遠いマガモと藪の中のハンター 【令和6年度】【狩猟日記】
自棄になっている私は藪に体を突っ込んでいく。頬や銃を握る手の甲、肌が露出している部分に刺さる細かい棘も気にしない。100メートル先のマガモの群れを見据えながら、スリングを引っ張りエアライフルを構えた。
12月23日 寒い
霜の降りた畑を横目に車を走らせる。畑がしっかり白くなるほどに霜が降りた。寒気がきているらしい。近くの池に向かうと結氷している。小さな池なので昼の日差しで溶けるだろうが、それまではカモ類はつかないだろう。
さて今日はどこを回るか・・・。
私生活のほうでしょぼんとするような案件があって、しょぼんと回る。とりあえずカイツブリでも見てみるか。うん、いつものようにカイツブリがいる。カイツブリだけでは気分を持ち上げるのにはたりないようだ。
いくつか池を回ってマガモの群れを見つけた。雄雌合わせて6羽ぐらいいる。枝の下にたまっていた。
さてこの池は・・・と考える。マガモたちから一番近くアプローチできる場所はあるが、マガモとの距離が40メートルほどになってしまう。ちょっと近い。カルガモを飛ばしてしまったことを思いだし、趣向を変えて長距離行ってみようを切り替える。
100メートルは離れるが、藪が深くかなり警戒されないであろう藪の隙間から狙う。いつからここから狙うの無理だろうとあきらめていたけど、今日のしょぼん具合ならできそうだと、藪の中に突っ込んでいく。水面からも藪が出ているような状況、狙撃地点から藪をさけて100メートル先のマガモを狙うにはやはり厳しい。しかし、マガモたちはこちらがガサガサしているのに気づくものの距離はあるし、自分たちは水の上にいるしで移動しようとしない。木の枝の下にいるというのがまた安心ポイントなのだろう。
狙撃姿勢を安定させることに集中する。
スコープ倍率を上げる。立射なら狙えそう。ただかなり体がぶれる。距離があるので影響が大きい。できればどこか支えが欲しい。スリングを手に巻き付け頭の上にあった木の枝をつかむ。ぶら下がっている銃を撃つような形だ。反動を考えない構えができるのがエアライフだ。いいか悪いかはわからん。
狙って一発。マガモの手前に着弾。最近獲物の頭の上を通り過ぎることが多かったので遠くにいることはわかっているがこのくらいかなと合わせてみた。1メートル以上は手前に落ちた。マガモたち異変を感じて飛び立つ。群れのほとんどは飛んで行ったが、1羽だけ登り切れなかったのか降りてくる。50メートルほどの位置に着水したが、藪が深すぎてそちらは狙えなさそうだ。ただ、近くに着水したということは自分のことは意識されていないのだろう。移動すればガサガサするのでいってしまうかな。ここは見逃してやろうか。
ちょっと変わった狙撃方法で挑戦。気づかれていないというのはカモの挙動も違って面白い。でも当てるのは難しいな。
無理に藪に突っ込んだため細かい傷ができた手をいたわるためと理由をつけて今日は撤収する。
発砲1、命中0