私、すぐ語る~愛しき君へ
こちらは、私フェネガンが頒布した「吸血鬼すぐ死ぬ」の非公式ファンブック二次創作「愛しき君へ」について思う存分に語っているWeb公開あとがきです。
まずは、こちらあとがきまでご覧いただき誠にありがとうございます。
こちらは、私が頒布した吸血鬼すぐ死ぬの同人誌、「愛しき君へ」について思う存分に私が語っている文章です。
語りたがりではあるけれど、正直本に載せられるほどの文量に纏められる気がしないのでWeb公開としました。
ただでさえ長いお話をすべて読んだ前提のあとがきとなりますが、少しでもお楽しみ頂けましたら幸いです。
万が一、何の話をしているんだ?という方がいらっしゃいましたら、よろしければ下記リンクをご参照ください。
「愛しき君へ」ロナルド+ドラルク中心
サンプル→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18318512
booth→https://fenegun.booth.pm/items/4136757
各章について、「このお話の流れが生まれるまで」「気合いを入れたところ」に分けて記載しております。
表紙について
CQ-DESIGHN様に作って頂きました。
あまりに素敵すぎて……!
切なさも組み込みつつ、それだけではないほっこりとしたお話を目指しました。まさしくそんなイメージにぴったりな最高の表紙を作ってくださって、大感激しています。何度も手に取ってははしゃぐのを繰り返しています。
当初から「愛しき君へ」というタイトルを決めていました。このタイトルを見て読み始めた方が、当初はドラルクからロナルドに向けた言葉かと思わせてから、最後でロナルドからドラルクに向けた言葉でしたという風になったらいいなと思っています。
1.紺碧の瞳
お話が生まれるまで
シリアス要素がありつつ、吸死らしいギャグ展開なお話が見たいと思い立って書いたお話です。
ロナルドくんは吸血鬼退治という点であればとてつもない能力を発揮するけれど、彼がそうでない瞬間にさりげなく支えるドラルクが見たい~!という私の願望です。
気合いを入れたところ
ロナルドくんは健気に見えるように頑張りました。
兄の危篤の際に呆然としつつも、目の前にしたら素直に気持ちを語るロナルドくんがお気に入りです。
ラスト近くで『「いただきます!」とやけくそのように力強く叫ぶ声が聞こえる』は追記したところですが、ロナルドくんは絶対にこうするだろうなと確信してますし、こういうところもドラルクは楽しいと思ってからかっているんだろうなと思いを馳せています。
2.帰る場所
お話が生まれるまで
「ロナルドがレッドバレットの幻覚を見たとしたら」という二番煎じならぬ課題曲についてです。書き始めてから、超素敵なお話がすでにたくさんあることを知りました。まあ課題曲だからいいか!と突き抜けました。
このお話を書きながら、「吸血鬼退治においてプロフェッショナルのロナルドくんは、夢吸いが見せている幻と気がついた時点で一人で対処できるでしょ‼」という解釈違いの私と戦っていました。
ただ、最終的には「自分の心を押し殺し断ち切ることもできたし、恐らく以前のロナルドくんならばそうした。けれど、そうしなくてもいい『弱いまんまでいられる町』で、甘えられる相手が出来た」という結論を出しました。
イメージソング
「トリノコシティ」初音ミク(40mPさん)
「痛んだ果実を捨てるだけなら二人もいらない
一人でできるから」
と一人で退治人をやっていたロナルドくんが
「傷んだ果実を捨てることすら、一人じゃできない。
傍にいて欲しくて」
となっていきます。
それを「弱くなった」とロナルドくんは言いますが、即座にドラルクが「別にいいだろ」と逐一と言っていく。そう繰り返し言うことで、ロナルドくんは肩肘を張らずに生きていけるようになるんだなあと思います。
「地図が無くても戻るから」古川慎さん
最後の推敲段階時点で、初めて聴きイメソンとしていいな~と噛み締めました。
少し語ることだけができない性分なので、ぜひ圧倒的歌唱力で心を大きく揺さぶる古川慎さんの楽曲を聴いてください。
気合いを入れたところ
ドラルクが見えないはずのロナルドに「いいかげんにしろ」という場面、それまでは大きな声で叫んでいたドラルクをすっと静かにさせようと思って頑張りました。
プロット時点では、ドラルクは全く違う方向を指さし、「そこじゃねえよ」とロナルドが吹き出すことで姿を現すことにしていました。でも、すっと静かになったドラルクが自然とロナルドの場所を言い当ててしまいました。
書いてから、ドラルクほどの畏怖な吸血鬼ならばできる‼と思ってそのまま押し切りました。
3.あの頃の話
お話が生まれるまで
意味深な描写が多いカズサさんについて考える内に、そういう男が振り回されるところが見たい!という思いで書きました。
