音の出ないイヤホン(2018/04/10)
私は人の三倍鼓膜が薄いらしい(近所の耳鼻科調べ)。
確かに飛行機や新幹線に乗るときは耳が破裂しそうになるし、気圧と相性が悪い日はずっと膜が張ったようになる。そんな私は耳があまりよくないと自分では思っているんだけど、たまに”聞こえすぎる”ときがある。
それは、神経が尖がっているときだ。感情が昂ぶってる方ではなく、研ぎ澄まされているとき。まさに今、二枚の油絵とその他もろもろの絵の締め切りを目の前にした私にそれは起こっている。
おまけに色聴の共感覚があるのでそれに色を感じる。
こういうとき雑踏に行くと色酔いしてしまうので耳栓代わりにイヤホンをして街を歩いている。この間うっかりそのまま自転車に乗ったら春の交通安全運動をしてるおまわりさんに怒られてしまった。仕方ないなと思う。だって傍からは音楽聴いてるとしか思えない。歩くときは聞いてないし、聞こえすぎるといっても、こういうとき、音楽は聴くことができる。音楽というものは、音がある程度の規則にしたがって整っているので気分に合うものさえ選べれば、気持ち悪くはならない。でも雑音の多い場所は、聞こえてくる音が不規則だ。脳内の色調もぐちゃぐちゃになってどんどん気持ち悪くなってくる。神経が尖ってくると、普段何気なくスルーしてる感覚すべてが精度が上がるというか。とにかく感覚も脳もバリバリ働く。常時、2つの感覚が動くことになるので結構疲れる。
というか、みなさん共感覚って知っていますか?
「ある刺激に対して通常の感覚だけでなく異なる種類の感覚をも生じさせる一部の人にみられる特殊な知覚現象」(wikipedia引用)
・・・らしいです。
私はずっと小さいころから一部のにおいや音を色にたとえる癖があって、それは単純に絵を描いているからだと思ってたし、自分でも比喩表現のひとつのつもりだったんですが。でも本当に感じているそのままだったから、あるとき「”青いにおい”は変」って言われたときショックだったし、だから、あまり人前でそういうことを言うのは辞めました。
で、時が経って「SOUL CATCHER(S)」って漫画を初めて読んだとき、衝撃で涙が出ました。なんかね、そのものだったからね。そういうこと!って脳内で叫んだ。そこで初めて「共感覚」って言葉を知って、自分の感覚はこれだって思ったんですが、ネットとかだとすごい能力みたいに書かれてる記事が多くて、自分の口からいうのはなかなか憚られます。でも言うけど。
要はね、感覚が自分で制御できないほどなんかアレなんだよって。
それだけだと思っているんですね、私は(笑)
人間の未開拓の部分だと思うので、積極的に誰かに知ってほしい。
というわけで、
ぼんやりしてると薄紫のとぎれとぎれの雑音が煩いので、気を紛らわせる為にこれを書いてみた。要するに今、芸術家としてコンディションは最高なのである。めちゃくちゃ煩いけど。感覚が過敏なのはよいこと。
気分転換にもなったのでまた作画に戻ります。
P.S. 蛇足、私は色から音は聞こえない。音→色の一方通行なので。だから何かの音楽を感じながら絵を描いたとしても、時が経つと何を聞いていたのか忘れてしまう場合もある。それが少し残念。私の絵は私自身には楽譜に成りえないから。もし色→音の共感覚を持つ人がいたらぜひ私の絵に音楽を与えてほしい。いつも思っているので、心当たりある方がいたらよろしくお願いします。