指す将順位戦9th A級1組第1局 vsもくすんさん
こんにちは。フェローチェです。
先日、5/31にもくすんさんと指す順1回戦を戦いました。ここでは、この対局の振り返りを行いたいと思います。
対局内容
事前にもくすんさんの24の棋譜を軽く確認したところ、対抗系の居飛車側を持ち、居飛車穴熊をしている棋譜が多く見られました。
となれば、せっかくなので、私が居飛車穴熊に対してたまにやる、腕力自慢の駒組みを可能ならぶつけてみようと思いました。
私が先手になり、四間飛車に。もくすんさんは居飛車穴熊を目指していきます。そして以下の局面を迎えます。
先手が角道を止めていないこと以外は何の変哲も無い序盤です。
もちろん、ここから66歩~67銀と駒組みをすれば普通です。その場合、66銀型か56銀型の四間飛車に合流しますね。
ただ、当たり前ですが、居飛車穴熊に対して普通の銀冠で勝つのは非常に大変です。勝ちにくいことこの上ありません。それに、居飛車穴熊を指し慣れていると思われるもくすんさんにとっても、その展開は経験が豊富でしょうし、望むところでしょう。
ということで、ここでパワープレイ発動です。以下、
▲56金!△42金寄▲48飛 と進みます。
急にどうしちゃったの、という手ですが、無理やり飛車を転換し、次に45歩と仕掛ける手を見せています。
仕掛けると△77角成と角交換になりますが、これを同銀と取れるので、相手に飛車先を破られることがありません。そうなれば振り飛車ペースでしょう。
ということで、後手は55歩と突き捨てて、同金に32金と固めてきました。
これはこちらの仕掛けを警戒した手で、45歩と突くと24角と出る筋があります。
この時、55歩と突いて同金と取らせているので、57への角成りを狙えています。そして受け方が難しいです。例えば47飛と受けると、どこかで46歩と打たれて飛車先を簡単に止められてしまいます。
ということで、こちらは57の地点をカバーしたい所です。また、55歩同金となったことで、77角成と角交換になる心配があまりなくなりました。
以上のことから、78にいる銀を69銀~58銀と寄せるのが良さそうです。進めて次図。
こうなると、こちらは駒をうまく働かせることができていますし、主導権も握れているので、作戦成功と言っていいと思います。
以下、4筋で激しい応酬があり迎えた次図。
ここでは、▲43桂と打つのが明快でした。△34馬と金を外すと、▲31桂成が詰めろで、同金に馬を抜いて勝負あり。
ただ金が取れないようでは、金銀両取りなので厳しく、これなら勝勢と言ってもいいでしょう。
本譜は、▲81飛成としました。これは、次に43歩と打って、62飛とされても角にひもがついているので、44金と銀を外せるということです。
しかし、△41飛と引かれるのがいい手で、慌てることになります。
次に61飛~34馬とされてしまうとまずいです。
ここも色々な手があると思いますが、読み切れない中、本譜、44金~47歩と反省したのが実戦的にいい手だったと思います。
読めないときは間違いのない手を指すのが大事。
一時期と比べるとだいぶ差が詰まってしまいましたが、幸いなことにこれでもまだ有利なようです。
以降ももちろん簡単ではないですが、なんとか勝ち切ることができました。
総括
色々あった対局でしたが、序盤で変な手を指してペースを掴み、逆転はされずに逃げ切ったということで、うまく指せた将棋だったと思います。
初戦を勝てて気持ちも楽になったところもありますし、この調子で次戦以降も戦っていきたいです。
それでは今回はこの辺で。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。