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【芸能モノ#1】素敵な学校


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あの青春をもう一度。
これは役者の宿命として受け入れざるを得なかった若き女優たちがとある学校であの日の青春を取り戻すお話。
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「えっ!私、もう一度学校に通えるんですか?!」

1人の少女がそう身を乗り出す。
その手にとある学校の入学通知書握られている。

そこは数多くの演者を抱える大手プロダクションが数年前に設立した教育機関。
十代より芸能活動を続けている女優向けにもう一度徹底した勉学の機会を、そして撮影等で不参加を強いられた学校イベントへの参加機会を与える名目で建てられた特別な機関であった。

その門を叩ける事に興奮を隠せない1人の少女。
それは今をときめく人気女優、永野芽郁だ。

彼女もまた、学校への未練を持った人物。

芽郁「私も友達と同じように勉強したり放課後遊んだり、毎日部活したりしてみたかったんです!体育大会も文化祭も修学旅行も」

これはそんな願いを叶えるべく集まった

女優達の物語。

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春。

永野芽郁は学生期叶わなかった青春をもう一度送りたいと念願の学校に入学を決めた。

そして、待ちに待った入学式当日。
門を抜け、桜並木を横目に教室を目指す永野芽郁は、心震わす新たな風を肺いっぱいに吸い込んでいる。

芽郁「うん、ピンクの香りがする」

満足気に歩き出す芽郁。

そこに背後から名を呼ぶ声がする。

??「あの!もしかして、永野芽郁ちゃんですか?あの、芽郁ちゃんも入学したの?!」

芽郁 「え?」

シワひとつ無い制服に身を包んだ芽郁を呼び止めたのは永野芽郁もよく知る人物。

今やドラマやCMで引っ張りだこの、あの女優だ。

芽郁「えっ!え?!、、みみみ、美桜ちゃん?!」

芽郁の声とポニーテールは嬉しそうに弾みスカートはふわりと風を受ける。

??「ふふ」

話しかけた少女、今田美桜もニコッと笑う。

芽郁は美桜の方へルンルンに走り出した。

??「ちょっとぉ?私も居るでぇ?」

芽郁「っ!?」

芽郁が美桜に辿り着くとその後ろからチラッと覗く別の少女が顔を出す。

傾けばなびくサラサラの髪にクリっとした瞳。

彼女もまた、誰もが知るあの有名なタレントだ。

芽郁「あっ、あ!あーーー!」

??「美桜ばっかり見て私を見落とすなんて許せない!」
美桜「いやいや今が使い時でしょw持ちネタ」

??「あっ、そうか」

美桜は背後に立っていた少女の背を押す。

??「あ、あー。コホン」

美桜と芽郁は静かに見守る。

??「それでは、永野芽郁の入学を祝し、本気でやらせて頂きます。それでは行きます。」

芽郁・美桜「…」

スゥゥ…

??「怒ったかんな~?許さないかんな~?…はs」

芽郁「環奈ちゃーーーん」
環奈「ちょっと!最後までやらせてよ!」

ネタ中にも構わず抱きつく芽郁に美桜は大笑い。

芽郁「環奈ちゃーん久しぶり~!」

美桜とは裏腹に、ぴょんぴょん跳ねる芽郁を抱き返す環奈はおろおろとしている。

芽郁「環奈ちゃんも入学してたの?嬉しい!!え、この学校知ってたの?いつから?いつ?」
環奈「近い近い近い」

喜びのあまり怒涛の質問攻め。
口を開けば唇が触れてしまいそうな、質問に答えづらそうな環奈の代わりに美桜が答えた。

美桜「私たちはここの2年生。入学は去年で私と環奈は同期だよ。ここは年齢関係なく入学出来て、入学以降の在籍年数がカウントされるの。だから同じ学年でも年齢はバラバラ!私も環奈も入学は所属事務所からの推薦でね!」

