#読書の秋2021 博士の愛した数式
迷いました。
私の中でトップ3をあげるならば、
江國香織 きらきらひかる
アガサクリスティー そして誰もいなくなった
小川洋子 博士の愛した数式
ですが、ここは書きやすくてそして読後にほっこりできる愛読書をご紹介させていただきます。
まず小説を読まない人でも読みやすい文章になっております。
まあ、noteを書くのが好きな人で読むのが嫌いな人など逆に難しいと思うのですが。
正直に申し上げますが、映画では、あの奥ゆかしさ、表現は伝わりません。
逆に言えば、私は有川浩先生の植物図鑑も入れたいと思ったのですが、これもまた映像では表現しきれていません。
きらきらひかるも、そうですね。イメージと違います。
アガサクリスティーと言えば、私はオリエント急行殺人事件だけは、映像美の美しさで是非見てもらいたいのですが、
ここでは本題の、博士の愛した数式 のお話をさせていただきたいと思います。
私がこの本に出会ったのは、確か角川文庫さんから出している、読書感想文にふさわしい名作、のようにかかれた無料の冊子の中からでした。
興味のある本に〇をつけて読んでいき、そこでこの本が紹介されていたのです。
主人公、語り手は、女出一人で家政婦の仕事をしながら10歳の小学生の息子を育てる女性です。
今この年になって、それがいかに大変なことであるか想像がつきますが、当時の高校生の私には、そこまで想像力もなく。
女性が家政婦として働いた雇い主は女性の主で、その方の依頼で、ある初老の男性の家政婦として雇われます。
その男性が、表題の博士であり、80分しか記憶が持たない、気難しい人のお世話なのでした。
ですが語り口の女性がとても心優しい方で、私はこの本を読むと、心が救われるといいますか、とても暖かい気持ちになるのです。
冬の寒い、外では大雪の降る日に、暖炉の前で暖かい飲み物を飲みながら温まっているような、そんな感覚とでもいうのでしょうか。
どこか切なさもありながら、こんなに美しい小説は他にないと思うのです。
事件という事件はありません。
ただ人が生活し、女性は家政婦の仕事をこなし、気難しい老人の相手をする毎日に、ある一筋の光が現れる、それが、教授がルートと呼ぶ、家政婦の息子なのです。
この何とも言えない、血のつながりのない愛が、読む人の心を優しくしてくれるのだと思うのです。
これ以上はネタバレにもなりますし、とにかく読みやすく、本が好きな人なら映画化にもなりましたので、読んだことはある、もしくは題名を聞いたことはある方もいらっしゃると思います。
是非、手にとって頂きたい物語です。
ちょうどこの頃冷え込んできて、こたつに入って読むのには、ちょうどいい内容だと思います。
私は嫁入り道具として、数ある本から持ってきたほどです。笑
1000冊以上本は売りましたが、この本は売れません。
何度でも読みたくなる本です。
けして読書感想文には程遠い内容ですが、少しでも興味のある方が増えて、読んだ方の気持ちが幸せになっていただければ、私も嬉しい限りでございます。
小川洋子先生の、 博士の愛した数式 は、ぜひ活字で読んでほしい一品です。
映画では表せない、活字ならではの、良さがあります。
そして心情も、話の始まりも、映画は違うので、そこも楽しんでほしいです。
それではここまで読んでいただきありがとうございました。
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