自分をキライになる方法 (子供には絶対に見せたくない)オトナの童話002
きょうは
ヤギの教頭先生の特別授業です
せんせいは黒板に大きく
「自分をスキになる方法」と書きました
そして教室中をみまわしてから
「エへん!」と一回咳払いをして話し始めます
「みなさんは自分をスキですか?」
コギツネのコンナは
「私そんなに、自分をスキじゃないな」と思いました
だって、わたし
給食食べるの遅いし
教科書も緊張してうまく読めないし
ドッチボールも苦手だし
ママにも先生にも
「ほら、もっと急いで!」って
しょっちゅう言われるし、、、
ヤギの教頭先生は
黒板に○をふたつ書きます
この丸は
・良いところ
と
・悪いところ
です
「良い○を大きくして、悪い○を小さくする努力をしましょう」
良い○の大きさが自分のスキの大きさで
悪い○の大きさが、キライな自分の大きさです
できるだけ悪い○をちいさくして
良い○を大きくしましょう
「そうすると、自分をスキになれます」
ヤギの教頭先生は続けて言います
「ではノートに、自分の良いところと
悪いところを書いてみましょう」
コギツネのコンナは
きゅうに汗がでてくるのがわかりました
「わるいところがいっぱいだったら、どうしよう」
「はずかしい」
ヤギの教頭先生はちょっと笑って言います
「今ドキッとしたでしょう?」
「悪い○がいっぱいあったらどうしよう。って」
「では、先生がいい方法をお教えします」
「悪い○を良い○に変える方法です」
「悪いと思っていることを、良いに変えます」
たとえば、
「おともだちとついケンカしてしまう」
それが悲しかったら
これは
「わたしが素直に友達の意見を聞ける
良い子になる努力をする」
どうです?この態度は
良い○ですね
たとえば、
「おかあさんに叱られて、つい死んじゃえ!と思った」
それがショックだったら
「素直になれない私を反省する」
どうです?この態度は
良い○ですね
「こんなふうに良い○を増やしていけば
自分をスキになれます」
「できるだけ意味を変えて
悪いことも、良いことに受け取る練習をしましょう」
「では、これから先は宿題です」
コンナは家に帰ってノートを開きます
「イヤだと思ってることも、明るく変えて
良い○を増やさなきゃ」
イヤだと思っていることを
あかるく変えるのは楽しい
そう思いました
夢中で悪いを良いに変えていきます
夕陽がしずむころになりました
コンナはすこし胸のあたりがドキドキして
えんぴつを置きました
「イヤナことを悲しいと思っちゃう自分じゃイケナイんだな」
そう思うときゅうに悲しくなりました