芽郁「ほむほむ」

美桜「一般には公開されてないから芽郁ちゃんも入学なんて驚き!私も嬉しい!ってかあれ?ふたり面識あるの?」

環奈「1回ね。ドラマできょ」
芽郁「ドラマで共演したことあるの!ねー環奈ちゃーん!!」
環奈「いやいや1回落ち着けぇ?」

環奈はテンションの落ち着かない芽郁の肩をそっと押し返す。

芽郁「ふたりとも2年生なんだね!あれ?でも…」

環奈に預けた身体を離して芽郁が不思議そうに聞いた。

芽郁「私は今日から1年生、美桜ちゃんと環奈ちゃんは2年生。確かここって…」

美桜「四年制よ」
環奈「そーそー」

2人は改めて芽郁に向き直る。

美桜「初めの一年間は小学1年生から6年生まで。そして二年生になったら中学範囲全般」

環奈「そいでもって三年次は高校全部で、最後の四年次は好きな分野を選んで、大学みたいな感じ」

芽郁「へー!」

美桜「もちろん私達が泣く泣く諦めた学校行事も毎年あるし」
芽郁「うんうん!」

環奈「毎日部活もやっていいしし」
芽郁「えー!嬉しいー!!」

環奈「毎日テストもあるよ!」
芽郁「…えー。」

環奈「それは嘘」
美桜・環奈「あははは!」

上げて落とされた芽郁の表情に2人の腹を抱えて大笑い。

芽郁「ま、まぁ。うん、楽しみだよ」

環奈「それにね?」

芽郁「うん?」

環奈「ここの先輩達には本っ当に凄い人たちがいるの!超憧れる」
美桜「そうそう!私も大好きな先輩達」

芽郁「えっそんな?……誰誰?」

顔を見合わせニヤける2人に芽郁は怪訝そうな顔をした。

環奈「何を隠そう、三年生には春奈先輩でしょ?萌音萌歌先輩でしょ?アリすず先輩に、李奈先輩、優愛先輩、麦先輩、そしてなんと言っても!小松菜奈様~」

芽郁「はっ、はい?!!」

芽郁は飛び上がった。

芽郁「か、川口春奈に上白石姉妹に広瀬姉妹に?川栄李奈に新川優愛に門脇麦に、こっ小松菜奈?!」

環奈「呼び捨てかーい」
芽郁「あっ、だって…」

芽郁は口を抑えた。

環奈「ふふ、凄いでしょ」
芽郁「あ、うん!凄い!」

美桜「ちな、4年生には、有村先輩、本田先輩、吉岡先輩、武井先輩。卒業生には高畑先輩や山本先輩がいるよ」

芽郁「うぉ!有村架純?本田翼?吉岡里帆に武井咲?!高畑充希と山本美月が卒業生?!」

環奈「だから呼び捨てかーい」
芽郁「もう!だってテンション上がっ…」

美桜「わかる、わかるよその気持ち」

芽郁「や。ヤバいですこの学校…」

手を空に拝み始める永野芽郁。

各学年のメンバーを挙げた美桜と環奈は想像以上に驚いてくれた芽郁に満足し指折りの手を下ろした。

美桜「ま、ついでに教えとくなら我らが2年生は、浜辺美波、中条あやみ、二階堂ふみ、桜井日奈子、飯豊まりえ、池田エライザ、黒島結菜、ってとこかな」

芽郁「えっ!えっ2年生もメンツやばっ!」

芽郁の目はまたキラキラと光る。

環奈「ちなみにぃ~!さっき私が入手したデータですとー、今年の新入生はぁ~!!」

美桜「え?」

環奈「有名どころだと芽郁ちゃんの他に、小芝風花、福原遥、杉咲花、山本舞香だってさー」

芽郁「ええ!」

美桜「ちょっと、何でそんなこと知ってんの!まだ新入生の情報は公開されてないのに」

芽郁「…?!」

自分と同級生になるメンツの初知りと環奈に対する美桜の急な問いただしに芽郁は戸惑い始める。

環奈「へっへーん!実はさっき教師室忍び込んで入学生リスト見てきちゃった、ほら、これ証拠」

スマホを突き出す環奈に美桜に呆れ始める。

美桜「ちょっと。環奈やめときなよ、それ校則違反だしバレたらヤバいって!余裕でお膝行きだよ?見なかったことにしてあげるから、早く消して」

環奈「えー、この世は情報社会だよお?先生達も無造作に置いとくのが悪いし早く情報を入手した者が勝つ世界、芸能界はそーゆーとこー♪!…でもさすがやばいから消すわ」

芽郁「えっ、膝って?…」

端末を操作する環奈は直ぐに証拠隠滅に取り掛かる。

環奈「聞きたい?…いや実はさ、」

芽郁「はい…」

唐突に神妙になる環奈、その声の小ささに芽郁は恐る恐る近寄った。

環奈「この学校、校則自体は緩い方なんだけど、、違反者への罰則が超絶厳しいんだよね」

芽郁「厳しい?」
美桜「そう」

美桜がため息をついた。

美桜「さっき言った上級生も私達の同期も未だに罰せられる人いるんだけどね…」

環奈「ま、要するに、し・つ・け、ってやつよ」

芽郁「はぁ…」

意味は分かるが先の分からない芽郁、とりあえず頷く。

美桜「私の知ってる限り、有村架純先輩は伝説で聞いた事がある、本田先輩や川栄先輩・すず先輩はやんちゃだからたまーに今でも見るよ。あ、前一回エライザ連れてかれるとこ見たわ」

環奈「え?エライザが?超えろいやん、エロイザやん」

美桜「何バカなこと言ってんの//」

環奈「わ、美桜ちょっと顔赤い?処女発動しちゃった??」

美桜「うっさい!でもきっと初めてだったんだろうね。エライザ最後まで渋ってたもんだから最終的にゃ手首固定でパンティ下ろしよ。声も仕草も恥ずかしいの凄い伝わってきた。エライザの他にあと同期で言えばふみちゃんと飯豊ちゃんもあるな。わんわん泣いてた」

芽郁「わんわん?ごめん、さっきから何を言ってらっしゃる?…」

環奈「へー。結構知ってるんだね美桜。架純先輩とか超レアじゃん、いいな、見れて」

美桜「4年生だし膝じゃなくて腰突き出した感じだったらしいけどね」

環奈「うわぁー。痛さ重視のやつじゃん」

美桜「あ、あと噂だけど姉妹パターンもあったらしいよ、ほら、萌音先輩が萌歌先輩にしちゃったの」

環奈「え、そんなこともあったの?」

美桜「噂ね?噂!家族ってこともあって凄いリアルで家庭的な雰囲気だったらしい。膝できっちりお叱りする感じ。萌歌先輩謝る時お姉ちゃん呼びだったんだって」

環奈「えぇ…。」

美桜「そう思うとすず先輩とか普通に家でもアリス先輩に泣かされてそうだよね」

環奈「たしかにwすずパイセンは良くされてそう」

いつの間にか芽郁を他所(よそ)に盛り上がり始める美桜と環奈。

環奈「あ、あとね!」

美桜「うん、何?」

環奈「私この前美波が泣いてたの見たよ、椅子座るのつらそうだった」

美桜「へーあの優秀な美波が?絶対そっちの方がレアだよ」

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