#60.結婚の儀式 ※加筆
〈結婚〉
それは夫婦になる事。
共に生き、支え合い、喜びや悲しみを一緒に過ごしていく生涯のパートナーとして契りを交わす事である。
重要とされるのは双方の信頼関係。
結婚生活とは相手の好きな所・かっこいい所以外も常に付き纏うそれはそれは永い永い対話と時間の共有である。
そうなると、一生を寄り添うパートナーの弱い部分・恥ずべき部分を事前に知る指標が双方のミスマッチを防ぐ上で必要不可欠となる。
自分の格好悪い所、見せたくないところ。
言わば自身の痛む姿や苦しむ姿。それをどれだけさらけ出す事が出来るか。
そして相手はそれを認め、どこまで受け入れることが出来るか。
その世界では結婚を控えた2人を図る試練としてどの家庭でも必ず実施されてきた“ある事”があった。
前提として儀式が済む前の性行為は一切禁止。
コンドーム未装着など言語道断。
社会的地位を失いかねる大罪となる。
それほどの覚悟を持って挑むべきものがこの世界の“結婚”というわけだ。
ではその儀式の方法とは何か。
結婚は本人らの問題だけではない。実行にはもちろん両家族からの承認が必要である。
儀式はその挨拶時に執り行われる。
これは当時私が27歳の彼氏と彼の実家へ結婚の申し出に伺った時の思い出話である。
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
ー
「では今から始めます。息子の姿をしっかり見ておいて下さいね」
未来のお義母さんは私にそう言った。
畳の部屋、並ぶ私達。
隣に座る彼は緊張と不安の入り交じった複雑な表情を浮かべている。
と言っても、これから“例の儀式”が始まると言うのだから当然と言えば当然であった。
お義母さんは深呼吸をすると正座の膝に手を置きポンポンと彼を呼び付ける。
しばらく俯いていた彼。手の中は握られる。
誰が見ても、どうにも嫌そうな顔だ。
仕方なく意を決して立ち上がる。
お義母さんの待つ場所へ、重い足取りのまま彼は小さく小さく歩を進めた。
私の方は見ない。
出来るなら目を逸らしていて欲しいと合わせない目がそう語っている。
その頬はほんのり赤い。
彼はお義母さんの元へ辿り着いた。
真っ直ぐ見つめられ、男らしく耐えなさいと静かに喝を入れられている。その背中はいつもよりも小さく見える。
続けてお義母さんは私の名前を口にする。
見られている事を無理やり思い出させられた彼。唇をきゅっと結ぶ。握り拳が震える。
目の前にはもう既に彼の為のスペースが広く確保されていた。
「来なさい」
彼は小さく頷いた。
正座のお義母さんにゆっくりと近付き、体を横付けすると、じわり這う様に身を乗せる。
風習としては知っていたものの私にとってこれは初めて見る光景。
好きな人のそんな格好に私は改めて息を呑んだ。
「ほら。昔みたいに」
お義母さんは彼のお尻を上から下へ撫でた。
そして
お義母さんは彼のズボンとパンツを膝下まで下ろしにかかる。
「…っ!!」
彼の手はかなり嫌がっていた。
「そこまでしなくていいだろ」と震えた声。
そう訴える声はカッコ悪く裏返っていた。
お義母さんはそんな事お構い無し。
儀式としてやるべきだと言うお義母さんと拒んだら結婚したくないと私に思われる彼氏の込められるチカラの差は雲泥だった。
やや強引のままに履き物全てをズルリッ。
彼は晒される。
脚先へ追いやられたズボンへ必死に手を伸ばす
私の視線を感じるとあわててお尻の割れ目に手の甲を当てた。
「こら!」
残念、無意味。
どう隠そうと彼のお尻はお義母さんによって直ぐに私の目に触れさせられる。
私と彼はまだセックスをしていない。
儀式を済ませるまで風習を守っていた。
このとき、私は初めて彼の下半身を見る事になる。
「いくわよ」
サイドは筋肉質で凹みテッペンは程よくぷりんと膨らんだ彼のお尻。
それはお義母さんの両膝に盛られて背や足よりも高く高く突き出されていた。
私は彼の素のお尻をじっと見つめてしまう。
お義母さんの合図に彼は少し抵抗気味に縮こまった。
恥ずかしそうな彼。
でも始まらない限り終わりはない。
まだお尻を隠そうとする彼へ、無慈悲にも婚姻の儀式は始まってしまった。
ぱぁんっ!
ぱぁんっ!
ぱぁんっ!
