東海林さだお(1937.1.30- )・平松洋子(1958.2.21- )「西荻くんだり」「創作とショーバイ」『COYOTE No.57 特集 平松洋子 本の丸かじり』スイッチパブリッシング 2015年11月15日発売
東海林さだお(1937.1.30- )
平松洋子(1958.2.21- )
「西荻くんだり」
「創作とショーバイ」
『『COYOTE No.57
特集 平松洋子 本の丸かじり』
スイッチパブリッシング
2015年11月15日発売 1,296円
http://www.switch-store.net/SHOP/CO0057.html
http://www.amazon.co.jp/dp/4884184033
「食を通して人々の物語を綴るエッセイスト・
平松洋子は、無類の読書家でもある。
人はなぜ物語を欲するのか?
平松洋子が本を通して旅し、人に会い、考える特集号です。」
Coyote No.57 Contents
特集 平松洋子 本の丸かじり
本で旅する 本を旅する
8 Short story for “In Watermelon Sugar" 1
平松洋子 ラザニアと西瓜紙
絵=山﨑杉夫
18 Dialogue
小川洋子+平松洋子 行儀のわるい読書
80 Short story for “In Watermelon Sugar" 2
小川洋子 蟋蟀の彫像
絵=辻恵
94 西荻窪 本をめぐる人々
西荻へようこそ
98 Conversation
東海林さだお+平松洋子 西荻くんだり
写真=池田晶紀
104 Other voices
いつもの場所へ
雨でも晴れでも、読書と散歩
118 essay
東海林さだお論 ぐやじー人
文=平松洋子
120 Interview
創作とショーバイ
東海林さだお
聞き手=平松洋子
128 Comic
東海林さだお『漫画文学全集』
西荻あたりの太宰治
2016年2月25日 に、
「特集 平松洋子 本の丸かじり 本で旅する 本を旅する」の
前半「小川洋子+平松洋子 行儀のわるい読書」と
後半「東海林さだお+平松洋子 西荻くんだり」
だけ読みました。
小川洋子さんの作品は一冊も読んだことがないので、
前半は最初は流し読みしてましたけど、
だんだん引き込まれてしまい、お二人の対談集、
『洋子さんの本棚』集英社 2015.1
http://renzaburo.jp/yokosan/
http://www.amazon.co.jp/dp/4087715914
を読んでみたくなりました。
『丸かじり』ファンの私は、後半は勿論熟読再読三読です。
1937年生まれのショージさんは1970年から西荻窪住民で、
1958年生まれの平松さんは西荻窪駅北口徒歩12分な
東京女子大学卒業生、今も西荻窪住民です。
「平松 太宰の次に夢中になった人は誰かいましたか?
東海林 石川啄木。啄木も本当にはまって、
一時期は全部覚えていました。
今でも二十個くらいそらで言える歌がありますよ。
「函館の 青柳町こそ かなしけれ 友の恋歌 矢ぐるまの花」
という短歌、当時好きでした。すごくきれいでしょう。
街の名前が出てきて、矢ぐるま草が出てきて。
啄木は詩もたくさん書いていて、
新体詩という流れを汲む蒲原有明や北原白秋も好きでした。
独特のリズムがあるんですよ。
若山牧水も読みました。それが青春時代です。」
p.121 創作とショーバイ
なるほど、
1937年1月30日生まれ
都立立川高校卒業
早稲田大学第一文学部ロシア文学科中退な
マンガ家・エッセイストは
やっぱり文学青年だったんだなぁ。
東海林さだお
「弁当の〝跡地〟」
『目玉焼きの丸かじり』
朝日新聞出版 2014.10
https://www.amazon.co.jp/dp/4022512237
https://www.amazon.co.jp/dp/4167910012
「梅干しの跡地。少し窪んでいて、少し赤く滲んでいる。梅干しを食べたあとの跡地。ちょっとだけ塩(しょ)っぱく、ちょっとだけ酸っぱく、梅干しの匂いも少し残っていてこの跡地はおいしい。
弁当を食べるとき、ぼくはいつもこの跡地を大切に思いながら食べている。
若山牧水の短歌に、
かたはらに秋ぐさの花かたるらく ほろびしものはなつかしきかな
というのがあるが、
ぼくは弁当の梅干しの跡地を
かたはらにシソの葉の色かたるらく ほろびしものはなつかしきかな
と思いながら食べている。」
https://www.amazon.co.jp/dp/4022572132
https://www.amazon.co.jp/dp/4167177501
東海林さだお
『親子丼の丸かじり』
朝日新聞社 1997.10
p.116
「われは飲みこむブドウのツユ」
「ブドウを食べていたら、ぼくは急に詩人になりました。
秋は人を詩人にするのです。
秋は誰でも詩人になれるのです。
ブドウは秋の塊。いざ食べん。ブドウを詩人の心で。
ブドウの味。
それは真夏の陽ざしの中のむせかえるようなブドウの葉の匂いの名残。
実というにはあまりに柔らかく、あまりに実体のない透明な果肉は、
一刻も早く果汁の姿になりたがっているようだ。
口中の仕組みはいま水の果肉を圧し、
おびただしき果汁口の中にあふれたり。
スイカほど淡白ではなく、桃ほど濃密ではなく、
ある種の重さを宿したその果汁いまわが舌をひたしたり。
堪えがたければわれは飲みこむブドウの果汁。
ブドウのツユの、などかくはおいしき。」
伊東静雄(1906.12.10-1953.3.12)
「水中花」
だなぁ。
以下、蛇足ですけど、念のため、青空文庫から、
伊東静雄
「水中花」
『詩集 夏花』1940(昭和15)
ことし水無月(みなづき)のなどかくは美しき。
軒端(のきば)を見れば息吹(いぶき)のごとく
萌えいでにける釣(つり)しのぶ。
忍(しのぶ)べき昔はなくて
何(なに)をか吾の嘆きてあらむ。
六月(ろくぐわつ)の夜(よ)と昼のあはひに
万象のこれは自(みづから)光る明るさの時刻(とき)。
遂(つひ)逢はざりし人(ひと)の面影
一茎(いつけい)の葵(あふひ)の花の前に立て。
堪へがたければわれ空に投げうつ水中花(すゐちゆうくわ)。
金魚(きんぎよ)の影もそこに閃ひらめきつ。
すべてのものは吾にむかひて
死(し)ねといふ、
わが水無月(みなづき)のなどかくはうつくしき。
http://www.aozora.gr.jp/cards/001197/files/45279_18539.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/東海林さだお
読書メーター
東海林さだおの本棚(登録冊数109冊 刊行年月順)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091206
平松洋子の本棚(登録冊数35冊 刊行年月順)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091301
食べ物の本棚(登録冊数789冊)
エッセイ、小説、マンガ、絵本、レシピなどを
著者名の五十音順に並べています。
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091194
https://note.com/fe1955/n/na1b4228390c5
東海林さだお(1937.1.30- )
『ひとりメシ超入門(朝日新書)』
朝日新聞出版 2020年2月刊
312ページ
https://note.com/fe1955/n/ne8719ab5e759
東海林さだお(1937.1.30- )
『自炊(ソロメシ)大好き!(だいわ文庫)』
大和書房 2022年9月刊
288ページ
https://note.com/fe1955/n/na7a9bc9747ac
東海林さだお(1937.1.30- )
『ショージ君、85歳。老いてなお、ケシカランことばかり』
大和書房 2023年1月刊
224ページ
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