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父と暮らせば
去年母が他界してから、父と二人で何かすることが増えて、父親の顔だけでなく夫の顔を垣間見るようになった気がする。
さりげない気遣いがある人で、食事を用意した日は代わりにゴミは率先して出してくれたり、ちょっと失敗作の日は"失敗は成功のもとだからね"と労いの言葉をくれる。
母は長く重度のリュウマチを患っていて、けして平坦な人生ではなかったと思う。けれど記憶の中にある母は笑顔の人で、父を通して互いを献身的に支え合う強い絆のようなものを日々感じるようになった。
同時に自分の中に母の影を感じる瞬間もあって、故人が残された人間の記憶の中で生き続けるというのはこういうことなのだな、とも。
時の歩みは三重である
未来はためらいながら近づき
現在は矢のように飛び去り
そして、過去は永遠に静かに立っている
父との残りの時間を大切に、今を生きていきたい。