狩猟においての苦い帰路 【令和6年度】【狩猟日記】

草むらに逃げこもうとするコガモをスコープ越しに見ている私は焦っていた。コガモの群れはいまだ池から飛び出さずにいるはずだが、そちらへ意識を向ける余裕はなかった。


2024年12月16日

池に向かうために銃を背負い斜面を登っていた。大きいカモ肉を2羽分食べていた為そこまで獲物に執着がない。ならばアクセスが悪い池は飛ばして楽な猟場を回ればいいのだけれど、なんとなく行けるところは行っておきたい気持ちにかられ斜面を登る。肉が欲しいというより、見たいのだ。

池につく。カモはいない・・・バシャバシャと水の音がする。カモがついていたかと思うと飛び出したのはキジバトだった。羽ばたくときに水面を翼でたたくほどのところにいたのか?水でも飲んでいたのかな?

他にはどうかなと池の奥の方を見てみるとマガモの雄が1羽スーッと出てきた。またアオクビか。移動をしているがすぐに飛び立つことはなさそうだ。回収ができる場所か?対岸は何とか降りられそうだ。行くまでが大変そうだけど頑張ってみよう。銃をセット。距離を測ろうかちょっと迷ったが、余分な動きがあると飛んでしまう可能性あるし、目測でやってみようかとそのまま構える。距離は70メートルくらいかな?このへんかな?と合わせて1発。頭上を通り越したのが見えた。

マガモ飛んでいく。さようなら。改めてレンジファインダーで答え合わせをしよう。対岸までは61メートルだそうだ。思っていたより近くだった。実際より遠くにいるように感じてしまうのは気持ちの問題のような気がする。当たらないんじゃないかと思うと、スコープ内の鳥がとても小さく感じてしまう。すごく遠くにいるように感じてしまうのだ。

逃がしてはしまったけど、獲物がとれた日が1日でもあるとちょっと気が楽。

いくつか池を回って最後の池になるかなと小さな池による。水面に張り出した枝の中にコガモのオスがいるのをみつける。狙ってみよう。できるだけそーっと近づき木にレスト。ここまではいい。さて、コガモオスが枝の中、見えにくいけどメスもいるようだ。狙えるだろうか?とちょうど3羽目のオスがスーッと草の中から出てきた。これなら狙える。

左へ移動するコガモ合わせ1発。首が振れたと思ったらくちばしの先が飛んだのが見えた。最悪の場所にあたってしまった。絶対仕留めると連続で撃ち込む。逆に気負ったのが悪かったのか2発、3発と合わせきれない。他にもコガモがいるはずだが飛ぶ音が聞こえない。本来ならいいチャンスなのだろうが、半矢を逃がすかと半分草に隠れているコガモを狙い続ける。1発。大きく外れているわけではなさそうだが、ぐりぐりと草の中に潜っていくのが見えた。

おそらく最初の一発以外もかすめてはいる。傷ついているからこそ飛ばない。しかし、草の中にもぐりこんだコガモを見つけるのはかなり大変だ。銃を下ろし立ち上がるとまだコガモが残っていたようでオスが1羽飛んで行った。飛んで行ってしまったことより半矢の方が気になる。

結果的には回収できなかった。かなりの時間池の周りをうろついたが見つからない。藪の中をかき分け池を覗いたが見つけられなかった。手負いのカモは池を離れることがあるのだろうか?そうすると捜索範囲を拡大しなくてはならない。しかし半矢のカモのとるイメージとしては池のふちのくぼみなどにじっと隠れてやり過ごそうとするイメージだ。でもここまで見つからないのだから、もっと移動するということもあるのだろうか。じっとしていることで見つけられないのか。

回収できなかったのが悔しい。レストで4発使って当てられないのも駄目駄目だ。

苦い思いで帰路に就く。

いいなと思ったら応援しよう!