ひさびさブラジル人学校
先日、ひさしぶりに、
あるブラジル人学校におじゃましました。
そこで感じたのは、
25年前と変わらないというよりも、
もしかしたら、溝がより深まっているような
守りが一段と強まっているような気がする。。。ということです。
ブラジル人学校は、
日本の学校が合わない(この表現もしっくりこない)、
いじめられた、
日本語力もあいまって学力伸ばすの難しい、
(時期未定としても)いつか帰国するつもり、など、
いろんなニーズがあって、90年代から集住地各地に作られ始めました。
個人的には、ここに行くといつも、
今の日本の学校をかえりみるのに
ダイレクトに効くと感じます。
あと、同じ街なのに、なんともいえない別世界感。
学生の頃に感じたものは今もそのまま、
というか、なんか、強まってるかも?
私が「こんにちは」とか
日本語でひとことで話しかけるだけでも
首をぶんぶんと振って後ろに遠ざかっていく子が一定数いて、でも
ポルトガル語で話しかけると、
明らかにほっとした表情で
初対面でもガンガン話し始める。
「言葉が分からなかったらムリ」がとても強い。
これは日本の子もそうで、
性格もあるし慣れも必要なんだけど、
触れる機会、学ぶ機会の少なさが見える。
日本、マジョリティを、
「怖い」と感じているように感じる。
存在するのに相手から見えてない感?
子どもたちの日本語力は本当に様々で、
まったく話さない子もいれば、
一部、 ペラペラな子がいる。
日本の学校に在籍した経験がある。
いろいろな理由はあるものの、、、。
なんだろうこの痛み。
校長先生によると
それでもやっぱり今日本にいるのだから
日本語の勉強はしてほしい、とのことで
小学1-4年生で週5時間
5-8年生で週4時間
中高は週3時間というコマ数。
みなさんどう感じますか?
私、かなり多いと感じました。
午前か午後のどちらかに通う時間割の中で
このコマ数!
JLPT受験も、受験料は安くないけど義務化していて、保護者にも理解を求めているとのこと。
学校の方針、願いは、けっこうダイレクトだ。
でも、ままなってない。
地域に一歩も出られず囲われた中にいて、
やっぱり子どもたちが怖がっているのを感じる。
「子どもたち、コンビニで買い物ひとつできないんです。
全部、親がやっちゃう。ここで暮らしているのに何もできない」という先生たち。
「日本人とは関わりたくない。
お母さんが子どもの頃いじめられて傷ついたって言ってた」という子ども。。
二項対立で考えてるわけではないのだけど
守ろう守ろうというのが強まり続けているのは
こうさせているのは日本の社会のほうではないかと、私は思ったのでした。
見えてるのに見えてないというか、
いるなとは言わないけどウェルカムもしない。
教室で起きていることは社会の縮図、と
よく言われます。
少し構造は違うかもしれませんが、
地域で起きていることと相似しています。
教室という狭い中で、場を作るのは、
想いは必要だけどそれだけでは足りなくて、
想いに基づいた技術が必要で、、
「マジョリティ」「マイノリティ」の言葉を
以下便宜的に使うと
いわゆるマジョリティ性の高い人は
多様さに触れることで
自己受容と他者受容の力を伸ばしていく
自己理解を深めていく
違ってもいいし同じでもいいと思えるようになる
そうすると自分も人もいやすくなる
そういうための、知識、態度、能力を身に付けていく
いわゆるマイノリティ性の高い人は
一対一ではなく、上記のような関わりの中でこそ、
本当にいていいと思えるし、自信をつけ、
安心して自分を開示し始めることができる。
そしてそれはマジョリティの人たちにとって
とても貴重だったり嬉しかったり楽しいものだったりする。
人どうしだと学び受け取るものがとても大きかったりする。
マジョリティのほうこそ、
似たような近しい枠にぽこんと入れられていたことに気付いたり、
息苦しさ、人との比較、居場所のなさ、(自殺率の高さも、)
そういう苦しかったことが解けるきっかけになることがある。
どちらが先というのでもないのですが
そういうのは両輪あってこそで
関わりの中でこそ互いに育つもので、、。
マイノリティがかわいそうで支援する、とかではない。
マジョリティに歩み寄れといってるのでもない。
ただ、豊かさがすぐそこにあるのに
難しがっているように思えてならない。
学校の中でできること、外でもできないかな。
「多文化共生」っていうとどうしてすぐ、
「外国人支援」「日本語教育」ってなるのかな。
それはそれで必要だとは思うんだけど
私の中で「共生」ってもっと違う、、。
ほんとはもっと、上にかいたようなイメージ。
心ある人たちによる支援、制度改善へのはたらきかけ、
そういうのと同時に、
そもそもどうしてそれをやる必要があるのか
何十年もスタックしてるのはなぜかと考えると
遠回りだけどこういうはたらきかけが
どうしても要ると思っている。
私はどのあたりでどう関わりたい?
同時に複数のところで取り組みたい?
それとも?
そんなことを考えていました。