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指す将順位戦9th A級1組第10局 vs雲虚空さん
こんにちは。フェローチェです。
先日、10/16に雲虚空さんと指す順10回戦を戦いました。
ここでは、その対局について振り返っていきたいと思います。
前回の9回戦の自戦記は張り切って分量いっぱい書いたのですが、今回ちょっとそこまでのやる気が出なかったため、前回よりは少し簡潔に書いていこうと思います。
裏芸・袖飛車
第9期指す将順位戦A級1組10回戦(便宜上先後逆)
▲フェローチェ △雲虚空さん
△3四歩 ▲7六歩 △8四歩 ▲1六歩
△1四歩 ▲3六歩 △8五歩 ▲3八飛
△3二金 ▲7八金 △8六歩 ▲同 歩
△同 飛 ▲3五歩 △同 歩 ▲同 飛
△4一玉 ▲5八玉 (途中1図) △8八角成 ▲同 銀
△4四角 ▲7七角 △同 角成 ▲同 桂
△8九角 (第1図)
本局は後手番に。
自分は現状後手で指す戦法に困っており、いろいろ織り交ぜて指すことでいい序盤を模索しつつ、相手に的を絞らせないという作戦を取っています。
本局は袖飛車を採用。これも私の後手番の戦法レパートリーの一つです。
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途中1図までは普通の進行で、例えば△8二飛▲8七歩と進めば何もありませんが、本譜は隙有りと見て踏み込んでこられました。
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ただ、この仕掛けは以前調べたことがあり、悪くはならないはず。当分はそのときの記憶を辿りながら指すことになります。
下調べが活きる
第1図以下の指し手
▲8七銀 △7八角成 ▲8六銀 △8七馬 (途中2図)
▲8五飛 △8二歩 ▲6五桂 △4二銀
▲6六角 △3三歩 ▲7七銀 (第2図)
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途中2図まではこう進むところですが、ここからの手順が正直対局中は記憶が怪しかったです。
というのも、こう進んだときに、相手の玉が4一の時と4二の時があり、それぞれ対応が変わってくるのですが、その辺りをはっきり整理できていませんでした。反省。
とはいえ本譜は正しく対応できたようです。第2図、▲7七銀まで進んで、馬を封じ込めることに成功しました。
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馬を捕獲
第2図以下の指し手
△7八馬 ▲3四歩 △4四歩 ▲同 角
△5四金 ▲6六角 △6四歩 ▲5三桂不成
△同 金 ▲5九金 △7四歩 ▲6八金 (第3図)
ここからは、馬の捕獲を目的に進めていきます。
が、すぐに▲5九金とすると△7四金と打たれて厄介ですので、一度▲3四歩と打って攻めを見せ、金を使わせてから▲5九金~▲6八金としました。
ここまでは申し分ない指し回しだったのですが、ここから少しずつ怪しくなっていきます・・・。
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最初の躓き
第3図以下の指し手
△7三桂 ▲8四飛 △7九馬 ▲6九金
△同 馬 ▲同 玉 △6五金 (途中4図)
▲3三歩成 △同 桂 ▲2一飛 △3一歩
▲1一飛成 △6六金 ▲同 歩 △4五桂(第4図)
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△7三桂に▲8四飛と逃げたのが最初の躓き。ここは▲8六飛と逃げるべきでした。
理由は単純で、途中4図の局面で8六に飛がいれば▲8四角と逃げるスペースがあり、角が詰みません。このぐらいはしっかり読みたかったですね。
それでもまだ有利なのですが、第4図の△4五桂への対応が良くありませんでした。
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弱気が出る
第4図以下の指し手
▲6八金 △5五角 ▲1二竜 △6五桂打
▲5六香 △7七桂不成 ▲同 金 △6五桂
▲5五香 △7七桂成 ▲5八玉 △3七銀(第5図)
第4図では、▲3六香と打つべきでした。△5七桂成とされますが、金を取って▲5四歩で寄せに行けそうです。
こちらは駒を渡さなければ詰めろがかかりませんし、この瞬間は多少駒を渡しても詰まないので、一手勝ちの情勢でした。
そういう強い勝ち方もできるようになりたいものです。
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また、受けに回るなら、一度▲3三歩と叩いて、角のラインを消しておくほうが良かったです。
本譜▲6八金と受けたのが、わからないからとりあえず受ける、の悪い例で、自分の悪い癖です。すかさず△5五角~△6五桂打の猛攻を受けて、どちらの勝ちかむずかしい将棋になってしまいました。
▲5六香は開き直り。以下進んで、こちらの玉は危険極まりない形になりましたが。
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見落としがあるも際どく残す
第5図以下の指し手
▲同 桂 △同 桂成 ▲4八銀打 △4五桂
▲5三香成(途中6図) △6七金 ▲4九玉 △5七桂不成
▲同 銀 △同 金 ▲6三角 △5二歩(途中7図)
▲4二成香 △同 金 ▲5三桂 △5一玉
▲7三角(投了図)
まで、92手でフェローチェの勝ち
ひとまず銀を取って▲4八銀と受け、△4五桂とつないだ手に▲5三香成。
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これを△同銀なら▲6三角から4五の桂を抜いて安全勝ちですし、△6八金~△6七成桂は▲6三角で合駒がなくて詰み。
ようやく勝ったか・・・と思っていたら△6七金と打たれて唖然。
第5図の局面が△6八金~△5七桂不成の詰めろという所からずっと、金は6八からしか打てないと思い込んでおり、大焦り。
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ただ、最後の△5二歩合の局面が、▲4二成香から詰んでいるのでセーフ。なんとか助かりました。
局面によっては△6七金を見落として逆転する場合もあるでしょうし、この見落としが負けにつながらなかったのは幸運でした。
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総括
本局は袖飛車から、準備通りの手順で有利に持って行くことができ、作戦としては十分機能したと言えると思います。
ただ、その後、細かいミスが続き、最後も見落としがあったので、内容としては反省の一局です。
特に見落としは局面によっては負けに直結するものであり、あまり満足できる勝ち方ではありませんでしたが、もう指す順も終盤ですので、今はただ、後手番を凌げたこと、勝ち星を伸ばせたことを喜びたいと思います。
これで最終局、おわたんさんとの直接対決まで持って行くことができ、リーグの盛り上がり的にも良かったと思います。ラスト1局、悔いのないように戦いたいです。
それでは今回はこの辺りで。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。