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【新・着物の常識】秋浴衣っていいじゃない?

こんにちは。着付け教室【ふぇりちた】/着付け解剖学🄬研究所のかほです。
【新・着物の常識】では着付けや着物について、理にかなったあり様を発信しています。

9月になりましたが、毎日まだまだ暑いですね。
明日9/9は重陽の節句で完全に「秋!」のはずなのですが、名古屋の最高気温予報は軽ーく30度超え。最高気温が30℃以上の日を真夏日というのですから、気温的には「真夏」です。


この時期になるとよくいただくご質問。

「暑いんです。浴衣を着てはだめ?」

答えはただ一つ。

「いいですよ!!!!!」

まず、そもそも論。
「浴衣とはなんぞや?」

元はといえば湯上りに着るものでした。まあ、部屋着とパジャマを足して二で割ったような? 外に着ていくにしても、「夕涼み」や「夜のお祭り」でした。
ですから、わたしも昔は
「日が落ちる前に浴衣を着るなんてちょっと恥ずかしい」
「浴衣で電車ってちょっと勇気いる……」
なんて思っていました。

でも、服の常識って変化するのです。
昔は作業着だったジーパンが今ではおしゃれ着になっています。おしゃれなジャージも出ています。
そもそも、今の「着物」だって、もとをたどれば下着です。

そういえば、昔、お知り合いの方に
「ファッションの歴史って下着が表着になっていく歴史ですよね」
と言われ、たしかになーと思ったものでした。

は、さておき、浴衣です。

たしかに、昔の浴衣は部屋着&パジャマだったので、そのような色柄が多かったものでした。白地に紺の模様なんて、「日の下で着ないこと前提(日の下で着たら透ける!!!)」みたいなもの。

でもいまは、「昼間のおしゃれ着として着る」ことが前提のかわいい柄もたくさん出てきています。ここに大いに貢献してくれたのが、洋服アパレルメーカーさん。「夏のサンドレスの一種として」の浴衣をばんばん出してくれました。
そう、浴衣はすでに「昼に来ても大丈夫な服」になっているとわたしは認識しています。

そして、少し話は戻りますが、もともとが「部屋着または日が落ちてから夕涼みに着るもの」だった浴衣。服の格でいえば、低いです。「着物」の形をしているものの中では最低ランクではないでしょうか。
だから、季節的には

「いつ着てもいい!」

が基本です。部屋の中で半袖を着ようが長袖を着ようが自由なのと一緒です。

きもののルールにも「新・着物の常識」があるのですが、これはまたそのうちにご紹介するとして。

もちろん、「夏の風物詩」として夏に着るのが粋です。おしゃれです。ファッションです。

「夏を思いっきりエンジョイして、浴衣とともに燃え尽きたい!!」

そんな方もいるでしょう。
わたしだって、お澄まししたいような場所に出かけていくのであれば、9月にはもう浴衣を着ません。ちょっと?やせ我慢をして、秋っぽい着物を着ていきます。

が、「快適に日常を過ごす衣服」として考えるならば。

まだ、浴衣でもいいのでは????

そうはいっても、「でも、浴衣って夏物のだし」「季節感を大切にしたいし」と思われてしまうそんな方々のために、いっそ

秋に着る浴衣は【秋浴衣】

と銘打ってしまえばいいのではないでしょうか???
そもそも、季節感を打ち破ってきたのは、気温の方ですから!!!!!

ということで、【秋浴衣】ってどんな浴衣?かは次にご紹介しますね。



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