スキャット6

ジョンは今日も猫を殺して、暗い道を歩いた。家の前にひかれた敷石の音がジョンを脅迫的な気持ちにさせ、部屋への足取りを早める。木椅子と木机が素朴に置かれた部屋には、常に湿気た薄暗さに覆われていた。机の横にあるレコードに針を落とし落ち着いた音楽が流れ出す。ジョンは気持ちの赴くまま椅子に身を傾け机に足を組んで乗せ、過去の一切を忘れ一服の時間を過ごした。ジョンは可笑しくて押し込むように笑い、意味もなく首を傾げた。

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