あってもなくても
たまに今も昔も"ムダなもの"に支えられて生きているなあと感じることがあります。
『エンパイア・オブ・ライト』という映画の名セリフとして、"人生とは、心のあり方"というのが出てきます。
映画と映画館へのラブレターのような作品で、わたしにとって映画や音楽、絵画にふれている時間というのは、友人や家族と過ごすそれとはまた違った没入感があり、気が弱くあまりメンタルも強くない自分の心を立て直してくれる、いわば精神的な柱のような存在であることを代弁してくれる言葉でした。
でも生活する上で必需品かというと、それらはそうではないんですよね。
今は"ムダ"なことにお金や時間を割かなくても、そこそこのモノが手に入る時代で、でもそれってほんとうに豊かになったのかな、とも。
以前神戸へ行ったときにびっくりしたのは、街に全くスタバやドトールのようなチェーン店がなくて、その代わり個性豊かな喫茶店がたくさんあることでした。あんなにおいしいカフェオレを飲んだのは初めてで、一杯¥550くらいしたかな?でもすごく豊かな気持ちになりました。お金を払ってモノを買うってこういうことだよなあって。お腹を満たすだけでなく、味わうことも含めてだよなあって。
あってもなくても困らないけれど、失ってしまったらさびしいものもある。