「&」5巻刊行記念! おかざき真里スペシャルインタビュー!《アンコール掲載》
※2013年1月 FYnetに掲載された記事を修正のうえ再掲したものです。
【あらすじ】
医療事務とネイルサロンのダブルワークを続ける薫は、
19歳年上の医師・矢飼とついに一夜を共にした。
初めての両思いに心踊らせ、肌を重ねるたびに矢飼への想いが
深まっていく薫は、彼の役に立ちたいと新たな資格取得にも励み出す。
しかし、薫へ恋心を抱くシロは、そんな彼女の姿に苛立ち
「もうネイルサロンの場所は貸さない」と言い放ってーーー?
『&』⑤ おかざき真里 本体価格980円+税(A5判)
「君に届け」の椎名軽穂先生が推薦!
椎名軽穂先生からの推薦コメント&イラスト
もどかしいすれ違いを経て、ようやく結ばれた薫と矢飼に
応援と共感の声が届き続ける大人気連載「&-アンド-」。
最新5巻発売を記念して、おかざき先生にインタビューを敢行!
単行本のこと、最近のハマリもののことなど、おかざき先生の最新トークをお楽しみください♪
[「&-アンド-」5巻について]
編集部(以下、編):
「&-アンド-」5巻発売おめでとうございます!
帯には「愛し愛される喜びに、胸満たされゆく第5巻!」と打たせていただきましたが、おかざき先生がご自身で5巻をひと言で表現されると、どんな巻でしょうか?
おかざき真里先生(以下、お):
「オヤジがんばる!」の巻き(笑)。うそうそ。
……う~ん。ひと言で…、2巻で描いた「人は気持ちでできている」
というのを解いていく巻、というか。
ラストの台詞を描きたくて、そこを目標にがんばりました(自分が)。
とりあえず自分の中で納得してあの台詞が描けたので、よかった、
…と胸をなでおろしています。
帯もまたしてもすごい先生からいただけて…感謝しています。
編:本当に、ラストの台詞はぜひ皆さんにご確認いただきたいです!
では続きまして、5巻の中でお気に入りのシーンがありましたら、教えてください。
お:3か所あります。
「&」5巻、Number.24より
これは見開きを意識して絵をつくりました。
ラフに描いたネームからの自由演技、という感じで描いていてたのしい。
「&」5巻、Number.27より
これも見開きを考えて絵を作りました。
和調の濡れ場というのが大好きなのです。がんばりました。
「&」5巻、Number.27より
これも、このシーンを目標に描いていたので、
「無事に描けてよかった…」と思いました。
このシーンの補足を6巻の1話目でしているつもり…です。
巻をまたいですみません。
編:早くも6巻が待ち遠しいですね!では続いて、5巻の中でお気に入りのセリフやモノローグがありましたら、教えてください。
お:それは読者のみなさんに見つけていただきたいと思います。
編:そうですね! みなさん、ぜひ編集部にもお知らせください♪
ぜひ編集部ツイッターアカウント(@FEELYOUNG_ed)や、
メールアドレス(feelyoung.henshu@gmail.com)まで!
編:さて、 いつも読者の皆さんから大反響がある美麗な扉イラスト。
単行本ではモノクロになってしまいますが、この機会に5巻収録分のカラーイラストにつきまして、ご解説いただけますか?
お:
Number.24/フィール・ヤング2012年7月号掲載
Number.28/フィール・ヤング2012年11月号掲載
【Number.24とNumber.28について】
はじめて扉絵をデジタルで作ってみました。
線画まではアナログで、着彩はPhotoshopです。
加減がわからなくて、Number.24 はものすごく要らん時間喰いました…線が閉じてなくて…。
Number.28 もデジタルゆえの謎の現象にアタフタしつつ、そのアクシデントも取り入れつつ自分のイメージ超えれる効果も出せるので面白かったです。
「色をあきらめなくていい」のが、ありがたいです私には。
Number.25/フィール・ヤング2012年8月号掲載
Number.26/フィール・ヤング2012年9月号掲載
【Number.25とNumber.26について】
男子二体。
シロちゃんは耽美絵画、矢飼先生は幽霊画をイメージして描いています。
Number.27/フィール・ヤング2012年10月号掲載
【Number27】
こういうのって本編に入れにくいので、扉にしてみました。
編:アナログ、デジタル、それぞれの美しさが素敵です!
では続いて、単行本カバーについて教えてください。
メインイラストは、既刊とはひと味異なる印象ですね。
Number.28の本編のコマを元に描き下ろされたイラストだと思うのですが、Number.28を描き上げたときから「単行本のカバーにしよう!」という構想がお有りだったのでしょうか?
「&」5巻、Number.28より
お:はい。今までずっと単行本表紙はこのシーンをイメージして描いていたので「ああ、ようやくこのシーンにたどりつけた…」と安堵しました。
編: なるほど、並べてみるとよくわかりますね。恋の盛り上がりと連動していて素敵です!
また、5巻の透けモチーフのテーマを教えて下さい。
1月発売だから梅なのかしら…?と思っておりましたが、いかがでしょう?
