会陰縫合後の「円座クッション」は敵か味方か?
こんにちは!
今日もnoteをご覧くださりありがとうございます。
今日は円座クッションについてのお話をしていきまっす!
その前にわたしが思う「産褥期」について少しだけお話しさせてください。
その前提として、「産後の痛みの多くは防げる」ということがあります。
「出産は全治3ヶ月の怪我」だとか「産後の痛みはある程度はしょうがない」と言う言葉をSNSでよく見かけます。どれもがママに寄り添う優しい言葉、のように思いますが、わたしは全てのママに「産後の痛みはしょうがなくない」と強い言葉でエールを送りたいんです。
実際に、妊娠出産の時に多い痛みとして
●恥骨痛
●腰の痛み
●手首の痛み
●会陰切開、裂傷の痛み
●帝王切開後の痛み
●添い乳、授乳後の首の痛み
●肩こり
●膝の痛み
●後陣痛
●痔の痛み
●乳腺炎の痛み
●乳首の痛み
わたしが実際にわたしが感じたものや、友人や患者さんからお聞きしたものです。
いやもう全身やん!
ってツッコミたくなるほど全身を網羅する痛み…
ママって出産の時だけじゃなくて、妊娠中も出産後もこんなに痛みと闘ってるんですね…。いやほんとパパは出産を変われないのだからせめてママの体をいたわってあげてください!!!!!!!!!!!と言いたくなる。
そして、こんなにバリエーション豊富な痛みと戦うママですから、そりゃあ「産後の痛みはしょうがない」って思っちゃうというか、そう思うしかないですよね。ズタボロの体で夜も昼も無い睡眠不足生活がやってくるなんて、そりゃあ気持ちが落ち込む時だってあるし、自分の体のことなんて二の次、三の次になっちゃいますよね。
けど、自分の産後の体を守るために「特別に時間を作って何かやらなきゃいけない」ってことでもないんです。
もちろん、産褥体操(出産後すぐから出来る体操。病院で配布される人も多いと思う)も大切だし、やった方がいいです。内容としてもすごく簡単で優しい運動です。(産後すぐからハードな運動はダメだよ!いややらないか)
けど、産褥体操をたくさんやるよりも、「日常生活での体の使い方」を気をつけることがもっと大切なことだと思うのです。
さてここからが本題「円座クッション」にまつわる本当にあったお話
これは、わたしの体に本当にあった怖い話なんですがね、
わたし自身、安産だったこともあって、出産後は結構元気で動き回れたんですよ。生まれて初めての入院っていうこともあって「入院中の過ごし方」が本当にわからなかった。産後ハイなのもあって、一人で広い部屋を持て余してはうろうろ片付けしてみたり、ベッドやソファに腰掛けては雑誌読んだり携帯で友達に出産報告したり。
退院してからは、娘はよく泣く子だったので夜中も家の中を抱っこして歩き回ったり、かと言って昼間も寝ることなく家事したり椅子に座って過ごしたり。(里帰りしませんでした)
そんな生活を送ること2週間。
その日は突然やってきました。
その場所はトイレでした…なんと…なんと…
痔を発症したのです。
いや、痔かーい!って感じですが、正直、会陰の縫合部も痛いし、それに加えて肛門までやられるか、と。
それからというもの、しばらくはトイレが苦痛でしかなかったです。
この痔の発症を機に、
積極的に「横になって休む」のを意識し、すぐに治りました。
この怖い話のネタバレ「原因はどこにある?」
今振り返ると、全然横にならず座って過ごす時間が長かったのが原因なんじゃないかな、と思うのです。
わたし自身、会陰縫合した部分の痛み対策で、座る時には円座クッションを使っていました。円座クッションって椅子やソファの座面に敷くので、その分足から座面の高さが高くなるわけですよ。
だから、なんにも環境を設定しないと足が浮いちゃったりするので、かえってダイレクトにお尻(お股)に圧がかかるのです。会陰に圧がかからないように穴が空いてるクッションなのに、足が浮いてる+産後のグラグラの体ではうまく圧を分散できるように体を動かして微調整することが難しく、結局はお股に圧が集中してしまう。
それも短時間の使用なら全く問題ないんでしょうが、わたしは日中の多くの時間を円座クッションと共に過ごしてきた…
いやもうそりゃ痔になるわ!!って自分自身にツッコミたい。
この痔は、横になる時間を確保することで「防げた」痛みだったのです。
●妊娠出産がきっかけの痔について
女性の場合は、妊娠や出産がきっかけで痔になることも多いです。
妊娠すると子宮が大きくなって腸の動きが妨げられることにより、便秘になりやすくなります。そのため妊娠中には便秘でいきんだ時に切れ痔などになってしまう妊婦さんも多いのです。
また、黄体ホルモンの影響などがあり、骨盤内がうっ血しやすい状態にあるため肛門周囲の血流が悪くなりやすいことも関係します。お産の時にいきんで痔を悪化させてしまうこともあります。
カンポフルライフホームページよりhttps://www.kracie.co.jp/kampo/kampofullife/body/?p=3136
黄体ホルモン(女性ホルモンの一種)の影響もありますね。
これは、あくまでわたしの考えなんですが、
円座クッションの穴の部分があることで会陰部に直接体重を乗せることを回避できているので、創部を刺激されて「痛い!」と感じることは少なくなると思うんです。
けど、長時間の使用や足を浮かせてお尻だけで体重を支えていると、産後のグラグラな体じゃかえってお股にかかる圧が逃がせず、血流も滞りやすくなっちゃうんじゃないか、と…
円座クッションを使用する時は
●長時間にならない
●足が浮かないように環境を整える
●ちょこちょこ姿勢を変える
を意識してみることで快適に使用できるのではないかなと考えています。