
Caetano VELOSO / Omaggio a Federico E Giulietta(1999)
カエターノ入門に何かアルバムはありませんか?と聞かれて、『Caetano Veloso』と併せてパッと思い浮かんだ一枚。
代表作がたくさんあり、多作なカエターノの作品の中では比較的地味かもしれませんが、大好きなアルバムです。
こちらはフェデリコ・フェリーニの命日(10/31)に故郷サンマリノで行われた1997年のライブ音源になります(原題は"フェリーニへのオマージュ")。
オープニングは 「Qui Nao se Ve (Come Tu Mi Vuoi)」。
ここでもうカエターノの情熱が伝わる。この日は喉の調子がよくなかったらしいけど、そんなことは全く気にならず、クールな色香があって、ちょっとくずれ気味なのを制御しているかんじがたまらなく魅力的。むしろ「今日はなにかあったのか」と、なんだかいろんな想像をしてしまいそう。それほどこのステージに対する並ならぬ想いで溢れています。どの国でも大熱唱・大合唱になってしまうファンも、この日は聴き入っている様子。フェリーニとその妻ジュリエッタ・マシーナへの思慕で満たされた歌声に、私たちまで感慨深い気分になってくる。
"最後にもう一度「Gelsomina」を歌うから、よかったらみなさんもどうですか"
たぶんそのような意味のMCに合唱、静かな余韻を残して終わります。本人だけでなく、観客にとっても記憶に残る一日だったのではないでしょうか。
ジャケットそのままの夜長をゆったり楽しむライヴ盤ですね。雰囲気がとてもいいです。
余談。Bar Bossaの林さんのコラムで、ミルトンは名古屋弁、カエターノは沖縄民謡とあって、妙に納得しました。遠く懐かしくて歌心がある歌声。