お:はい。梅です。最初違うものを描いていたのですけれど、
「あ、発売が1月だよな~」と思って描き直しました。
編: では本編の方もいくつかお聞きします! 今回はラブ絶好調ですね♥
つきあい出したばかりの2人の初めての旅行……、行き先を温泉とした理由があれば教えてください。
お:ジジイは温泉にいくものなのです(笑)!
「&」5巻、Number.28より
最初、「お医者様はいらっしゃいませんか」エピソードも温泉街の中でやろうと思っていたのですが、取材させていただいたお医者さま自身のエピソードがあのまま電車の中で中学生男子にまみれるもので、そちらも面白いなあと思い担当さんと相談して電車の中にしました。
飛行機でアラスカに降りるかどうかの判断とか、全部その時の取材で作っています。ようするに、実話です(笑)。
編: なるほど、確かに電車のシーンや、矢飼が話すエピソードはリアリティがありました!
また、5巻では、矢飼と薫が密になっていく一方で、シロちゃんを絡め取って行く育も印象的でした。
おかざき先生の中で、育は、「恋愛を上手にこなせる子」というキャラクターなのでしょうか?
「&」5巻、Number.24より
お:恋愛に積極的で、恋愛をコントロールしようとする子…でしょうか。
それがうまく行くかどうかは今後にご期待ください、という感じで。
編: 今回から薫が、病院のほうで新しい部署へ異動しますね。
「医師事務」に関して、新たに取材をされたのでしょうか?
「&」5巻、Number.23より
お:取材はいくつもしました。医師事務講座のある学校にも行きました。
実際、医師事務さんと結婚したお医者さんのお話とか聞いて楽しかったです。
まだ制度の都合で新設されたばかりの部門ですので、いろいろ大変なようです。そういう所も描ければいいな、と思います。
[おかざき先生の近況について]
編:では続いて、最近のおかざき先生についてお聞かせください。
最近の原稿のおともは何ですか?
お:ウォーターサーバーを買いました。
これでいつでも…カップスープもカップラーメンも食べ放題でやばいです!
ごめんなさいごめんなさい!
編:ツイッターでよく「イケメンすぎる」とつぶやかれている、鈴木松年氏について教えてください!
何をきっかけに松年氏熱が高まられたのですか?
お:「ホンタナ」という自分の好きな本を紹介するポッドキャストに出させていただく機会がありまして(※)。
取り上げたのが宮尾登美子先生の小説『序の舞』(中央公論新社)。
日本画家で、女性初の文化勲章を受けた上村松園をモデルにかかれたものなのですが、松年氏はこの小説の主人公の師となる方のモデルになった人物です。
日本画家の大家なのですが小説の中でものすごい人非人で(笑)。
でもそこに惹かれて写真を探しましたら、まあこれがえらいハンサムで(笑)。
人非人でもこれはしょうがないわ…と。
こういう男に振り回される人生ってどれくらい気持ちよいものなのかと、
しばらくこの松年氏ばかり拝んで、あれやこれや考えていました(笑)。
「ホンタナ」の中でも触れたのですが、『&』で、相手男性の職業を「先生」と呼ばれるものにしようと思ったのはこの『序の舞』の影響です。
※編集部注:
ホンタナ 2012年12月25日配信「おかざき真里先生にたっぷり語ってもらおうスペシャル」
編: 2013年2月に、写真家・丸田祥三さんとトークショーが開催されますね。実は2010年10月のFYnetのインタビュー(http://feelyoung.jp/special/post_31.php)にて、「いま一番会ってみたい方」のうちのおひとりとしてご紹介いただきましたが、実際お会いすることになっていかがですか?
また、トークショーへの意気込みなどお聞かせください!
お:このFYnetインタビューで「お会いしたい」と畏れ多くもお名前ださせていただいた方の中数名に、その後偶然お会いすることができました。
FYnetインタビューいいね! ここで言ったら叶う、的な。
実は丸田さんとも少し前にお会いしているのです。
トークショーが二度目。お互いの作品のずっとファンで。
でもだから、トークショーで作品について語るのは難しいです…。
でも本当にすごい写真なのですよ。どう上手くいえばいいのか今から悩んでいます…。
※編集部注:
トークショーの詳細はフィーヤン編集部ブログをご覧ください!
編: 2012年の抱負は「自分にもう少し自信を持とう」でしたが、2012年はどんな1年でしたか?
お:持てなかったです。まったく持てなかった。
どうやったら自信を持って描けるのかもはやわからなくなっています(笑)。
編: もっともっと自信を持たれてもいいと思いますよ!
では、2013年の抱負などありましたら教えてください。
お:「が、が、が、がんばります」
編:編集部もがんばります!
それでは最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。
お:いつもお読みいただきありがとうございます。
感想などをいただいて思うのですが、私の読者さんは「読者スキル」がものすごく高いんです。感受性というか。
繊細な部分まで感じ取っていただけているのをいつもとてもありがたく思ってます。
もう少しの間だけ、見守っていただけますと嬉しいです。よろしくお願いします。
編:おかざき先生、ありがとうございました!
(取材:2012年12月某日)
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