そもそもは、ヒヨシさんが吸対に入るきっかけにはカズサさんが大きく関わっていた筈!という思いから書き始めたのに、いつの間にか美人局事件がカズサさんが手引きしていたことになっていました。プロット段階でもそうはなってなかったのに、書いている途中でいつの間にかなっていて、さすがにこれは腹黒過ぎ……と思いつつ妙に納得してしまったのでそのまま突き通しています。
このあとがきを書いている最中に22巻アカジャで、カズサさんがヒヨシさんを吸対にスカウトしたことが確定し七転八倒しました。
振り回されているようでいて、実はすべてお見通しなヒヨシさんという最高にかっこいい兄貴が書けたので大満足です。
気合いを入れたところ
序盤の、レッド・バレットの見た目はかっこよく!かっこよく、そしてかっこよく‼という頭の悪そうなキャッチフレーズを胸に頑張りました。
月光に照らされるレッド・バレットは絶対にかっこいい。そして恐い物なんてないと言わんばかりにヒヨシさんは自信たっぷりに笑うだろうなあ~~~!と思っちゃいます。
息をするように弟妹をべた褒めするヒヨシさんというのも意識しました。
弟のブラコンっぷりが本編では際立ちますが、弟(成人済み)が珍走団に入るのを心底心配するのもたいがいブラコンですからね。
4.二組の二人
このお話ができるまで
Δのドラルクさんは苦労性だろうな~!と、エイプリルフールアカジャ以前からぼんやりと考えていました。本編のロナルドくんとΔのドラルクは妙に気が合いそうでニコニコします。
書き始めの頃はΔのロナルドの解像度が低かったのに、エイプリルフールアカジャや至らぬラジオ作画配信のΔロナルドで気が狂いつつ、今ではΔの二人のことばかり考えてしまいます。
ここまで本編のドラルクはあまり砂になってないことがずっと気にかかっていたので、この回でノルマのようにたくさん砂になってもらいました。
気合いを入れたところ
ギャグっぽくなるように頑張りました。ほとんどギャグを書いたことがないのですが、原作が「ハイテンション即死ギャグ」な以上は、いくら私の性癖がシリアスとはいえ絶対に一本はギャグっぽいお話を入れたいと思いました。
合間でさらっと砂になるドラルクを隙あらば入れようと頑張りました。
5.兄弟の話
このお話ができるまで
兄弟が出かけた際には絶対に兄と弟が勘違いされると思っただけで書き始めたのに、いつの間にかモブが兄弟のファンになっていました。恐ろしい魔性の兄弟です。
ロナルドくんがドラルクと共に過ごして変わっていっている内面について、一番に気がつくのはヒヨシさんであって欲しいなと思っています。
気合いを入れたところ
序盤のモブが兄弟の良さを語る場面は、なるべく表現を多彩にしようと頑張りました。
6.君が遺したもの
このお話ができるまで
このお話が書きたかったから、本を作りました。
このお話に至るまでのロナルドとドラルクについて悶々と考えを巡らしたのがこれまでのお話です。
30年後のロナルドくんが「愛してるぜ!」と言えるようになるのは、ドラルクと出会って過ごしたことで変わったからだと思っています。きっと一人でロナルド様をやっているだけではならなかったと思っています。
ロナルドが人間のまま生を終えるのか、吸血鬼に転化するのか。本編内でもどちらとも捉えられる仄めかしがあり、読者にもそれぞれの主義主張があると思っています。
私はロナルドくんは人間のまま生を終えると思っています。では、ロナルドくんの死後、ドラルクは悲しんで過ごすのか。30年後には「愛してるぜ!」と言えるほどの男になるロナルドくんが、果たして「死」程度でドラルクを笑顔にできなくなるのか。そもそも、そのことに少しも思いを至らせない男だろうか。
答えは、否。ロナルドくんほどの男ならば、たとえ自らの生を終えたとしてもドラルクをずっと楽しませ続けてしまう。
それは逆にドラルクも同じ。享楽主義のドラルクが、かけがえのない相棒を亡くしてもずっと悲しんだままだろうか。絶対に違う。
二人の過ごした確かな楽しいハチャメチャな時間は、たとえその時間が終わったとしても価値が変わるわけがない。ずっと未来へと続いていく。
そんな執念に近い思いで書きました。
気合いを入れたところ
このお話は、細部まで気合いを入れました‼こっそりとメビヤツも入れられて大満足です。
ドラルクと出会って変わったロナルドくん。そしてそんなロナルドくんと共に過ごした時間があるからこそ、ドラルクはロナルドくんの死後もハチャメチャ新横生活を送る。そんな二人の姿が描きたくて、本にしたい!!という執念に近い思いからこの一冊が生まれました。
ロナルドくんの変化を描くならば、ロナルドくんをよく知るヒヨシさんは必須だし、ヒヨシさんを描くならばカズサさんも出るよね!という私の好みを盛り込んだお話です。いつの間にかさらっと拳コユ要素もねじ込んでいました。
私としては一冊で一つのテーマを描いた作品のつもりですが、読み返してみるとテンションや登場キャラクターもまとまりのない一冊になったなと少し反省もしています。
長々と語り尽くしました。
ここまで目を通してくださり、本当にありがとうございます。
よろしければ何かしらを頂けますと、とても嬉しいです。
最後に
やった~~~~~!本に出来た!!