2021年、よく聴いたレコード
お久しぶりです。
今年よく聴いたレコードの事を書こうと思います。
2021年。今年も音楽をたくさん聴きました。レコードもたくさん買ったと思います。
毎年この時期になると、今まで聴いてきたレコードの事を思い出して、一言気の利いた言葉を添えたりして小粋に振り返ってみたりするわけですけれど、年を重ねる毎に確かに感じているのは、昔ほど熱心に聴いてないよなぁって事。
心のやらかい部分を残したまま、感受性を残したまま新しいレコードに感動する事は、今確かに減ってきてはいるけれど、それでも、今年聴いたレコードのうちの何枚かには、静かですけれど確かに、感動させられた一枚がありました。
時にはウキウキして、時にはホッとして、時には感動して。わたしの部屋で、車で、街の雑踏で聴いた音は、これからも耳から心に刻まれ、流れ出た液体から新しい芽が芽吹き、来年もまた続いていくのだと思います。いいレコードに出会えたなぁ。よかった。
何枚かご紹介します。
1.グソクムズ/グソクムズ
吉祥寺から新しい「風街」を聴かせる4人組"グソクムズ"。以前から大好きでサブスクで聴いていたけれど、ついに今年フルアルバムがリリースされました。
既に語られている事ですけれど、はっぴいえんど、シュガーベイブへの歩みをとても強く感じ、「何だか知らないがウキウキする気持ち」がこのレコードには溢れていますね。
自論ですが、この「ウキウキする」気持ちというのが音楽を聴く時に感じられたらそのレコードはきっと傑作と呼ばれるのだろうと思います。
このレコードからは、この曲をぜひお試しください。
すべからく通り雨/グソクムズ
2.Peace or Love/Kings of Convenience
多くの人がそう感じているのではと思うのだけど、絶対に期待を裏切らない素晴らしいレコードを出す人たちっていますよね。
わたしにとっては、この人たちがそれにあたります。そして、最新作が常に一番好きって言えるっていう。
レコードが出たけど、すぐに売り切れてしまって、発売されてから随分経ったある日、届いた時は嬉しかったな。
美しいメロディを紡ぐ最高の奴らです。"Rocky Trail"を聴いた時、しびれたなぁ。
3.GOD SAVE THE わーるど/銀杏BOYZ
去年リリースされてましたが、今年のレコードストアデイでアナログレコードが発売されました。
"ねぇみんな、大好きだよ"っていう嘘なのかほんとなのかわからない(多分、嘘である)言葉を冠したタイトルからして、拗らせてるなぁと思いましたけど、時折聴かせるピュアなメロディ、歌詞に感動させられました。
中でもこの曲は出色の出来だと感じました。
「国道沿いのホテル、ガラスのテーブル」という歌い出しからもう不細工な夢がはじけて混ざりますよね。
僕と君、2人しかいない、圧倒的に閉じた世界。不恰好だけど、そういう世界をわたしは心のどこかに常に持っている気がします。そこに触れてくるんだと思います。この祈りのようなメロディが。
12インチ45回転!音もいいぞ。そしてこの最高のMV。美しい。
※B面は広末涼子さんの「MajiでKoiする5秒前」のカバーです。これが閉じたギターポップなアレンジになっていて最高。何で閉じたって思うかと言うとわからない。感覚的なものだと思うので人によって印象は変わるとは思う。
4.Holland Park/Spearmint
今年もあまり洋楽は聴いてこなかったかなあと思うのだけど、このアルバムは相変わらずのトキメキに満ちていてうれしかった。
やっぱりイギリスって最高の国なんだなって。いつか行きたい。っていうか住みたい。
それにしても、デビュー当時から全く声が変わっていないことがすごい。もともと歌い上げる感じの楽曲ではないので、そんなには変化を感じないのかもしれないけど、それでも90年代から続けてきてて、楽曲のスタイルも、声も、演奏もまったく変わらない。ただひたすらにいい曲を書くバンド。
そしてこの声がわたしは大好き。
変わり続ける、前進し続ける事が最良で、あとはダメみたいな昨今の価値観はわたしはとても嫌いで、変わらないものだってある、それを尊ぶ気持ちだって素晴らしいんだ!って声を大にして言いたいって思わせられるバンド。
5.THE ADVENTURES OF NICELY NICE/NICELY NICE
microstarとしての活動や、星野みちるさんのサウンドプロデュースなどで大活躍の佐藤清喜さんのソロプロジェクト、nicely nice
レコードの日に、1st albumがアナログで発売されました。
シンセサイザー発のギャラクシアンポップミュージックで、聴き手を銀河系の彼方へ誘います。エレポップを中心とした素敵なポップスが堪能できます。
中でもドゥービーマナーのこの曲が最高でした。
※トレイラー6曲目。この楽曲の感じ、大好きですね。
6.音楽/東京事変
今年は東京事変をよく聴いた年でした。
今までは興味があまりなく、聴いてこなかったのですが、サブスクで聴いた"永遠の不在証明"がとても良く、この最新アルバムをはじめとして、旧作品がアナログ再発されたので買ってしまいました。
このアルバムは特にヒップホップ、ファンク色が強く、音粒がまろやかで心地よい曲が多いです。新しい雰囲気を感じさせますけど、伊澤一葉さんによる、往年の事変節を聴かせる"縁酒"が一番好きですね。
今年ももうすぐ終わりますけれど、ゆったりと穏やかな気持ちで過ごすことができそうです。
色々あったけれど、今がホッとできるならそれでいいと思います。なんかあった時はその時のわたしが頑張るのだから、今はただ只管にダラダラしようと思います。
それでは、良いお年をお迎えください。