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Fender LEAD2のSteve Lukather "All-Red ST" モデル化 #コスプレ
今回のモチーフは1980年代初頭にSteve Lukatherが使用していたAll-RedのStratocasterタイプのギター(以下All-Red ST)です。ボディーのみならずネックまで赤く塗られた木部に、金色のハードウェアという外観が最大の特徴となります。
Steve Lukather
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Valley Arts社Stratocaster Type
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RS1010SL
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Valley Arts社Stratocaster Type 3種
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Steve Lukatherはバンド「TOTO」やスタジオミュージシャンとして活躍する著名ギタリストです。1993年頃よりMusicman社製のギターを主に使用していますが、かつてはIbanez社(1982~1985年頃)やValley Arts社(1982~1992年頃)のギターも使用していました。今回のモチーフであるAll-Red STは、1980年の来日ライブで使用されていた他、「Live For Today(Turn Back)」や「africa(TOTOⅣ)」のPVにも登場します。
Schecter? PGM(Moon)?
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All-Red STですが、本人のインタビュー等ではSchecter社製であると言われています。
TOTOの初来日から40周年記念ということで2020年に制作された、ST-C Trans Red / Maple Gold Hard Wear Limited 2020を紹介する宮地楽器の記事によれば「当時日本製のShecterも製造していたPGM(Moon)のギターだった」とのことで、以下の動画では詳細が語られています。
35周年モデル発売時の動画の中で乳井氏は「ボディー材はセン」「ネックには赤い塗料を吹く前に黄色を吹いて深みを出した」等の、製作者でなければ知り得ない事実を語っています。
Fernandes Copy
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1983~1986年頃にFernandes社からは、All-Red STのコピーモデルであるST-90SLが販売されていました。ボディー材がアルダーであったり、ピックアップがFernandes社オリジナルのL-5002T(或いはTS-1:F-500T同様タップ可能)であったりと違いはありますが、外観的な再現度は高かったようです。
仕様
Neck
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本コスプレ最大の特徴となる赤いネックですが、当然ながらLEAD Seriesには赤いものがありませんので、自作せざるを得ません。無塗装のメイプル1ピースネックを入手し、ワインレッドの水性ステインで着色後にXotic Oil Gelで仕上げていきます。水性ステインは薄めずに3度ほど重ね塗りましたが、もう少し重ねてもよかったかもしれません。あるいはモチーフ同様に、まず黄色のステインで着色してから赤を塗ったほうがよかったのかもしれません。
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乾燥後、Xotic Oil Gelも3度ほど重ね塗りしつつ、その都度研磨フィルムで仕上げました。ちなみに指板Rは400Rとモチーフ同様です。
Body
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ボディーはOriginal LEAD2のものを使用しています。
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3ピースのアッシュ材と思われるボディーの色は一般的にTrans RedあるいはSee-through Redと言われるようですが、LEAD Seriesに於いてはWineと表記されています。
Hardware
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ヘッド形状は通常のStratocasterタイプでペグは金色のクルーソンタイプ、ストリングガイドは金色のラウンド型で、ナットはブラス製です。
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ネックジョイントプレートはFの刻印入です。ストリングブッシュやストラップピンも含め全て金色で、ストラップピンは本物同様ロックピンタイプを搭載しています。
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ブリッジはFender American Standard Hardtail Bridgeで、ノブはドーム型、ピックガードはモチーフに搭載されているブラス製とは異なりアノダイズドピックガードです。これらはすべて金色ですが、スイッチのみモチーフ同様クロームのままとしています。
ピックアップ・電装系
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電装系には別記事で紹介しているRitchie Blackmoreコスプレに採用しなかった方をアッセンブリーごと移植しています。ピックアップはSeymour Duncan社のSSL-4で、モチーフに搭載されているSchecter社F-500Tに外観を似せるため、側面に銅箔テープを巻いています。トーン回路にはスイッチでハイカットとローカットを切り替えられるスプリットトーンコントロールを採用しています。
まとめ
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今回のコスプレですが、外観の再現度はまずまず高められたと思っています。反省点としては、ネックの赤色の深みの再現が不十分な点、ピックアップにSchecter社F-500Tを搭載できなかった点などが挙げられますが、些細ですね。
音ですが、SSL-4の個性をローカットトーンで薄めることにより、扱いにくさは感じません。ただ、前述の40周年モデルと同様Tom Anderson社のピックアップを採用した方が、高品位な感じにはなりそうです。
【了】