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牧口常三郎という教育者

 ねむの木学園理事の渡邊弘氏のインタビューが新聞に載っていた。大変感動したので紹介しようと思います。

『軍国主義教育が推し進められていた日本の戦時下において、子どもの幸福を第一に掲げた実践から独自の教育理論を提唱し、命を懸けてその信念を貫き通した教育者がいた。』
『明治期に、初代文部大臣に就任した森有礼が推進した「学校令」に象徴されるように、全国に学校を設けるのは子供のためというよりも"国家の発展・繁栄のためである"ーとの考え方が、その後の日本に引き継がれていくことになる。』
『これは、牧口先生の「国民あっての国家であり、個人あっての社会である」「被教育者をして幸福なる生活を遂げしめる様に指導するのが教育である」との考え方とは、全く対照的である。』

けれど一番印象に残ったのは、牧口先生の人物像である。

『私が感動してやまないのは、子どもたち一人一人を見つめる牧口先生の慈愛のまなざしであり、「人間愛」に貫かれた姿です。
 北海道で小学校教員をしていた時代、雪の降る日に幼い児童を背負って家まで送ってあげたことや、あかぎれで手を腫らした子がいれば教室のストーブでお湯を沸かし、手を温めながら洗ってあげたエピソードなどが数多くあります。
 東京での校長時代には、弁当を持って来られない子どものため、そっと食事まで用意されていたと聞きます。
牧口先生の「人間観」には「誰一人置き去りにしない」
「ダメな子なんか一人もいない」という「慈愛の心」があふれていました。そしてこれこそ教育の原点であり、教育改造の原動力であると、牧口先生は示したのです。
いかなる時も、「人間主義の教育」を貫いたその姿に、私たちは今こそ、学ぶべきではないでしょうか。』

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