お義母さんは彼のお尻をぺんぺんと叩き出す。
部屋にこだまする小刻みな破裂音。
痛みよりも断然恥ずかしさの勝る横顔。
見ないでくれと言わんばかりに染まる頬。
瞬間的に目が合った時、彼はぎゅっと目を瞑り首を横に振る。
「お尻。逃げないよ。」
彼は注意を受ける。
無意識か、痛いのか、彼はお尻をゆらゆら揺らしていた。
お義母さんは追加罰の如く叩く手を強めた。
スピードも心做しか早くなっている。
お尻で弾ける音は激変し、彼の体は電気反応みたいにビクッビクッと動き出す。
ぱぁんっ!ぱぁんっ!
彼のお尻は右左絶え間ない手のひらを当てられてその部分が手形濃いめに赤くなってゆく。
その頃から彼は静かに伏せる事が出来ずに居た。
「っぐ。うっ!…痛ぅ」
そう言ってずりずり動いたりお尻の位置を頻繁に変えたり脚を曲げたり。
お義母さんのご指摘通り、彼のお尻は忙しなく逃げ続けていた。
しかしその彼の自衛行動はただただお義母さんの逆鱗に触れていくだけ。
それだけのことだった。
彼は強く名前を呼ばれた。「…っ!」
彼は泳いでいるかのように脚をばたつかせてお義母さんに儀式の終了を訴えている。
一方お義母さんはことある事に私の名前を出して「みられてるよ」「そんな姿見せたくて今日呼んだの?」「少しは男らしいとこ見せなさい」と。
藻掻く彼に羞恥心を与え一際強くお尻ペンペンした。
「ああっ、痛い!痛い痛いごめんなさい!!」
彼は何も悪い事をしていない。
そんなこと、そこにいる皆初めから分かり切っている。
それなのに彼は突然謝り始めた。
きっとお尻の痛みに気が動転している。
そうに違いない。
若干泣き出した彼からそう感じざるを得なかった。
それでもお義母さんは止まらない。
庇う彼の手をはたくなり払うなり掴むなりしてお尻を真っ向からぺんぺん、ぺんぺん、ペンペンの嵐。
彼のお尻を手放す気配は毛頭感じられなかった。
「うあっ!ああっ!!」
お尻のぺんぺんは尚も続く。
彼は年甲斐もなく暴れ始める。
脚先を絡めたり、開いたり、ばたつかせたり…。なんて恥ずかしい姿なのだろう。
そう暴れていた時、私は偶然、見えてしまった。
見るつもりなんて無かった。
セックスはまだだったから。初めて知る。
彼には…
毛が無い。
彼のアソコには毛がなかった。
ツルツルだ。竿と玉だけ。
産まれたばっかり姿。
おちんちん自体は確かに大人のサイズではある。
大きいものの、ソコは子供の様にすべすべで、子供みたいなお仕置きを受けて、挙句、ごめんなさいと必死に謝っていて。
27歳社会人男性に向ける言葉として適切かは分からないけれど。その姿はまさに。
〈 陰毛の無い大きな男の子のお尻ペンペン 〉
正直言って彼のその姿はとてもじゃないけど目も当てられない程かっこ悪かった。
綺麗な棒と玉だけがお義母さんの横膝でぷらんぷらん揺らされ、アナルは叩かれる衝撃に早く浅く恥ずかしく呼吸を続ける。お尻ペンペンにジタバタと泣き喚く歳上の成人彼氏。
せめて私の手前、強く居て欲しいと思っていいたけど、それは到底叶わない願いだった。
「嗚呼っ!痛いっ!お母さんっ!あぁぁ…」
初めて見たのになんだか懐かしい雰囲気。
お義母さんのお叱りや彼の泣き言からは十何年か前の2人を容易に想像させられた。
悪さをしたらお母さんの正座に乗せられパチンパチンとお尻をぶたれて叱られる。
彼はこうやって育てられたんだと思ったら不思議と彼の幼稚な急所が可愛く見えてきた。
「母さんタンマ!すとっぷ、もうやめて!ほんと痛い、ああっごめんなさい!!!…」
ああ、でも格好悪い。
格好悪くてもう、なんて言っていいか。
彼は結局、たくさんの平手打ちをお尻に浴びて、それはそれは泣きじゃくった。
…
それから程なくしてお義母さんからヨシが出される。
彼の儀式はようやっと終える事が出来たのだ。
その時私がえぐえぐ泣く彼をどう思ったかは思い出せないけれど、いま結婚しているという事は恐らくそういう事。
毛無しおちんちんやペンペン泣き腫らしによる瞬間的なドン引きは置いといて、きっと私は彼を受け入れる事が出来た。何なら私は
「痛かった?」「よく泣いてたね」「恥ずかしくないの?」「昔からそんな感じ?」「じたばたして許して下さいって?」「ふーんそっかそっか」「よく頑張りましたよちよち」と彼をからかって遊んでいた。
そう、あの日までは…。
彼の番が終われば今度は私の番だ。
…けど、それはあまり思い出したくない。
言える事と言えば、儀式中母親に…
ここから先は
¥ 777
Amazonギフトカード5,000円分が当たる
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?