オールタイムベストムービー
タイトルはオーバーですが、好きな作品って聞かれると意外とすぐ思いつかないね、という話になり、なんとなく思いついた3本を挙げてみました。
トム・フォード / シングルマン(2009)
観終えた瞬間の感想は、コリン・ファースMV。とにかくコリン・ファースの何もかもが美しく、ときに滑稽で、一喜一憂する姿が強く印象に残る。
60年代、62年の時代背景を知っていたらもっといろんな意味を読み取れた気もするけれど、それがなくても感じ入るものがあり、ワンカットに意味があった。孤独と恐怖に関する科白も興味深く…と、話がつきない!
グザヴィエ・ドラン / わたしはロランス(2012)
始まりから終わりまで無駄がないって素晴らしい。
若干24歳が撮ったとは思えない語り口、高崎俊夫さんの”アバンギャルドにして古典派の風格”とは言い得て妙で、俗っぽさがなくて168分という尺を感じさせない展開に、まるで1989年から10年に渡る大河ドラマを見ているような感覚に。
ロベール・ブレッソン / 抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より(1956)
“ジャック・ベッケルの「穴」と並ぶ<脱獄もの>のジャンルの最高傑作”
主人公の毅然とした態度が美しく、脱獄を決意してから最初の相棒となったスプーンを隠す仕草が印象的。また音がキーとなっていて、擦る・軋む・揺らぐ・漕ぐ‥終盤の、ある決断を下した瞬間は生涯忘れられない。
あと”反抗”は自分の内部の問題でいいけれど、”抵抗”は行動に起こすべき必要悪だという考えの人はなにかシンパシーを感じるものがあるかもしれない。
3本とも話に広がりがあって、あまり古びたかんじがしないところが好きです。
最後まで読んでくださってありがとうございました。