新しい試練。 【♯10 Feeling good ever!〜お相手はポルノ依存症〜】
ポルノ依存症のタケシさんを興奮させるため、AV女優の姫野ルナさんに取材を試みた淑女研究家のわたくし。
視覚と聴覚だけで、どうやって殿方を興奮させることができるのか。
日々、真剣にそういったことを研究されているルナさんは、わたくしの想像を遥かに超えたプロフェッショナルでございました。
またしてもAVに完敗したわたくしでしたが、殿方を興奮させる方法としてルナさんの口から飛び出した「チングリ返し」という言葉。
1話から9話まではこちら▼
「ちん、ぐり・・・?」
わたしが目を白黒させてルナさんに聞き返すと、仰向けになった女性の両足を頭の上まで持ち上げ、秘部が丸見えになる体勢で攻めることを‘マンぐり返し’と呼び、男性に対して行うことを‘チンぐり返し’と呼ぶのだと説明してくれました。
「アダルトビデオ的に言うと、聴覚と一緒に責めるのもオススメです。『ヒクヒクしてる』とか、『丸見えだよ』とか、Sっぽい言葉で責めるんですよ」
いったい、男性のどこに「ヒクヒク」する場所はどこにあるのでしょうか。
「痴女じゃなく、小悪魔っぽく責めてもいいと思います」
痴女と小悪魔、具体的になにが、どう違いますの?
「なにされるか分からない状態って、ドキドキするでしょ?」
やっと理解できるルナさんの発言に、わたくしは三度頷きました。
「男性も一緒ですよ。気持ちよくなりたかったら、させないと。でも、ソフトに優しく責めるんです」
なるほど。言われてみれば。
体勢を変えて責めるくらいなら、わたくしにもできるかもしれません。
でんぐり返りの体勢に似ていますし、‘マングリガエシ’も‘チングリガエシ’も、カエルの種類にありそうな音の響きで、カワイイじゃないですか。
「で、アナルの責め方なんですけど」
・・・!?
「あの、今なんて?」
「アナル責めです」
ルナさんはホワイトボードに男性の臀部を描き、真ん中上部に米印を付けると「お尻の穴、責めちゃいましょう」と可愛く言いました。
わたくしは目が米印になった気がいたしました。
「一つお伺いしても」
ルナさんが頷きます。
「‘マングリガエシ’の体勢にするだけじゃ効果はないのですか? つまり、こ、肛門を責める必要性があるのか、わたくしにはよく、わからないのです」
「男性なので、‘マングリガエシ’ではなく、‘チングリガエシ’ですね」
ルナさんはわたしの発言を冷静に訂正すると、人差し指を唇に押し当て、少し考えてから続けました。
「男性のアナルには性感帯があるんで責めた方が効果はあると思いますよ? せっかくだから、やってみて下さい。大丈夫! 思ったより簡単だから。いいですか? まず、こうやって、掌で優しくソワソワ撫でるんです」
こ、これくらいなら、できそうです。
ルナさんの綺麗な指がホワイトボードに描かれた尻を撫でるのを見て、わたくしは急いでノートを取りました。
「ポイントは、じっくり、ゆっくり、焦らしちゃいましょう」
じっくり、ゆっくり、と。
「で、ここ、注意して下さい」
臀部をノートに描きポイントをまとめていると、ルナさんがわたくしの注意を引くように一度声量を強めてから、小声で続けました。
「爪が長いと肛門を傷付けます。それにウンコが付くから、必ずこれをする前に、ゴム手袋を着用するか、爪は短く切ってね」
「ウッ!」
わたくしはルナさんの話を聞き、思わずうめき声のような声を漏らしました。
メイク・ラブをするために、そのような危険がはらんでいるなんて。
チングリガエシを肯定的に捉えかけましたが、これはかなりの難関でございます。
「あ、あとローションも使ってね」
かなりの打撃を受けているわたくしを無視するように、ルナさんが「チングリ返し」の際、必要な持ち物をホワイトボードに書いていきます。
わたくしは‘’バスタオル‘、ローション’、‘ゴム手袋’、と書いた後、‘爪を切ること’と記載した箇所に何度もアンダーラインを引きました。
これは、
色々な覚悟が必要なのでございます!
つづく▼
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ラジオでも喋ったりなんかしちゃってます▼