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仰げば尊し。

よっぽどの事情がない限り、日本人のたいていの人は学校というものに通ったことがあるはずだ。
だから知ってるはずなんだけど、恩師の話ってだいたい長い。

なんであんなに長く話をしなきゃいけないのか。
我々はいったい何を試されているのか。
これって何の罰ゲームなん?
なんて思いながら参加していた全校集会。(ぜんこうしゅうかいーー!)

私も学校って大嫌いだったんだけど、大人と話をするのが好きな子どもだったので、毎年お気に入りの先生というのを作っていた。先生が好きだと、その教科だけは点数が伸びたりするんだよね。法王はそんな先生的な人物である。

法王のカードに目を移そう。

2人のザビエルハゲに向かって、仲裁でもするかのように、何かを説法しているような人物が法王だ。

この「法王」で人は導きを乞うているが、面白いことに「恋人たち」では自らの分別を覚える。そして「悪魔」で闇落ちする。という展開が待っている。

ウエイト版のこの3枚のカードは並べるとわかるが、構図がほとんど同じ。マルセイユ版ではそこまでの意図的な配置はなかったことから、ウエイト版で初めて意図的に作画されたものとのことだ。

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マルセイユ版(法王・恋人たち・悪魔)


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ウエイト版(法王・恋人たち・悪魔)

分別を覚えて、自ら選択することができるようになった時に、人は悪魔の手に落ちるというのもなんとも皮肉な展開を感じさせる。

先生の言うことを聞きなさい!ってママも言うじゃないか。
学校や親の保護の元にいるうちは、守ってもらえるんだけれども。

分別がつくって大人になるっていうこと。
自分でいろいろ決めて自分で責任を持つということ。
ただそこには必ず「何かを選んだ」ことで苦しみも得ることになる。

法王はそんな大人の世界に飛び込む前の、迷える子羊たちに、よーしよーし。じゃあ、これからお話するからねー。信号を渡るときは手を挙げるんだよー。みたいなことを教えているイメージがある。

法王はとても優しい。教えを求めればしっかりと応えてくれる。お顔もなかなか優しげである。やさしい先生なんだろうな。

大人になって、闇落ちすると、あの頃手取り足取りいろいろ教えてくれた先生や親が本当に尊い存在だったのだなぁー。って実感できるんだよね。

タロットの1番から7番は、人の成長段階を表しているとのこと。法王がタロット22枚の前半に登場するのも、人生の初期段階で信仰すべき師に出会うことを象徴しているのだろう。

もし占いをしてこのカードが出たら、まず「誰かと相談したらよろしくなくって?」といった読み方が出来るだろう。


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