樹木や植生、地形、既存建物を最大限生かす
3.中心部に商業施設と雇用を呼び込み、住宅地のアイデンティティ(独自性)の確保
4.カーフリー(カーポートフリー)での住宅地設計
5.近自然工法による住宅地内の緑地(公園など)の確保
6.屋上緑化などの対策を盛り込んだ雨水コンセプト
7.コンポスト(堆肥)を主軸とした住宅地内での廃棄物処理
8.省エネ建築様式(高断熱・高気密)による住居設置の義務化
9.地域暖房の導入とコージェネレーションでの発熱・発電
10.コーポラティブを主体とした集合住宅の実現
引用:https://www.club-vauban.net/クラブヴォーバンの考える家-まちづくり/
ヴォーバンに降り立ち住宅街の中を散歩していると、森の中を散歩しているかのような心地好さを感じていた。人工的な街路樹ではなく、自然の中に暮らしているかのような植物たちと、鳥のさえずり。
元々生えていた樹木はそのまま残し、また、植物を新たに植えるとしても土地の特性を理解した上で選ぶので自然とのびのびと育っている。
(とはいえ、いった時期が真冬だったので説得力のある画像がないですがw)
上記の10ヶ条だけでなく、子供に配慮していたり、フライブルクの街とつなぐ路面電車も便利だし、防音もされているから夜電車の音がうるさい、ということもない。
街を探索していると、ヒッピーエリアを発見。
こんなコンセプトの街だから、いろんな人が共生している
ここに人住んでるのかな!?っていう雰囲気もありつつ、みんな工夫して暮らしてるのが垣間見える。住むの楽しそうでいいなぁ
住居のために建てられた建造物も断熱効果のある仕様や素材、機密性、日差しの取り入れ方を工夫して夏は涼しく冬は暖かくなるように工夫されることが義務化され
屋上は緑化されていたりソーラーパネルが設置されている。
建物がカラフルだったり、木が使われていたり、おしゃれでそれだけでも魅力的。。
すでに人間が持っている技術でそういった快適な家って建てられるのだ。
今の一般的な日本の住宅では、エネルギーをあまりにも消費しすぎる上に、長持ちもしない。
これはどうしてなんだろう?
どうしても、安く作ることが優先されるのだろうか。長持ちさせずに、壊してまた作るということで仕事を作るためのある意味サスティナブルなサイクルを作っているのだろうか。などと考え始めると悲しくなってしまう。。
私が一番問題に感じているのは、きっとそういった部分だ。
経済活動のために、私たちが立っている地球のこと自然のことは分断して考えられ、消費者は何も考えないようにできているが故に何が問題なのかさえもよくわからない。
そういったことに慣れてしまうし、簡単に手に届きやすいからつい流されてしまう。
気が付いた頃には、処理しきれないゴミと汚染された水、食料もエネルギーも不足してしまうだろう。私たちはもっと地球の恩恵を受けながら生活していることを意識して共生していかないと、苦しむのは自分たちだ
こういった自然が近い暮らしをしていると、豊かな暮らしを続けていくヒントが生活の中に散りばめられている気がする。
それを「個」がただ実践しているのではなく、「街」という単位で豊かな暮らしを作ることで循環し広がりをもたらすのだなぁと思う。
田舎ではなくても、街に暮らしながらも自然と関わり共存していく生活は可能なんだなぁと希望が見えた気がしてワクワクしたヴォーバン訪問でした。こんな街に住みたい。。
この記事を書くにあたり、参考にさせていただいたブログ:
https://wellnesthome.jp/1288/
より詳しい方がわかりやすく伝えてくれています。ぜひ。