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妊娠中の運動=メディカルチェックについて=
最近では、妊娠中の運動によるメリットが徐々に知れ渡っていますよね。
しかし、妊娠を発表した芸能人やタレントさんに対し
「こんな働いて大丈夫なのか」
「働かせすぎでは」
「母親としての自覚が…」
といった声もまだ多く聞かれます。
諸外国に比べ、日本では妊娠中の運動に対する認識がまだまだ遅れているのが現状なんですよね。
マタニティヨガやマタニティビクスなど。
産院で取り入れている施設も増えておりましたがコロナ禍と共にクラスが閉じてしまったり参加を躊躇する妊婦さんも増えています。
今日は改めて、「妊婦さんにとって運動がめっちゃ大事」ということをお話しします。
しかし妊婦さんの運動はリスクゼロではありません。運動へのリスク管理として「メディカルチェック」についてもまとめていきたいと思います。
妊娠中の運動がもたらすメリット
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妊娠中の運動は
・妊娠中の運動は早産を増やさず帝王切開を減らす
・腰痛の改善
・便秘を予防
・妊娠糖尿病・妊娠高血圧症候群・帝王切開のリスク軽減
・過度な体重増加を防ぐ
・心肺機能の向上
といった効果が報告されています。
米国産科婦人科学会(ACOG)は、低リスクの妊娠中の女性に対し、ほぼ毎日、1 日に30分程度の適度なエクササイズを行なうことを推奨しています。
日本産婦人科学会のガイドラインでも、禁忌のない妊婦において適度な運動強度で行われる有酸素運動には早産や低出生体重児などの母児罹病を増加させることなく、健康維持・増進に寄与する可能性があるとしています。
その一方、具体的な運動の種類や強度については一定の見解がなく、効果についてもいまのところ十分なエビデンスはないとの意見もあります。
妊娠中の運動の内容、負荷については
\ こちらの記事でご紹介しています。 /
妊娠中のスポーツの問題点
![](https://assets.st-note.com/img/1669783852856-sda0j7S8zD.png?width=1200)
①子宮・胎盤への血流量低下
運動中は皮膚や骨格筋への血流が増加し、腎臓や子宮などの臓器への血流は低下しますよね。子宮・胎盤への血流量が20〜60%減少するとの報告もあります。
子宮への血流量が低下することで胎児低酸素症が発症するリスクがあります。しかし、運動強度を60〜70%に制限することで子宮や胎盤への血流は維持されます。
運動強度の設定は大事ですよね。
日本臨床スポーツ医学会は、子宮胎盤への血流量を考慮した上で、許容できる運動強度を母体心拍数で 140〜 150bpm以下、自覚的運動強度で「ややきつい」としています。
②子宮の収縮
これが一番懸念されるところではありますが…
運動直後には子宮収縮が増加しますが、正常妊娠であれば短時間のうちに収縮が収まるとの報告があります。また、運動強度が「やや楽」であれば運動前後で子宮収縮頻度に変化がなく、早産率は増加しないとの報告もあります。
ここは妊娠前からの体力や運動習慣も大きく関わりますので、自覚的運動強度を見ながら「心身に負担のない、安心・リラックスできる内容」を選択することが大事だなと思います。
メディカルチェックの方法
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![](https://assets.st-note.com/img/1669783873707-Pvi1wgeipj.png?width=1200)
問診
ここで大事なのが、産婦人科分野の知識。
運動する日の状態に限らず身体症状を聴取することがリスク管理につながります。切迫流早産、妊娠高血圧症についてはマストです。
血圧
運動により収縮時・拡張期血圧が上昇します。
そのため、運動開始前には必ず血圧測定を。
心拍数
妊娠中は心拍数が増加する疾患があるので注意が必要です。
例えば、甲状腺疾患や慢性貧血。
この辺りが正常値であるかの問診もマストです。
運動でも心拍数は増加します。
心拍数の測定前に5〜10分程度の安静時間を設け、測定することが推奨されています。
子宮収縮の有無
子宮収縮は早産の原因となるため、妊婦さんの運動のリスク管理面でとっても大事なところです。
妊娠14週〜28週ごろにかけて子宮収縮が自覚できるようになります。
子宮収縮は生理的にも起こりますが、妊娠末期の10〜20分間隔で起こる規則的な収縮は運動を中止するべきとされています。(陣痛だからかもです)
胎児心拍数
これは個人サロンなどでは測定できないのですが…
通常:110〜160bpm
運動開始とともに10〜30bpm増加し、運動終了30分ほど持続する。
とされているので、
運動後はクールダウンを挟み、測定するといいよと言われています。
胎動の確認
一番簡便で、妊婦さんが1人で運動するときにも指標としてベストです。
正常:運動終了後の30分間で少なくとも1〜2回の胎動が起こる。
なので、運動後はゆっくりとクールダウンをして胎動を感じるか確認しながら過ごす時間を設けられると良いですね。
今日もここまでお読みいただきありがとうございました。
妊婦さんの運動、良いところがたくさんあります。
日本ではまだまだ一定した見解がない部分もありますが、妊婦さんが自分のためにも体を動かす機会を作れたらな〜と思います。
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ライター:徳嶋美希
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理学療法士。整形外科クリニックで産前産後のママのリハビリをしています!体は硬いし運動は苦手な私だからこそ「本当に必要な運動を必要なだけ」お届けしていきます。「すべての女性が産後のからだケアを受けられる世の中に」をスローガンに掲げ正しい情報でママの体を守るために活動しています。YouTube10万回再生超。妊娠出産で変化した体を守り正しく整える方法をお伝えします!