会社を訴えたらいけない理由
今日は「よほどのことがない限り、会社を訴えたらダメ」という話をしますね。
こんなことを書くと、資本家擁護!弱者の敵!とか言われそうですけど、ちょっとまって、説明させてください・・・!
客観的に見て、会社を訴えたらマズイ理由を説明します。
(1)会社は日本人の民度を反映しているにすぎない
セクハラ・パワハラ・労働基準法違反の長時間労働・・・本当に腹が立ちますよね。。。
私も被害経験があるので、気持ちはよーーーく分かります。
でもね。
会社を訴えるという選択は、本当に、最後の最後までとっておいてほしいんです。
なぜなら、会社は日本人の民度を反映しているにすぎないからです。
会社ぐるみで詐欺をやっているとか・・・あきらかに悪意のケースを除き、たいていの場合は、「やっても許されるからやっている」んです。
視点を変えれば、会社のやり方は「”会社の経営層”=”中高年のおじさん”達の民度を反映している」ということ。
さらに言えば、その人たちの意思決定を間接的に許容している、「日本人全体の民度」を反映しているんです。
日本人は、セクハラやパワハラ、長時間労働の強制を許してしまうような人達だということですよ。
もっとわかりやすくいうと、そういう人が多数派なんです。
その程度の国民性なんです。
だから、会社を訴えたところでトカゲの尻尾切りにすぎない。
わたしたちの社会は「多数決」で動いていますから、逆に言えば「少数派が嫌な思いをする」ものなんです。
会社というのはイコール経営層のこと
事態を変えるには、「会社の意思決定者」である「経営層」(つまり、中高年で役職持ちのおじさん)を抱き込むのが一番です。
逆に言えば、経営層1人でも抱き込めば事態は変わります。
それをやるための手段が「労働組合」であったりするわけです。
一人だと見向きもされないが、何人かで団結する事で、経営者に自分たちの事を認めさせようとするやり方です。
えっ、労働組合が御用組合、あるいはそもそも機能していない場合はどうしたらいいって?
その場合は「人海戦術」でいきましょう。
どこかに、少しでも若者・女性・少数派の味方になってくれそうな言動をしている「ちょっと偉いおじさん(〜課長クラス)」はいませんか?
個人的にあなたを応援してくれる先輩はいませんか?
そういう人たち一人一人は、経営に関われるほどは偉くないかもしれませんが、いもづる式に、すごい人脈を引き当てるかもしれませんよ。
私自身、セクハラやパワハラで困っていたときがあります。
会社で普段仲良くしていたおじさん達の友達が経営層(部長や取締役クラス)で、いもづる式に仲良くなることができました。
同世代だから知っている、偉いおじさん個人の趣味などを聞き出して、リサーチして、本人にぶつけて気に入られることもできました。
その結果、少し時間はかかりましたが、人事異動でセクハラパワハラ上司からおさらばできました。(その時の話↓)
結局、「組織は人なり」というわけです。
会社(つまり、中高年の偉いおじさん)をむやみに敵に回さず、味方に抱き込む作戦でいきましょう。
(2)転職や異動が難しくなる
あなたは、会社と裁判した後のことを考えられていますか?
会社に異動を求めますか?
それとも、転職しますか?
たとえば、転職を考えているとしましょう。
でも・・・経営者視点に立って考えてみましょう。
裁判歴がある社員を雇いたいと思いますか?
ちょっと気に入らないことがあると、また裁判を起こされるだろう・・・と思ってしまいませんか?
会社(つまり経営者)はリスクを恐れます。
これは、私が今は経営者をしているからこそ、実感を持って言えることです。
リスク(裁判歴)に見合うよほどのリターン(成果)がない限り、リスクのある社員は雇いたくないものです。
これは、会社に「異動」を求める場合も同じです。
裁判歴のある部下はちょっと・・・という部長は多いでしょう。
結果的に、あなたはどうなるでしょうか?
あなたは追い出し部屋に送られ、自ら退職するように追い込まれる可能性がかなり高くなってしまいます。
(3)それでも訴えたい場合は?
いろいろ書きましたが、それでもやっぱり訴えたい場合はあると思います。
私が考える「会社を訴えても大丈夫な人」は下の3パターンです。
(1)よほどの実力者(仕事上でぶっちぎりの成果をあげた人)
仕事でぶっちぎりの成果をあげた人なら、会社を訴えるのはアリだと思います。
例えば、ノーベル賞級の特許をとった人。
青色発光ダイオードに関する発明でノーベル物理学賞を受賞した「中村修二さん」という方は、自分の発明の取り扱いを巡って会社と争っています(※パワハラなどの訴訟ではありません。ちなみに、もともとは会社から訴えられたそうで、やむにやまれぬ事情もあったと思われます)
裁判の細かい内容はここでは書きませんが、イチ社会人として感じる事は、
「このおじさん、よほどすごい発明をして、成果に自信があったからこそ会社と戦ったんだろうなぁ」ということ。
報道によれば、和解金はなんと8億円・・・!
これだけあれば、たとえ追い出し部屋にやられようと、転職が厳しかろうと関係ありませんし、そもそもリスクのある人物だとしても、雇う会社は少なくないでしょう。
というか、このレベルになると、会社など気にしなくてよいレベル、さらには国すら気にしないレベルになってきていると思います。
実際、中村修二さんは日本(と日本の社会)にいろいろと思うところがあったようで、今はアメリカ国籍を取得し、日本人であることをやめてしまいました。
(2)自分は社会的に抹殺される覚悟で、社会全体の正義のために戦いたい人
たまに、自分個人の利益のためでなく、社会を良くするために、自分は犠牲になっても裁判を起こす方、政治家に直談判しようと声を上げる方もいます。
#MeToo 運動や #KuToo 運動で声を上げ、ネットバッシングや実際のいやがらせを受けても屈しない女性もいます。
そういう女性や若者たちを、私は本当に尊敬します。
でも、自分がそれを会社相手にできるかと言われると・・・無理だと思います。
そんな甲斐性も、根気もないのが現状です。
私にできることは、せめて署名することぐらいです。
あなたはどちらのタイプですか?
(3)会社のせいで病気になり、リスクと天秤にかけても、訴えたほうが元が取れる場合
セクハラやパワハラ、長時間労働で重い精神疾患になったり、過労死寸前という場合。
これはもう、失うものが何もありませんよね。
会社を訴えて良いと思います。
さいごに
いろいろ書いてきましたが、会社を訴えてはいけない理由、いかがだったでしょうか。
舌足らずなところもあるかもしれませんし、抜けていた観点もあるかもしれません。
でも、この文章が少しでもあなたのお役に立てればと思い、記事にまとめました。
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