セイバーメトリクスに学ぶ、麻雀戦略の変化。
こんにちは。
先日、DELTA INC. 様の オンライン野球分析講座「ベースボール・アナリティクス・ナウ」 初級編講座 を受講しました。
麻雀ではなく、野球のデータ分析に関する講座です。
興味ある方はぜひ。
今日は、こちらの講義で得た知識を麻雀に活かせないか考えてみたいと思います。
1.データ分析による「戦術の変化」
野球などのスポーツ界にも、データ分析の手法が取り入れられており、近年昔まで当たり前だと思われていた指標が見直され始めています。
たとえば、バントの価値です。
これまで、日本の野球では、ノーアウト1塁になると送りバントを行うことが多くありました。
しかし、近年、大量のデータ分析が出来るようになり、アウトを1つ献上して、ランナーの塁を進める行為は損だとされるようになりました。
こちらは、野球の様々なプレーに対して、何点の価値があるかを表したものです。
野球の攻撃においては、この得点価値が高いプレーをすることで勝利に近づきます。
このデータが広まることで、バント(犠打) は今ほど積極的に行われなくなることが想定されます。
麻雀においても、データ分析が進むにつれて、戦術が変わることがあります。
一昔前までは、「平和のみはダマ」という戦術が一般的に広まっていました。
しかしながら、最近の分析の結果、以下のことがわかりました。
8巡目・子 で、平和のみ
ダマ:局収支は、200点。
立直:局収支は、1,100点。
平和のみは、立直のほうが局収支が高いことがわかりました。
現在は強者の中では、立直することも増えてきたと思います。
「バント(犠打)」、「平和のみ立直」の両方にいえることですが、どちらも細かいシチュエーションでの使い分けはまだ確立されていません。
打率.000 のバッターだとバントすべきである。
打率.050 のバッターでは? 9回裏1点ビハインドでは?
オーラス あがりトップのシチュエーションだとダマにすべきである。
ラス前500点リードのトップ目では?
細かいシチュエーションでの判断基準を知り、それを実践できるようにしたいものです。
2.データ分析による「スタッツの変化」
野球では、打者を評価する指標として、現在も "打率" という指標が用いられています。
打率とは、安打数 ÷ 打数 で求められます。
しかし、近年の研究で、打者を評価する指標は、打率ではなく、もっと適切な指標があることがわかっています。
打者を評価するには、打率ではなく、OPSやwOBA という指標で比べることが適切であることがわかってきています。
麻雀でも、プレイヤー間の成績を比較する際に、和了率や放銃率、副露率などの指標を主に使います。
しかしながら、プレイヤーを評価する際に、もっと適切な指標があるかもしれません。
また、野球では球団ごとに異なる球場を持っているのですが、その球場の広さやフェンスの高さは異なっており、選手に有利/不利があります。
そのホーム球場の有利/不利を補正する指標もあります。
麻雀においても、プレイするフィールドが違う選手がいます。
天鳳や雀魂など、ネット麻雀で活躍する雀士や、フリーや競技麻雀の場で活躍する雀士もいます。
現状、これらのプレイするフィールドが違う雀士であっても、同じ指標で比較してしまっていますが、パークファクターのような補正値が見つかれば、プレイフィールドが異なっても、同等に比較できるようになるのではと考えています。
3.データ分析による「プレイヤースタイルの変化」
野球では、打撃による勝利への貢献=得点貢献以外の指標があります。
たとえば、同じ強打者であっても、ゴロの比率とフライの比率が大きく異なったりします。
重量級ではない山田 哲人選手(Ys)がホームランを量産するのは、フライを多く打つスタイルが影響していることだったり、足の速い近本 光司選手(T)がゴロを多く打つことで、自分の脚を活かしてヒットを増やしていることなどがこのデータからわかります。
麻雀においても、門前型 / 副露型だったり、攻撃型 / 守備型だったりがあります。
このようなデータを見ることで、自分の好きなスタイルの選手の牌譜を参考にすることなども、麻雀の楽しみ方としてありなのではないかと思います。
以上になります。
今回の記事は、特に何かを生み出す内容ではないですが、データ分析を進めていくことで、麻雀界にも何らかの影響があるのではと考えた結果をまとめてみました。
また、ネット麻雀の最高峰の天鳳では強者のデータが無料でダウンロードでき、解析することができます。
このデータを使って、個人的にも分析を行ってみたいと思います。
今後開発する各システムを、Webサービス化するためのサーバ代として利用させていただきます。