化粧品などの成分表記について
■成分表記について
最近、化粧品成分についての資格やネット情報が溢れいて多くの方が配合されている成分についてコメントされている投稿を多く見かけますが、少々気になるコメントも多いため、少し書いておこうと思います。
■配合量について
化粧品には全成分の表記が必要であり、1%以上配合されているものについては配合量の多い順に記載をしなければいけません。
※1%未満の記載順序は任意
ここで注意
該当の化粧品に「何を使用しているか」はわかりますが、「どのくらい」という量は全成分表記を見たところでわからないということ。
1%以上の配合成分については多い順であることは間違い無いですが、例えば、めちゃくちゃ極端に言えばですが、
水80%、BG20% の表記は「水、BG」
水50%、BG49% の表記も「水、BG」で同じ。
全成分表記では配合率まではわからないということです。
料理の材料だけわかっていても、細かい配合量、調理方法、加熱時間などの細かい部分までわからなければ、味つけや素材の栄養素がどこまで残っているかなどは材料だけでピタリと当てるのは難問です。
つまり、全成分の表記だけでは「●●を使ってこの化粧品を作りました」というだけしかわからないということ。
ブランド開発担当者や研究者は、微量な配合変化で他社にはないテクスチャーや多くの方に満足いただけるものを生み出そうと日々努力しています。
繰り返しになりますが、
「全成分表記は、何を使っているかはわかってもどのくらい使用して、どんな順序でどんな加工をしたかまではわからない」
ここは誤解がないようにして欲しいなと思います。
■化粧品と医薬部外品
よく、美容系のインフルエンサーさんや、レビューをされている方々のコメントで「●●が3番目に記載されているので配合量は多い」といったコメントをされているものを見かけます。
これは、先程ご紹介したように、紹介している商品が「化粧品」に分類されているものであれば、間違いになる可能性は低いかなと。(3番目以降が全て1%未満なら違うこともありますが)
※1%以上配合されているものは多い順に記載。1%未満は任意の順序です。
しかし、美白効果やシワ改善などを効果効能として謳っている「医薬部外品」では必ずしもこの範囲ではありません。
「化粧品」も「医薬部外品」も全成分の表示はしています。
しかし、「医薬部外品」とは、お客様の問題点を改善するために作られたものであり、問題点を解決するためのメインとなる成分「有効成分」の明記をきちんとする約束はあるものの、その他項目についての順序については義務はありません。
化粧品と同様に配合量や比率も全成分表記だけではわかりません。
では、「医薬部外品の方が成分が信用できないじゃん!」と言われるとそうではなく、「医薬部外品」という商品の審査基準は効果効能の責任を持つ分、厳格な審査を受け試験をパスする必要があります。
「医薬部外品」という表示は、基準を満たした商品のみに許されるちゃんとした称号なのです。
というわけで、医薬部外品の全成分表示は、問題に対して解決(アプローチ)するための「有効成分は●●」と「その他このような成分で構成しています」という表記方法です。
お金をかけてせっかく数々の試験をパスして取得した「医薬部外品」の称号を汚さないよう、各メーカーさんは誠実な表記をされていると思いますので、誤解のなきようお願いします。
■まとめ
化粧品や医薬部外品の全成分は、使用している材料は分かっても配合量まではわかりません。
化粧品の全成分表示は
・1%以上の配合原料…配合量の多い順に表記
・1%未満の配合原料…表示順は任意
医薬部外品の全成分表示は
・問題解決のための有効成分
・その他構成成分(表示順は任意)
になります。
美容関連は人気分野で、かつインフルエンサーさんや様々な動画や投稿が多いので誤解されている情報が多いのが事実です。
少しでも修正できたらいいなと思う今日この頃。
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