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妊娠中の運動、何をどれくらい どの頻度で?
皆さんは「妊婦さんにとって運動がめっちゃ大事」ということをご存知ですか?
最近は「マタニティヨガ」とか「マタニティビクス」などマタニティ向けのエクササイズ教室がたくさんあり、
「妊娠中も運動していいんだ」と認識されている妊婦さんも多いです。
実際に、妊娠中の運動は
・妊娠中の運動は早産を増やさず帝王切開を減らす
・腰痛の改善
・便秘を予防
・妊娠糖尿病・妊娠高血圧症候群・帝王切開のリスク軽減
・過度な体重増加を防ぐ
・心肺機能の向上
といった効果が報告されています。
しかし、妊婦検診では「運動してもいいですよ」「適度に運動していきましょう」といった話はあっても
【どれくらいの負荷で】
【どんな内容の運動を】
【どれくらいの頻度で】
運動は行っていけばいいかといった具体的な話まではされないパターンが多いのです。
今日はその辺りについて深掘りしながら
妊婦さんの運動処方について書いていきます!
運動の禁忌
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/72322088/picture_pc_4bc06a8f090aa36c81692c5e4da07a2a.png?width=1200)
前提として以下の項目に当てはまる場合は運動が禁忌です。
![スクリーンショット 2022-02-16 5.56.12](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/72320365/picture_pc_b8dd035e2f2daeb42eac550df0d3180b.png?width=1200)
(NSCA JAPAN Volume 28, Number 2, pages 25-35より引用)
絶対的禁忌に当てはまる場合、
妊婦さん自身も今の母体の状態について把握している方が多いですし、管理入院になっている場合もあります。
気をつけたいのは、相対的禁忌の方。
もちろん産婦人科医から今の母体の状態について説明はされていますが、
「ちょっと貧血気味」くらいの認識だったり「太りたくないから」と過度に食事制限をしている可能性が0ではないことを把握しておくべきです。
相対的禁忌の方の運動は、継続的に医師によるモニタリングが必要とされているので運動を始める前に医師への確認を必ず行うようにしましょう。
![note ノート 記事見出し画像 アイキャッチ-5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/72320344/picture_pc_21da19ab3ecafc06c968b78ae1739bce.png?width=1200)
これらの合併症のある方も合併症の悪化リスクがあるため、必ず運動前に医師への確認が必要です。
どんな運動をどれくらい、どんな頻度で?
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/72322093/picture_pc_20b318fac8a4de90fbd43f43c67473d6.png?width=1200)
冒頭で、妊婦さんの運動が大切ですよ、マタニティ向けエクササイズも多くなっています。とお話ししてきましたが、
実際のところ日本ではまだ妊婦向けの運動療法についてまだふわっとしたところがあります。
諸外国と比べるとまだこれから明確になってくるという部分が多いので、ここからはアメリカとカナダの基準も含めてお話ししていきます。
■運動内容と負荷
日本
・心拍数で 150回/分以下、自覚的運動強度としては"ややきつい"以下が望ましい
「妊婦スポーツの安全管理基準(2005年)」
カナダ
・様々な有酸素性トレーニングとレジスタンストレーニングを取り入れるべきである。
・ヨガや軽いストレッチングを加えることも有益である。
・尿失禁の危険性を減らすために、骨盤底筋トレーニングを毎日行なうとよい。
「カナダのガイドライン(2019年)」
アメリカ
・有酸素性エクササイズとストレングスエクササイズは、妊娠前・妊娠中・妊娠後も奨励される。
「アメリカのガイドライン(2015年)」
>>>>>まとめると
有酸素系の運動を、心拍数で 150回/分以下、自覚的運動強度としては"ややきつい"以下の負荷量で行っていくといい。
ストレッチやヨガ、骨盤底筋トレーニングなんかを組み合わせることも有益。
運動は、妊娠前から出産後まで継続した方が良い。
■運動の頻度
・ 毎週少なくとも合計で 150 分の中強度の身体活動を行なうべきである。
・少なくとも週3日は身体活動を行なう。
・しかし毎日活動的であることが奨励される。
「カナダのガイドライン(2019年)」
>>>>>まとめると
週に3回は50分ほどの運動を行うようにする。
他の日もなるべく体を動かすようにする。
こうやって見ると、妊婦さんといえども結構な運動量が勧められているんだなぁって思いますよね。
もちろん妊娠前にほとんど運動習慣のない方は、妊娠後にいきなりこれだけの量の運動をしていくと負荷が強すぎるので個人に合わせた運動量の調整が不可欠です。
ダメな運動ってどんなもの?
ここまでは、どんな運動をどれくらいの負荷で行っていけばいいかをお話ししました。
有酸素運動とかストレッチ・ヨガが良さそう!ということは分かりましたが、ダメな運動ってあるのでしょうか?
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/72322117/picture_pc_976bf7f391df203f52f76917e4273b59.png?width=1200)
・強いストレッチング、限界までのストレッチング
・ 跳びはねる運動や急な動作の変更
・ 高温多湿環境でのエクササイズ →室内のより涼しい環境で
・高強度または高地(1,500 m以上)でのトレーニング
・仰臥位でのエクササイズ →45°姿勢、側臥位、立位で
・サイクリングなど落下の危険のあるもの
高強度の高地トレーニングはアスリート以外の方はあまりやらないかもしれませんが、
ヨガやストレッチをするときには強い負荷で行わないように気をつけましょう。
妊娠中はホルモンの影響で靭帯が弛緩しやすく怪我のリスクや転倒リスクが妊娠前と比べて高くなっています。
また、お腹の重さで骨盤底にも負担がかかっていることを念頭に、腹圧動作の前には骨盤底筋の収縮を促すなどの配慮も必要になってきます
Youtubeなどでヨガやストレッチを手軽に始められる時代ですが、妊婦さんの運動には注意する点も多いのでオンラインレッスン等で顔が見える状態であれば、体調変化がないかなどの確認を入れつつその方に適切な運動負荷に調整していけるのが理想的ですね。
コチラのnoteではわたしが妊婦さんのリハビリを担当する際に行っている問診をご紹介しているので是非お読みくださいね✦ฺ
Youtubeで妊婦さん向けのストレッチをまとめています。
今日はここまでです!
最後までお読みいただきありがとうございました✦ฺ
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ライター:徳嶋美希
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/72321558/picture_pc_7ce32b9c8863b3d59224d5b43180c2ff.jpg?width=1200)
理学療法士。整形外科クリニックで産前産後のママのリハビリをしています!体は硬いし運動は苦手な私だからこそ「本当に必要な運動を必要なだけ」お届けしていきます。「すべての女性が産後のからだケアを受けられる世の中に」をスローガンに掲げ正しい情報でママの体を守るために活動しています。YouTube10万回再生超。妊娠出産で変化した体を守り正しく整える方法をお伝えします!
わたしについてさらに詳しく知りたい方は
こちらにまとめています。